[発行日:2004.04.06] vol.5 コラム 飯島 博氏 ITで世界を結ぶ生き物の道地球儀構想、学校ビオトープネットワーク 吹田市立西山田小学校、
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もくじ 【1】「スタディーノート」を利用した学校ビオトープ
ネットワーク
〜吹田市立西山田小学校〜
【2】 コラム 飯島 博氏
子ども達と生き物、ITで世界を結ぶ。
生き物の道地球儀構想
【3】 高校生の環境意識を育て、森の未来を守る
〜「第2回森の聞き書き甲子園」〜フォーラム報告
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こんにちは。株式会社トンボ、環境事業企画室の小桐です。
桜の満開の地域が日本の半分まで伸びてきました。
私どもの会社は忙しさの真っ盛り。入学式に真新しい制服に腕を通して喜
びに胸を膨らませる新一年生のために夜も、昼も無く、休みも返上して、
社員一丸となって必死に制服を作り、納品のためのセットや運送便の手配
に追われています。
入学式まであと少し、納品の終わったあとに桜が残っていれば、やっとお
花見もできるのですが、今年はぎりぎりといったところでしょうか。
岡山ではところによっては散る桜も出てきています。
さて、今回はビオトープとITの活用ということをテーマにしてみました。
2月の全国学校ビオトープネットワークシンポジウムで出会った、大阪の
吹田市の小学校の先生のご紹介で同市内のビオトープを使った2校の交流
の取材をさせていただきました。
コラムは アサザ基金 代表理事の飯島さん 新しい構想の実践のために
ITネットワークを立ち上げられました。
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★ 1.「スタディーノート」を利用した ★
学校ビオトープネットワーク
〜吹田市立西山田小学校〜
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スクールビオトープ実践校のご紹介
「スタディーノート」で学校ビオトープネットワーク
〜吹田市立西山田小学校〜
今回、学校ビオトープシンポジウムでご縁ができた吹田市立豊津第一小学
校の高畠耕一郎先生のご紹介で、
教育用パソコンソフト「スタディーノート」を活用し、近隣の小学校との
ネットワークづくりなど勢力的に活動されている吹田市立西山田小学校の
下村研司先生にビオトープについてお話を伺うことができました。
下村先生は4年前に西山田小学校に赴任され、前任校でも学校ビオトープ
作りに携わっておられたこともあり学校にビオトープづくりの中心になっ
て活躍されています。
○西山田小学校でのビオトープ活動
西山田小学校は大阪府吹田市の万博の北西に位置する住宅街の中にあり、
学校ビオトープは下村先生が赴任された年の2000に着工し2001年に完成。
ビオトープ活動は主に学校の中庭にあるトンボ池で動植物の観察や気温や
地中温の観測をしておられます。
また校外では学校の横にある千里山田緑地(ヒメボタルが生息)で、生徒
や保護者と一緒に地域の協力を得てフィールドワークに行ったりするそう
です。また、近隣校とインターネットを使って情報交換もされています。
○学校ビオトープのネットワーク活動
西山田小学校では、学校向け教育ソフト「スタディーノート」を活用して
独自に近隣校(山手小学校・山田第二小学校・豊津第一小学校・吹田第三
小学校)とネットワークを作られています。
主に学校のクラブ活動「エコキッズクラブ」の子供たちが活動しており、
他校のエコクラブとの交流会でフナやメダカ、カダヤシなどの魚やデンジ
ソウ、ジュズダマなどの植物の交換をしたりしています。
持ち帰った動植物は学校ビオトープに入れて観察し、その様子をデジカメ
で撮った写真やイラストに言葉を添えてパソコンに記録し校内LANでみ
んなが見られるようにしており、またインターネットを活用して、交換し
た学校と動植物の様子をメール交換したりしています。
「スタディーノートは扱いやすので学習に適しています。交換したものの
様子が気になるみたいでメールするのが楽そうですし、パソコンを使った
イラストも最初は単純でしたが、回数を重ねる毎にだんだん技術が上がっ
てきています」とパソコンを使うことでの成果が色々な面で現れていると
の事。
課題としては、パソコンでの学習時間がとれないためにインターネットで
の日常交流ができないことと、パソコンがコンピューター室のみに設置さ
