[発行日:2008.10.31] vol.48 プロジェクト・ワイルドを使った中学校の授業 他2件 

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┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2008.10.31 ━★

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  ★☆★トンボ・エコフォーラム掲示板を開設しました★☆★

 環境学習(自然環境教育・消費者環境教育)に関心のある先生や
 NPO法人会員、保護者の方の情報交換の場としてご投稿をお待ちし
 ております。お気軽にご利用ください。
 http://www2.tombow.gr.jp/eco_project/eco_forum/index2.html

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こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。10月2回目の発行です。
いよいよ、寒くなって来ました。コタツが恋しい季節到来ということでしょう
か。今回は3つの話題をお届けします。


   もくじ【1】プロジェクト・ワイルドを使った中学校の授業 
      

      【2】森の聞き書き名手名人フォーラム報告
      

      【3】森の聞き書き甲子園 電子図書館オープン


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   【1】プロジェクト・ワイルドを使った中学校の授業 
    

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前回ご紹介したプロジェクト・ワイルドを使った環境授業の例を紹介
しましたが、今回は中学校において環境学習プログラムを活用されて
いる例をご紹介します。

< 実施されている先生 >
実施されているのは、東京 足立区立第九中学校の理科の先生である
寺嶋 聡教諭です。寺嶋先生がプロジェクト・ワイルドと出合ったの
は3年前とのこと。当時板橋区で開催されたプロジェクト・ウエット
という環境学習プログラムを受講されました。理科の授業をより深く、
生徒達に理解させることができると考え、プロジェクト・ワイルドの
本編水辺編、サイエンス&シビックス編さらには、プロジェクト・ラ
ーングツリーのプログラムやネイチャーゲーム指導員の講座も夏休み
の間に受講されました。

< 環境学習プログラムのがHP紹介 >
・プロジェクト・ウェット http://www.project-wet.jp/
・プロジェクト・ラーニングツリー 
        http://www.k3.dion.ne.jp/~eric-net/plteric.htm

< 理科の授業での実践例 >
現在理科の授業の活用方法としては「選択科目の理科」の中で実施さ
れています。昨年度は「死のつながり」「オーディア」といったアク
ティビティを実施されました。食物連鎖がゲームを通して体験、実感
できるアクティビティです。

音と光の伝わり方の違いを体験する事業として近くのかわらで800
mほどの間に生徒が札を持ち、運動会のピストルの音が聞こえたら札
を上げていく、ストロボの光が見えたら札を上げていくこれにより、
順に上る札を見て、音速が340m/秒というのが体感できたそうで
す。

< 他の学科での実施について >
「道徳の地区公開講座」で公共心をテーマにした学習にも応用されて
います。水をテーマにして 地球にある水全体のうちにどれだけが実
際に使える水であるかを、アクティビティを使って生徒に体験させ、
分かり易く解説、生徒の反応としては、実験などは楽しみながら興味
を持ってやったそうです。

このほかにも、プロジェクト・ワイルドをはじめとする環境学習プロ
グラムを活用することで、国語などにも取り入れる事ができるのでは
ないかとの提案もいただきました。「水」をテーマにすると水の諺か
ら意味を調べてそれが意味する絵を描き、かるた形式で絵と諺を一致
させることでより深い理解に繋がるなど。

< 課題 >
課題もいくつかあります。1人で実施できるアクティビティは限られ
るので、実際にやるとなると複数の応援が必要。ただし、支援者への
謝礼等を考えると実施できる回数も限られる、また、支援してくださ
る団体がないとできない。環境学習プログラムの受講者が少なく、教
員同士で実施するということはより難しいとのこと。

< 環境学習プログラムの効果 >
座学で、表や数値をみるだけよりは、体験することで理解が深くなる、
理科が苦手な生徒も楽しんで学習することができるという大きなメリ
ットがあります。

< 寺嶋先生の思い >
寺嶋先生は プライベートでも体験型環境学習への思いは熱く、PW
すぎなみという団体にも属し、休日に子ども達と一緒に学んだり、小
学校での授業支援を行なったりされています。

環境学習プログラムを授業に取り入れること、目に見えた効果が即で
るわけではないが、自分が行動することで未来を託す次の世代に何か
が伝わるのではないかと話されました。
寺嶋先生の授業風景です。
  http://www.tombow.gr.jp/Biotope_melmaga/08.10.31/1.pdf




