[発行日:2004.02.16] vol.4 全国学校ビオトープネットワークシンポジウム報告、ビオトープ実践校 滋賀県 老蘇小学校の紹介

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☆     QQ     【スクールビオトープ メールマガジン】
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☆     | テイコク環境事業企画室
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆[発行日:2004/ 2/16]☆☆

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  もくじ 【1】 全国学校ビオトープネットワークシンポジウム
          に参加して 基調報告他
     
      【2】 全国学校ビオトープネットワークシンポジウム
          分科会報告  学校ビオトープの基礎・基本
          これから始めるひとのために
         
      【3】 ビオトープ実践校 滋賀県 老蘇小学校の紹介

【4】 コラム C.W.ニコル氏
          
ニッポン人よ!あなた方はいつ目を覚まし 
失った全てのものを悲しむのだろうか!
            

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こんにちは。株式会社トンボ、環境事業企画室の小桐です。
2004年も早2月に入りました。アメリカではBSE問題、東アジアで
は鳥インフルエンザが流行し、食品に関しての安全性についてもこれまで
以上に気がかりとなってきました。

ある説によると、自然の摂理に反すると必ず、病気や不具合がおきるのだ
そうです。牛の肉骨粉はあってはならない、共食いの問題、鶏は動物でな
く、卵を産ませる機械としての扱いなど人間の都合だけで推し進めてきた
ことが問題を起こしているようです。
自然との共生とはこういうところのあり方も変えていくことも必要な気が
します。

1月に発行予定のスクールビオトープメルマガでしたが、今回、全国学校
ビオトープネットワークシンポジウムが1月31日、2月1日に開催され、
是非この記事を掲載したいと思い、少し発行を延ばさせていただきました。
発行遅れました事、お詫びします。原則奇数月の発行をさせて頂きます。



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   ★   1.全国学校ビオトープネットワーク    ★
          シンポジウムに参加して
            基調報告ほか
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○ もっと広がれ、学校ビオトープの輪

第2回全国学校ビオトープネットワークシンポジウムが滋賀県にて開
催されました。今回初めて参加しました。

初日は歴史の街 安土町の老蘇小学校のビオトープ見学と、地元野洲川
の河川移転にともなう、跡地に「未来の森」として作られつつある自然
公園の見学を行いました。

2日目は場所を琵琶湖博物館に移してのシンポジウム、基調講演の後、
3つの分科会に分かれて発表と意見交換を行いました。
「1.ビオトープづくりをいかに進めるか」
「2.学校ビオトープのネットワークの構築をどうすすめていくか」
「3.ビオトープに関する法律」

についてです。この章では参加した 1.の分科会について報告させて
いただきます。2のネットワーク構築については次回、紹介させていた
だきます。初日の老蘇(おいそ)小学校ビオトープの取り組みは第2章
で報告します。


最初に日本ビオトープネットワーク 会長 杉山恵一氏 富士常葉大学
教授)が挨拶され、日本のビオトープの歴史の紹介がありました。

日本の自然環境保全は1950年代より始まった。ダム湖の建設に反対
して自然保護協会が立ち上がったのが最初。
高度経済成長1960年代後半より、公害、環境問題がでてきた。
1971環境庁が設立され、自然保護運動増えた。しかし、身近な自然
の荒廃が進んでいった。

1990代 市民の手で身近な自然を取り戻そうとヨーロッパではビオ
トープづくりが盛んになった。それをお手本に、日本でも自分たちの子
供のときの環境を=身近な自然を、自分の子供たちに伝えたいというこ
とでそれなら、学校が良いとの事で学校ビオトープづくりへと進展して
きた。

今、子供たちが荒れている それは自然離れをしているからではないか
との内容です。

私も猫の額ほどの狭い自宅の庭で木を植えたり、水をやったり、枝打ち
をしたりしますが、本当に土に触れることで情緒が安定すると実感して
います。 まさに、杉山先生のおっしゃる通りだと大きく頷きました。

日本のビオトープづくりの創始者の方のお話を伺え、大変に感動しまし
た。杉山先生の著書でビオトープ管理士の試験勉強をしたことを思い出
しました。



滋賀 ビオトープネットワーク会長 竺 文彦氏  龍谷大学教授

○学校ビオトープは地域の自然と繋がっている。地域の自然も復興を


学校の中に池を作ったからビオトープが完成ではない、それはひとつの
象徴。
校庭の池だけでなく、外壁や屋上やさらに学校の外へと環境はつながっ
ている。街の中でもいろいろな生物と人間が一緒に暮らせるようにしな
いといけない。