れているため、送られてきてからメールを見るまでに数日かかってしまう
ことだそうです。
数年先には各教室へのパソコンの設置の話もあり、そうなればリアルタイ
ムでの情報交換が可能になり、ビオトープネットワークがもっと身近なも
のになっていくだろうと言われていました。
○ビオトープでの出来事
こんなエピソードを聞かせていただきました。
「ある日、職員室前(2階)の廊下を通り、なにげなく庭を見たときに、
なにかいつもと違うなと感じました。
池に流れていく川がいつもは水面がキラキラと輝いているのに、今日はヌ
ルッとしているのです。近くで見てみると、川の流れが以上に速く、川底
に流れを緩やかにするために入れている石が外に全部上げられており、シ
ートがむき出しになっていました。
生徒たちの悪戯だったのですが、理由を聞くと「笹舟競争をしていて、舟
がすぐ止まって面白くないので止まらないようにした」と言っていました。
悪戯をしたくなるのは子供の本能のようなもので、笹舟競争をしていたら
気持ちよく流したくなるのもあたりまえ。
当然悪いことをすれば叱りますけど(笑)。
それも子供たちにとっては経験で、自然を壊すことで起こる結果を知る勉
強の場になります。学校ビオトープは自然に触れる場で、みんなで守らな
いといけないのですが、壊れてしまっても元に戻すことができます。
しかし、本当の自然を壊せば元には戻らないので、学校ビオトープでそう
いった体験をしながら環境について学んでほしい。」
○さらなるネットワークの拡大
下村先生は吹田市に働きかけ環境教育担当者会の立ち上げを計画されてい
ます。吹田市内の小中学校合わせて45校が集まることになるので、色々
な情報交換の場となり、人脈づくりや、
「ビオトープをしたいけどどうすればいいのか」
「問題が発生したけどどうしたらいいのか」など、各校の先生が抱えてい
る様々問題を解決する場としていきたいとの事。
実現すれば学校ビオトープのネットワークが吹田市全体まで広がることに
なります。
○スタディーノートについて
ご存知の方も多いと思いますが、スタディーノートについて簡単に説明い
たします。これはシャープシステムプロダクト株式会社が学校向けに作っ
ている教育用基本ソフトウェアのことです。
機能は私たちがよく使っているビジネス向けソフトと似ていますが、生徒
が扱いやすいようにツールなども大きく、シンプルになっています。
<主な4つの機能>
@文章・イラストの作成や写真・音声などの記録ができるノート機能。
Aクラスの友達と文通感覚でやりとりできる電子メール機能。
B作ったノートを掲示してみんなで閲覧できる電子掲示板機能。
Cノートで作った情報をテーマ毎に蓄積・検索して活用できるデータベー
ス機能。
この件についてのお問い合わせは下記のアドレスまでお願いします。
k-shimomura939@r5.dion.ne.jp
吹田市立 西山田小学校 教諭 下村 研司 様
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★ 2.子ども達と生き物、 ★
ITで世界を結ぶ。生き物の道地球儀構想
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NPO法人アサザ基金 代表理事 飯島 博氏
アサザプロジェクトはITを活用した新たな事業展開を開始しました。
最新のIT技術と小学校の子ども達の日常的な活動を組み合わせ、広大な
霞ヶ浦流域全体の環境の変化を常時観測するシステムの開発です。
流域管理は各地の河川や湖沼で大きな課題となってきましたが、行政機関
も研究機関も未だに実現できていません。
そこで、わたしたちは全く新しい視点で流域管理を具体化しようと、今回
の事業を始めました。
NEC(日本電気株式会社)が開発した太陽電池で駆動し環境情報(温湿
度や画像等)を無線で送ることのできるセンサーネットワークシステム
(アドホック・マルチホップ通信技術)を、流域の110の小学校に設置
したビオトープや各学区内の生息地に設置して、温度や湿度、画像などの
環境情報を日常的に収集する取り組みです。
まず、各学校ビオトープにやって来るカエルに焦点をあてた学習から始
めます。カエルはビオトープにやって来る生物の中でも最も移動能力の弱
い生物です。つまり、もっとも弱い生物を基準にして、学校の周りの自然
環境を見直してみようという学習を行います。
子ども達はカエルの気持ちになって、身近な環境のことを考えていきます。
昨年度は流域の石岡市と潮来市の3校をモデル校に選び、ビオトープや
