[発行日:2007.06.20] vol.29 「魔法じゃないよ、アサザだよ  〜僕らの霞ヶ浦再生プロジェクト〜」他1件  

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┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2007.6.20 ━★

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こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。いよいよ各地で梅雨の季節
となりました。とある東京の自然観察園ではゲンジボタルとヘイケボタルの
活動が真っ盛り、その幻想的な光に心奪われた時を過ごしました。皆様の地
方ではいかがですか?
さて、今月は環境月間です。夏至の22日から24日までの3日間 
夜8時から10時までは電灯を消してろうそくの光の中ですごしてみようと
いうよびかけがあります。名づけて「100万人のキャンドルナイト」
ろうそくの炎もまた幻想的な時間をつくりだしてくれるかもしれません

今回は書籍の紹介と久しぶりに訪問した長野県はアファンの森の様子をご紹
介します


    もくじ 【1】「魔法じゃないよ、アサザだよ 
           〜僕らの霞ヶ浦再生プロジェクト〜」
         
                
        【2】ビオトープ訪問紀  初夏のアファンの森 




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      【1】「魔法じゃないよ、アサザだよ 
          〜僕らの霞ヶ浦再生プロジェクト〜」


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今回紹介するこの本は茨城県の霞ヶ浦で取り組まれている環境再生プロジェ
クト「アサザプロジェクト」をその発足からずっと見守り、協力されてきた
多田 実様がかかれた本です。合同出版より発売されています。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4772603913.html


『アサザプロジェクトをルポではなく、現地活動の核になっている小学生と
同世代の子どもたちに解りやすく読める小説』として描かれています。
それも、単にアサザだけと子供たちを描くのではなく、『あのコイヘルペス
騒動が発生する直前の夏からの約一年間を、アサザプロジェクトと共に育つ
小学生5年生の3人組の姿を通して描いたものです。』

大人の私も読んでみて、いつしかその世界に引き込まれ自分が主役になった
り、保護者になったり、ぜひ、全国の小学生とその保護者の方に読んで欲し
いと思いました。もちろんそれ以外の特にこのメルマガの読者の方々にも。
夏休みの読書感想文を書く小学生へのプレゼントに最適と思いました。

今回は作者の多田 実様のご了解を得てご自身の言葉を引用させていただきま
した。もう少し筆者の言葉を紹介します。

『「地域の暮らしを生き生きと活気づける中での自然再生」という発想と展
開性には心底からの共感を覚え、以後の取材活動の日々も感動や驚きが絶え
ないものでした。
この物語の主人公は、登場人物のすべてです。そして本当の主役は、それぞ
れの登場人物が想い描く「夢」なのではないかと思います。』

この本とともにすばらしいのが挿絵です。
『漫画家のさかいひろこさんには本当に素晴らしい挿し絵を描いていただく
ことができました。さかいさんはご自身に突然降りかかった大病との闘病記
を描く一方で綿密な現地取材を続け、私が想い描いていた通りの風景を、さ
らに鮮やかに表現していただきました。』

確かに高学年対象の本ではありますが、親が読み聞かせをすることで低学年
の児童も十分楽しく、自然への興味が高まる珠玉の一冊と思います。



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      【2】ビオトープ訪問紀  初夏のアファンの森


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長野県は信濃町にあるアファンの森(当社もその活動を支援)を3年ぶりに
訪問しました。前日の雨とうって変わって朝から日がさし、森の生き物たち
も喜んでいるようでした。
今回は、事務局 河西さんにご案内いただき2時間半、森の魅力を紹介して
いただ
きました。
約20年前に荒れ果て、忘れ去られて暗くなった森を元気な森に戻そうと
C.W.ニコル氏が個人で復興を手がけられ、森の番人松木さんとともに整
備をしてこられました。今では財団が設立され、各企業の支援もあり、生き
物にとってそして、人間にとってもうれしい森となっています。