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      【2】第2回森の名手名人フォーラム報告 
    

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今年1月発行の第37号でご紹介した森の名手名人フォーラムですが、
今月に第2回目のフォーラムが長野県 上松町で開催されました。
前回とは違い、今回は名人の仕事場である現場を訪問してのフォーラ
ムだけに、より日本の伝統を支えてこられた名人の技や知恵そして足
跡を見ることができたフォーラムでした。

< 森の聞き書き甲子園と共存の森ネットワーク >
7年前 日本の森、山村で暮らしてきた方々の日本の技術を残したい、
表彰したい。聞き書きを高校生にさせよう。手わざ、感性の中で生き
てきた技術を伝えようと始まった森の聞き書き甲子園事業。偏差値教
育の中で育った高校生は聞き書きを通してショックを受け、心を通じ
合わせ、生きる力を知り、お金だけでないことを知った。そして自分
達も関わりたいと「共存の森のネットワーク」を誕生させたと澁澤副
理事長の挨拶にはじまったフォーラム。

< 名人のわざを支える森 >
「木のいのち 木のこころ」と題して塩野理事長が講演。法隆寺の復
元に携わった大工の棟梁西岡氏はそれまで700年〜800年忘れ去
られていた道具 槍カンナを使って復元。しかしこれができたのも
「木」という材料があったから。産業革命が先に起こったイギリスで
は、材料がなくなり、道具がなくなり、手わざがなくなった。今の日
本の森も危ない状態、木がプラスチックに置き換わり、名人と呼ばれ
る職人が生きていけない環境になりつつある。

< 森の恵の大切さ >
この後、柿葺き屋根板職人平田氏、へぎ板職人小林氏、桶職人伊藤氏
と共存の森理事の大学生前川氏によるパネルディスカッションが行な
われ、これまでの歩みと共にこれから伝えて行きたい思いを語りまし
た。   
「この仕事ができるのは木曽の恵まれた木があるから」。と自然の恵
みがいかに偉大なものであるかを認識させる一言がありました。

材料を得る地域を守ること、そして、その森から生まれたものは、持
続可能な生活を保証するスタイルであることが分りました。同時にそ
の製品の価値が社会に受け入れられることがないと持続可能な社会は
実現できないのではない 日本人の伝統・文化も滅びてしまうとも感
じたパネルディスカッションでした。

翌日からは木曽の林業の現場を見たり、民宿にて、養蚕を営んでこら
れた地元の方のお話を聞いたりして、日本の伝統的な生活とその価値
を認識したフォーラムでした。参加した高校生、大学生、森に関わる
仕事を始めた若い人たち、支援する企業それぞれが、それぞれの思い
で日本の林業の価値、人との関わり、未来について思いを馳せたと感
じます。

フォーラムの模様、森林の模様はこちらからどうぞ
  http://www.tombow.gr.jp/Biotope_melmaga/08.10.31/2.pdf




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    【3】森の聞き書き甲子園 電子図書館オープン
  

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【2】でご紹介した「森の聞き書き甲子園」の高校生の作品がインタ
ーネットでご覧いただけるようになりました。今月1日より、森の聞
き書き甲子園「聞き書き電子図書館」として開設されました。
「森の名手・名人」を聞き書きした高校生の作品から、まず、平成14
年度の100作品をアップ。来年3月までに、順次、過去の600作品をア
ップする予定とのことです。

一般の方も、閲覧の申し込みができます。
まずは、どんな図書館をオープンしたのか。ぜひ一度、御覧ください。

◇聞き書き電子図書館 http://www.kyouzon.org/library/

また、環境に関する著作家として有名な枝廣淳子さんの「私の森.jp」
でも、聞き書き甲子園の紹介がアップされています。

◇私の森.jp http://watashinomori.jp/go/image_kikikaki.html

インターネットテレビ「Green TV Japan」では、聞き書き甲子園に関
する映像が御覧になれます。

◇Green TV Japan http://www.japangreen.tv/life/#/ch9

(「名手・名人の想いを繋げ」、「森で生きる名人」?〜?の計5本)
弊社グループが支援する森の聞き書き甲子園の事業是非ご覧下さい。 





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┃   発行者: 株式会社トンボ  環境事業企画室      
┃        〒700-0985岡山市厚生町2-2-9
┃        Tel:086-232-0368 Fax:086-225-6680

┃   □ URL:http://www.tombow.gr.jp/eco_project/

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