校庭にセンサーの設置を行いました。今後は、流域の各学校を中心にカエ
ルの移動を想定した形で、学区内のハビタットにセンサーを設置していく
総合学習を行い、学区内で集めた環境情報と生物観察記録をITを使って
日常的に流域全域の学校ネットワークで共有できるようにしていきます。
企業が開発した最新技術とNPOが展開する広域ネットワーク事業が連動
した新しい展開です。
同時にこれらの取り組みは、各小学校を地域コミュニティーの拠点と位
置付け、子ども達の学習が広げるきめ細かなネットワークを活かして地域
コミュニティーの再生をはかり、福祉や治安、防災等の充実をはかること
ができます。もっとも弱い生物カエルの立場から地域を見直す取り組みは、
弱い立場の人々への眼差しも育むことができるからです。
自然再生事業には、地域住民の理解と参加、日常的な環境監視やきめ細
かな管理等の継続が不可欠です。
今回の取り組みはトキやコウノトリなどの野生復帰に必要な地域ぐるみの
受け皿作りと考えています。
今後はこのシステムを活用して、流域から全国に、さらに海外に渡り鳥等
の生物の移動ルート「生き物の道」上の学校同士の連携を作りながら、地
域コミュニティー(学区)を基本単位にした環境保全の為のグローバル・
ネットワークを構築していきたいと考えています。
世界中の小学校を、国境を越えて地球の営み(生き物の道)を通して結ん
でいくことができれば、世界平和にも貢献できると思います。
自然再生には、自然環境の再生と同時に、未来の世代のために自然を損
なわない共生のシステムを内包した地域コミュニティーの再生が不可欠で
す。もちろん、そのためには人と人、人と地域の結び付きの再生も不可欠
です。地域コミュニティの再生を軸に、子ども達から子ども達へ、地球の
営みのネットワーク(生き物の道)を通して、世界を結び直していく
「生き物の道地球儀」構想がいま動き始めました。
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★ 3.高校生の環境意識を育て、森の未来を守る ★
〜「第2回森の聞き書き甲子園」〜 発表会報告
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第2回 森の「聞き書き甲子園」フォーラム 3月28日
東京大学 弥生講堂
主催:第2回 森の「聞き書き甲子園」実行委員会
林野庁、文部科学省、社団法人国土緑化推進機構、NPO法人樹木・環境
ネットワーク協会
特別協賛 鰍mTTドコモ、
協賛 潟Eッドワン、(財)イオン環境財団、富士ゼロックス
近畿日本ツーリスト梶A潟eィムコ、松下電器産業梶A
且草カ堂、 明治製菓
○森の聞き書き甲子園の開催主旨
2002年にスタート。日本全国から選ばれた高校生100人が、森にかかわ
るさまざまな分野で活動する「森の名手・名人」を訪ね、一対一の対話を
通て知恵や技術ものの考え方や生き様を「聞き書き」し、その成果を世の
中に伝えていく活動です。
この甲子園は、おじいちゃん、おばあちゃんと孫の世代の出会いです。町
に生まれ育った高校生と森に生きてきた人たちの対話です。
名手名人と10代の受け継いできた人と受け継いでいく人の交歓です。
舞台は、森にある暮らしの場、仕事の場。高校生はその土地に足を運び、
身をおいて観て、聞いて、五感のすべてを生かして感じ取ります。
文字誕生以前からある、人間のこれらの能力を使って得たものごとを文字
にして書き上げます。
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○ 第2回 森の「聞き書き甲子園」フォーラム内容
主催者の方々の挨拶です。
林野庁 前田長官
森の聞き書き甲子園 2年目 次代を支える高校生と名人の触れ合いを通
して心豊かな生き方を後世に残す。
文部科学省 藤田審議官 (生涯学習政策局担当)
半年にわたる 長い授業だ。研修学校行事等忙しい中に、レポートをまと
めた。
高校生を受け入れた名手名人に感謝する。
高校生にとっては環境学習、就労体験としても貴重である。
(社)国土緑化推進機構 田中専務理事
森林は人類全体の財産。国民一人一人が森林は自分のものだ。
人と森のつながりは希薄で距離が遠くなっている。関係修復が21世紀の
課題:自然との共生を実現するために 森をどのようにしていくか。
人々は森に積極的に関り、保全し、その恵みを享受してきた。これを護り、
発展させ、森の知恵、文化、技、技術 を次代を作る高校生により人々
広く伝える。森林のよさを若い感性で捉えて、表現して欲しい。
森の国 日本を 新しい国民による森作りを!