滋賀県でも琵琶湖の後背地に田んぼというウエットランドがあったが、
ほじょう整備で 生き物の棲み場を壊してしまった。

あらゆる場所で生物を取り戻すべし、守山市は蛍の産地だった、今は、
保護しないと見かけれないようになった。
タナゴ(ぼてじゃこ)が数十年でいなくしてしまった。これは私たちの
罪である。




基調報告  滋賀ビオトープ研究会 村上副会長

○ 滋賀県における学校ビオトープの現状と課題。 
        次の世代に引き継ぎたい生き物のいのち。

滋賀ビオトープ研究会は 

1.生き物のオアシスを作る 
2.いのちが触れ合う教育の場 
3.地域と一緒に取り組む学校づくり を目的に活動している。


滋賀県では琵琶湖総合開発の後、 マザーレイク21計画が進められ、
これまでの「治水、利水、環境保全」からさらに具体的に「水質保全、
水源涵養、自然的環境・環境保全」へと考えが変わってきている。
共感  共存  共有 を掲げ、2050年の琵琶湖のあるべき姿を念
頭に2010年、2020年に区切って計画を立てている。


< 現 状 >
・滋賀県は人口増加県 下水の完備で、流れ込む水の質改善は出来てき
 ている。しかし、琵琶湖の水質はよこ這い状態。 
・在来魚の漁獲量減、外来種の漁獲量が増えている。ブルーギル
・70種の生き物がレッドリストに、両生類が滋賀県では危ない。絶滅危
 惧される。
・ヨシ群落、河畔林、砂浜が減少してきている。
・琵琶湖水深2−3mのところが生命が育まれる。そこを破壊してしま
 った。

  
< 滋賀県の環境教育の変遷 >
○琵琶湖の環境の変化に対応して進めてきた。 
 ・S49年 新しい行政の中で環境教育の対策を推進
 ・S55年 環境教育実践推進校を小、中、校
 ・環境副読本 「あおい琵琶湖」改定


< 課題 保全のための実践活動 >  
○保全、復元、創造がビオトープでは大切

滋賀県の学校ビオトープの実態
・農村県なのでどこにでも生き物はいるという意識が強い。
・琵琶湖総合開発に戴する黙認姿勢がつづいた。
・身近な環境問題に積極敵意立ち向かう人間育成のむずかしさ  
 消極的な環境教育でとまっている、

今後の課題
@学校ビオトープの啓発の重要性 学校枠を超える。
   「保全」「復元」「創造」

A行政と教育委員会の連携の推進

B生き物に詳しい人材の必要性。コーディネイター、  
 マネジメントの必要性。教師の養成。

C関係者の連携が必要。





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     ★  2.「学校ビオトープ入門」     ★
  学校ビオトープの基礎・基本
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部会別シンポジウム 第1部会「学校ビオトープ入門」

○学校ビオトープの基礎・基本 
       全国学校ビオトープネットワーク  村上副会長

1.ビオトープと学校ビオトープ

 近年学校での関心も高く実践校も増加している。特に「総合的な学習」
の時間の活用場面として脚光を浴びている。体験を伴う活動であり、保護
者や地域住民と一緒に取り組めるスタイルがブームとなっている。

 ビオトープとは、野生の生き物が生まれ育つ地域の生態系を言う。生物
が増えない所は良い場所とはいえない。子孫を増やすことの出来る環境で
あるかが重要。

 ビオトープの概念には「保全・復元・創造」の3つが包含されている。
生き物がいない場所に人工的に川や池、湿地を作り付近の生き物を住まわ
せる取り組みもビオトープというが、その一連の作業に限定してとらえて
る人が多い。

 学校ビオトープとは、学校の敷地内やまわりにある豊かな自然環境を復
元、創造し生徒たちの学習や遊びにかかわりを持つ場所のこと。

2.学校ビオトープの意義

 学校ビオトープを推進する3つのポイント。
@生き物のオアシス作りであり、豊かな生態系を全国に出現させることが
 できる。
A「いのち」とふれ合う学習の場を提供する。
 キレル子供の増加の原因の一つに幼いころの自然体験、生き物との触れ
 合いが無いことが指摘されており、野生の「いのち」と直接ふれあう事
 で命の大切さと思いやりの心を育てることができる。
B地域と一緒に歩む学校づくりに寄与する。
 学校だけでなく地域住民の理解と協力、さらには行政や企業の協力も必
 要。それらは地域ぐるみのパートナーシップの実現、街づくりに貢献、
 コミュニティづくりに結びつく。