森を整備することで森も人も元気になりますが、その元気になった森を使っ
てアファンの森では「アファン“心の森”プロジェクト」が開催されていま
す。
今回は、整備された森がどのように人々の癒しに使われているかを伺いまし
た。アファン心の森プロジェクトについては7月末号で河西さんに紹介いた
だきます。

森の入り口から50メートルほど入ると上り坂の手前に清水が湧き出してい
ます。おいしい清水を飲んでいざ森へ。
左手の坂を登っていくと鳥の姿が、「シジュウカラがいますね」と河西さん
双眼鏡で除くとネクタイをしたシジュウカラの雄雌が見えます。「今の鳴き
声は警戒をしている声です。」さすがだと感心しながらそのわけは・・・坂
を少し下りたところに巣箱が設置されていて蓋を開けるとそこには6羽の雛
が口をあけているではありませんか なんと警戒の対象は私たちでした。
「雛が孵るとめったに親は放棄しませんが卵のままだと放棄することもしば
しばです」森を歩くときには注意が必要です。

コナラ、ヤマザクラ、アオキの横を通り、タムシバの芳香を嗅ぎながら進む
と木のチップが敷かれた一角があります。3年前にはなかった場所です。
「ここはロープを使ったツリークライミング(登録商標)をする場所です。
年に2回、8月と9月に20人ずつの子供たちが来て木に登るんです。
そのとき地面が踏み固められたり、細根が傷つけられないようにまた、いず
れこの場所を元とおりに戻すのでその際に自然と分解されるために間伐した
木を使っているのです。目に見えない柵の効果もあるんです。」

しばらく歩くと下草がきれいに刈られた後に幼樹が植林されています。ここ
は、リコーの森とも呼ばれ株式会社リコーの社員の方々が中心となって管理
をされている場所とか。タラノキもあり、もう少し早ければタラの芽が食べ
られただろうなと少し残念でもありました。

ヤマブドウのツルが大きな枝となり、自然のブランコができているスペース
があります。訪れる子供たちはみなここが一番のお気に入りスポット。童心
に帰ってしばらく揺られていましたが、その心地よさは絶品です。

少し下ると池が2つあります。谷地を掘って池にしています。池のそばには
C.W.ニコルさんの好きなカキツバタが花を咲かせ、自生のタニウツギの
ピンクで可憐な花が湖面を彩っていました。モリアオガエルの卵もぶら下が
っています。オオイトトンボ(?)も多く見られました。

池の傍には夜や雨の日でも生き物たちの声を聞けるサウンドシェルターがあ
ります。先日はシュラフをかついでここに泊り込みフクロウの声を聞いたり
キツネなどの夜行性の動物を観察したとのこと。耳を澄ますとウグイスの
声、けれど最後まで姿を見ることはできませんでした。

池から流れ出る水で小川が作られています。何回も蛇行してさらに下の池に
注ぐのですが、クローバーが植えられ、蛇行の上に架かった橋を渡ると心地
よい日差しを受け、足元にはヤマアカガエルのオタマジャクシが泳いでいま
す。抽水植物の茂る池にはアメンボのほかタイコウチの姿がでもここにはメ
ダカはいません。シオヤトンボもしくはハラビロトンボが数多く見られまし
た。

しばらく行くとスギの植林地も見られます。付近ではマムシグサの花も見る
ことができました。湿った場所にはフキもたくさん見られました。

こんなにすばらしいアファンの森ですが人が入れるのは年に1回半日のみ、
しかも一般の方は入れません。アファンの森財団の会員が対象です。ここ
は、生き物のための森で、街中の公園やエコツアーのようなガイドをしてい
る森ではありません。
それを承知して会員になっていただけばありがたいと河西さんはおっしゃっ
ていました。でも一度は行ってみる価値はあります。

アファンの森のHPです。   http://www.afan.or.jp/


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┃   □ URL:http://www.tombow.gr.jp/eco_project/

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