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○ 森の聞き書き甲子園システム
@森の名手、名人の授与 国土緑化推進機構による認定。
全国で100人(昨年も100人)認定
A高校生の募集、決定 推薦、公募推薦され、聞き書きについての指
導を作家塩野米松氏、阿川佐和子氏より受け、10月より聞き書き実施。
B1月に聞き書きの原稿提出。
C3月にフォーラムの開催。 聞き書き作文代表5名と写真の優秀作品代表
1名の表彰
この企画の主旨と第1回の参加高校生と名人のかかわりは書籍になって紹介
されています。
タイトル 「森の人 人の森」
−森の聞き書き甲子園が高校生にもたらしたもの−
発行所 ウェッジ
定価 ¥1,680(本体¥1600、税5%)
この本に興味のある方は 下記のところへお問い合わせ下さい。
市価より安く手に入るそうです。
森の“聞き書き甲子園”実行委員会事務局
mail:foxfire@japan.email.ne.jp
tel:03-5366-0766
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○森の聞き書き甲子園フォーラムの内容
コーディネイターは
文筆家、インタビュアーとして広く活躍される 阿川佐和子氏と作家で、
芥川賞候補連続4回となるなど 小説と職人の聞き書きを中心に執筆活動を
されている塩野米松氏。 塩野氏は今回の高校生の指導を中心的存在とし
て行っておられます。
塩野さんは、毎年100人の高校生が各県で2人ずつこのプロジェクトに
参加し、それが続き、重なることで波紋がだんだん広がっていき、いずれ
社会全体で森林を支えるようになっていけるのではないか。
高校生の目を通して意識を醸成していく、レポート作成は苦心して行った。
高校生のために時間を割いてくださった森の名人に感謝
○名人と高校生のインタビュー
@名 人:木造船の巨匠 松岡 亀松氏 74歳 熊本県
県内唯一の小型木造船 造船所経営の船大工 300隻作った。
長崎三菱造船に就職 そのあと船大工になった
高校生:熊本県 八代白百合学園高校 2年 飛石 貴子さん
飛石さん
・4回取材に行った フェリー50分 1回の取材は4時間ほど
・感動したこと:船には作った人の思いが込められている。
・船大工の専門用語 が取材して難しかった 表記 の仕方 漢字か
ひらがななのか
松岡名人
・大型船は20mくらいの長さの木を使う 製材機が使えない。したが
って写真のような鋸(大きな鉞のような)で切っていく。
・日本の木造船はまっすぐなとところがない、板を重ねない、釘は表
に出ないようにする。
・船は一人で作る。小型船で 50日かかる。孫が後を継ぐと小学校
の文集で書いている。現在、高校1年生だが将来はどうなるか・・
A名 人:造林手 門 三郎氏 滋賀県
大正11年 滋賀県に生まれ 航空隊経てふるさとに帰り 枝打
ち間伐、下草刈りの技術が評価
高校生:愛知県 黄柳野(つげの)高校 3年 岩井 世知(せしる)さん
岩井さん
・インタビューは初めて、造林業 学校でも植林したことあるが丁寧さ
が違う。木に対しての愛情がある。たまたま 森林をやっている人が
いて校内応募が1名でここまで来てしまった。体を動かすのがきらい。
森を見ると ここは間伐したほうが良いのではないかなどと考えるよ
うになった。
門 名人
・やくざな木 2本曲がり(2方向に曲がる)は材木にはならない。間
伐の対象となる。
・杉は表系と裏系(太平洋と日本海) 裏系は触ると痛い、表系はソフ
ト裏系は雪に強い