3.今後の課題

 ビオトープづくりは試行錯誤の連続であり、大学教授や行政の担当者が
指導にあたるケースが多いが、「山づくりは山に聞け」と言われるように
自然経験豊富な地元住民の声を聞く姿勢を堅持することは必要。しかしな
がら今までにそうしたケースは多くないのが現状。

 学校ビオトープは子供や生徒が主役。子供達が主体的に参画できるプロ
グラムを作ることが大切。地域の自然、生態系の基本を学ばずして、大人
の指示に従い、作業を手伝っているだけの子供達からは21世紀のきびし
い環境保全に立ち向かう人間は育たない。


○持続ある学校ビオトープに向けて
          岐阜県西美濃グラウンドワーク  豊田氏

1.学校ビオトープを始めるにあたって

 他の地域で成功しているまちづくりをそのまま自分たちのまちに持って
きても成功しないと言うことがよくあります。成功した表面の姿を見るの
ではなく、そこまでたどり着いた理念やプロセスを置き換えて考えること
が重要。

2.持続ある学校ビオトープに向けて

@無理なく、楽しく、身近なところから始める。
 計画段階で夢が大きく膨らみ、いざ始めようという段階になって何も出
来なくなることが多い。身近な出来ることから初めてみることも大切。

A人づくりとネットワークの拡大
 ビオトープを考えるとき、一人の人間が昆虫や魚、草や木、水や土、あ
るいは組織作りなど自然の構成物や関わりに精通していることはあり得な
い。いかに多くの人の知恵と汗が関わるかが重要なポイントになる。

B学校・PTA・地域・行政・企業との連携と体制の構築
C批判より、提案。提案より、行動。
D人ひとり、偉大なことができる反面、大したこともできない。
E何も活用しなくても存在価値がある。
 物理的な効果のほかに精神的健康や精神的充足などの心理的効果もある。

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 ★ 3.ビオトープ実践校 滋賀県 老蘇小学校の紹介 ★

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滋賀県安土町にある安土町立老蘇(おいそ)小学校。かつて織田の居城で
あった安土城のたもと、旧中仙道が学校のそばをすぐ通るという、歴史に
とんだ地に立地しています。
このたびは、全国ビオトープネットワークのエクスカーションとしてビオ
トープを見学させていただきました。
ビオトープの見学の後、校舎に入り、児童が無農薬で育てたもち米でつい
た美味しいお餅もいただけ、その温かな歓迎に外で冷えた体も心も温まり
ました。

今回、ビオトープ作りの経緯については、関川教頭先生の進行の元、
PTAビオトープ委員会事務局長山田靖弘さんが概要をパワーポイントで説明、
児童代表の皆さんが学校での環境学習の取り組みを発表してくださいました。
関川先生の名刺には学校のビオトープの写真が載っており、その打ち込み
様が名刺からも拝見できます。

さて、老蘇小学校のビオトープですが、2000年の冬にビオトープを作
ろうと学校で決定、PTAに協力の依頼がありました。2001年に第1
回ビオトープ委員会が開催され、先生や、保護者15人で企画立案を行い
ました。

学校の一角にL字型に池を掘り、ビオトープを作りました。
目標生物はトンボやメダカを中心としたビオトープ。導入しない生物とし
てアメリカザリガニ、アカミミガメ、ブルーギル、ブラックバスなどの外
来種や鯉などはヤゴ、メダカを食べるので入れないことにしました。
また、蛍は水温が高くなり、{25℃以上で蛍は死ぬ)メダカと共生でき
ないので対象外としました。

設計、土木関係の仕事はPTAに専門化がいましたので、その方々にお願
いしました。不思議なことにビオトープを作ろうと決めたどの学校にも
設計や土木ができるPTAの方や協力者がいらっしゃいます。

どんなビオトープにしたいかを小学生たちの絵を元に立案し、着工前に模
型を作り、全体のイメージを決めました。ビオトープの広さは1000u
です。

工事は、生徒、PTAが協力して、2001年(平成13年)の9月23
日より開始、翌年の3月に完成するまで、原則毎週日曜日 9:00から
12:00までPTAが学級、学年単位、募集ボランティアで作業にかか
わり13回程度実施。
児童は各学級1〜2時間程度全学級がかかわりました。
その後、4月からは植栽を中心に整備をしていきました。