・日本の林業には「木を愛する心」必要 植えた木が成長すると嬉しい。
若い人は山へ行くとなじみができる。山を知るということが大切。山
を作るのは100年の計画が必要。
・木は切るまでに100年かかる。自分で植えた木はまだ切っていない。後
継者はない。
B名 人:北の手仕事 根曲がり竹籠職人 齋藤 弘文氏 61歳 北海道
高校生:北海道 旭川西高校 1年 石川 絵美里さん
石川さん
・2回訪問取材して、電話で1回取材した。かごの種類が沢山あるなん
て思わなかった。
・名人の手は写真は撮ったが 手には触らなかった。 阿川氏触る。
・レポートをしたことで伝統の大切さ、苦労、自然とのかかわりがある
人がいることを身近に感じた。
齋藤名人
・かわいい子だなと感じて色々としゃべってあげた。祖父の代から籠つ
くりをしていた。自分で3代目。
・父親の跡を継ぎたくないので 中学では野球部に入って遅く帰ったが
それでも手伝いをやらされた。手にはたこができて、フォークダンス
のときはいやだった。
・女の子ばかり3人娘なので跡継ぎは無理、力がないので女性にはでき
ない。好きな籠を夫人と2人で作っている。子供も成長して楽しんで
やっている。
・籠職人は北海道では3人になってしまった。プラスチックのざるに取
って代わられた。
・プラスチックに籠が替わっているが、イクラの水切りにはプラズチッ
クと竹籠はぜんぜん違う。でこぼこが良いらしい。いくらの水切り用
に8kgほど入れる。
・竹篭は修理して使える。プラスチックよりはるかに水切れが良い。
塩野氏が籠についての説明される。
・竹の種類が根曲がり竹と真竹とは違う。細い根曲がり竹は丈夫な籠が
できる。福島県以北ではこの根曲がり竹が中心。
・はさみと鉈3種、目通し 片刃の鉈が東北以北は多い、以南は両刃使
用。西側の籠は表が外 東北は内側が表
C名 人:雪国でのしいたけ作り 松田 由美津(よしみつ)氏 福井県
高校生:石川県立 金沢泉丘高校 2年 畠中 茂春さん
畠中さん
・中国産の椎茸を家では食べていた
・勉強せずに取材に行ったらとても勉強になった。
なまじ変な知識が無かったので良くそのことがレポートに表れていた。
(塩野)
松田名人
・大手の業者は「菌床椎茸」といってオガクズにビールの絞り粕や米
ぬかを混ぜて椎茸の菌を植える。 原木に埋めて、大手の椎茸の菌
にいれて椎茸をつくる。3ヶ月で椎茸が発生するが、化学食品みたい
なものだ。
「原木椎茸」は手間がかかるので2年しないと発生しない。設備投資
がいる。だから高いものになる。
・流通している椎茸の30%は中国産 セーフガード発令で少し減っ
た。中国産は防腐剤を使っている。価格差は3倍でないと生活ができ
ない。
・ならの木が原木 しいの木でもつくるがならがよく出る。竹にもで
ることがある。
・昔は冬は男は杜氏として酒造りをしていたが、昭和30年ころから
山を払いさげを受けてやってきた。
・「日本人は金儲けに走りすぎている。」と観光で立ち寄った東京の人
が言った言葉が忘れられない。健康な食品を食べていただきたい。
自分の儲けはある意味度外視してもよい。
D名人: 草木染めと紙漉き 水野美代子氏 愛知県
高校生:愛知県立 猿投農林高校 3年 外山 沙絵さん
外山さん
・染を通して工程だけでなく、自然とのかかわりも学んだ。
・自分の好きなことを伸ばしていくことに 理解がある人と感じた。
自然と触れ合って生きていきたいと感じた。
水野名人
・林業従事している奥さんに興味を持ってもらうために染を教えるのが
きっかけ。小さいころおばあちゃん子であったことが生きた。
・どんな植物のどこを使うかで色が違う、それを覚えるのが大変でも興
味があると人間は不思議と覚えるものだ。
・小さいころの山と結婚して再び山に入ったときは違っていた。松葉を
燃やして風呂を焚いたものだった。森からの恵みで生活をしていた。
伊勢湾台風後、風呂もガスになり、森の生活からだんだんと離れた。
・染色の技術は教えていない。森の名人ということでその生活とのかか
わりを話した。
・山を歩くと気持ちが良い。山が荒れている。つる植物が繁茂しすぎて
いる。
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○高校生 共存の森ネットワークに向けて
NPO法人 樹木環境ネットワーク協会 渋沢専務理事
・共存の森 名人の世代は自然の中で生きていける世代。今の高校生はお金で
身の回りを買う、森では生きていけない世代。
・自然と向き合うのでなく お金と向き合う、石油と向き合う40代以下の世代
は皆そうだ。
・聞き書きは取材でなく、名人の言葉で高校生が書くので生き様が分らないと
かけない。
・高校生が高校生を指導して、続いていける ことにしていきたい。
第1回の参加高校生が発表
「共生の森を作ろう。聞き書きに参加できなかった高校生にも伝えたい」が
発会の主旨
○代田 七瀬さん 日本女子大学付属高等学校
・森や環境のことが書いてあるとじっくり記事を見たりする。
・私が考える「理想の森」
そこへ帰っていきたくなる森 あの森へ行ってみたいという森、ふるさと
の森となるもの
・C.W.ニコルさんにいわれた「森を思う心を大切にして欲しい」の言葉を
大切にしていきたい。
○石塚 愛貴さん 神奈川湘南高校 木地師 の聞き書き。
・木を切る どちらの木を切るべきかは1時間くらい見ていると自然と木が語
りかけてくれる。冬に木は切るが寒さを忘れるほど。木と話をするのには
木を本当に好きならないといけない。自分が木とかかわりを持ちたいと考
えるようになった。
○近藤 弓子さん 群馬県立太田女子高等学校 指物師の聞き書き
・物ができるまでの工程を考えたことが無かった。森は水、酸素をつくり私
たちはその恵みをもらっている。
・私たちの生活が森に頼っていることを知るきっかけとなればよい。
○能登谷 創さん 日本大学豊山高校 木取りの聞き書き
・レポートは寝る間もないくらい大変だった。100人の友達と一緒にできる
ことでがんばれた。山に入るきっかけを共存の森で作れれば良い。
スタッフとして参加した6名の提案で共存の森の提案をした。
参加していない人との交流、聞き書き甲子園の支援をしていきたい。
生きるものすべてにとって森とのかかわりは絶つことができない。
高校生達のの申し入れに千葉県が県有林を貸してくれることになった。そ
うです。
先ほど紹介した「森の人 人の森」のプロローグで素敵なことばを見つけ
ましたのでご紹介します。
江戸末期の篤農家 二宮尊徳翁のことばです。
遠くをはかるものは富み 近くをはかる者は貧す それ遠きをかはる者
は100年のために杉苗を植う (中略)
近くをはかる者は 春植えて秋実るものをも遠しとして植えず
唯 眼前の利に迷うて蒔かずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく。 (後略)
戦後の急成長拡大路線が行き詰まりながら、新たな路線を見出せずにいる
日本社会。
翁のことばは森の木々の育まれた空気や水とともにこの国に漂っているの
ではないか
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