老蘇小学校のビオトープの構造の特徴は
@池は広い面積をとりさまざまな環境を作り出す。
A多様な生物が生息できるように池の底の形に変化をつける。
Bポンプで水が流れるようにする。高低差をつけて細長い水路から、広い
 池へと水を流している。
C川や池から水が地下に漏れないようにゴムシートを敷いている。
D地下水をポンプアップし、漏れ、蒸発などによる水位の低下を補う。
  ポンプはホームセンターで売っているものを使用。
E水面の高さを一定に保つ。沈水、抽水、湿地の植物を安定させるため。
F観察台を池の縁に2箇所作っている。
G学んだことがすぐ書けるように木製のテーブルと椅子が池の横に設置し
 てある。
H水路の壁面の石積み ほ場整備によって不要になった近隣の石垣をその
 まま移転して使っている。

ビオトープ作りでの特徴は 
I学校(教師、児童)、地域、保護者等による全員参加型のビオトープ
JPTAビオトープ委員会を設置して、管理をしている。

このJ番目のPTAビオトープ委員会の設置はユニークで、年々学校にか
かわるのメンバーが変わることを前提とした、継続的なしくみで評価でき
ると思います。ビオトープは作ったが、熱心な先生が変わると放置された
ままという学校がある中で大変参考になると思います。

ただ、6月から10月までは月1回PTAが参加して毎月草刈をしている
ということです。これは結構大変です。

昨年の夏の観察では40科120種類の植物が生息していることが確認さ
れています。2月でしたが、アサザの枯れた葉っぱが見えました。
アサザは増えすぎるので間引きが大変。あまり植えないほうがよいかなと
の声も聞かれました。ガガブタはいつのまにか消えたそうです。

各学年が現在ビオトープを使った授業に取り組んでおられます。
関川教頭先生は今回の全国学校ビオトープシンポジウムの分科会の司会進
行をされるなど滋賀ビオトープ研究会の方々とも懇意にされているので、
学校、PTA、地域、そして専門家のサポーターがうまく連携していると
感じました。
これからも、このネットワークを生かして、子供たちが生き物の大切さと
豊かな環境がこれからの私たちの生活に無くてはならないものだと学んで
いける環境を維持して行っていただきたいと考えました。

今回お世話になった安土町、老蘇小、滋賀ビオトープ研究会、全国学校ビ
オトープネットワークの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。


各学年が現在ビオトープを使った授業に取り組んでおられます。
関川教頭先生は今回の全国学校ビオトープシンポジウムの分科会の司会進
行をされるなど滋賀ビオトープ研究会の方々とも懇意にされているので、
学校、PTA、地域、そして専門家のサポーターがうまく連携していると
感じました。
これからも、このネットワークを生かして、子供たちが生き物の大切さと
豊かな環境がこれからの私たちの生活に無くてはならないものだと学んで
いける環境を維持して行っていただきたいと考えました。

今回お世話になった安土町、老蘇小、滋賀ビオトープ研究会、全国学校ビ
オトープネットワークの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

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 ★ 4.コラム ニッポン人よ!あなた方はいつ目を覚まし ★
失った全てのものを悲しむのだろうか!
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作家 C.W.ニコル氏

21年前、私が初めて黒姫の家に住みはじめた当時、夏には多くのホタル
を見ることが出来ました。数年後、ヘリコプターで殺虫剤が撒かれると、
ホタルは消えてしまいました。
殺虫剤は害虫から田んぼを守りましたが、いたるところに撒かれて汚染を
引き起こしています。

以来、水田の少なくとも1/4においては、米さえ育たなくなりました。その
土地のほとんどは雑草を除いて何も育たず、時がたつにつれ雑草が覆い茂
り、水田は放棄されています。コンクリートのU字溝に囲まれた、水田の耕
作放棄現象の増加には歯止めがかかっていません。
ホタルについて言えば、私たちのアファンの森には戻ってきている、と森
で働く松木氏は言う。「昔はここで水鶏(くいな)をいくらでも見かけて
たが、水鶏もホタルの場合とまったく同じで減っていっている。」
「水鶏の減少は、ひどくけしからぬ醜いコンクリートの堰が、原因となっ
ている」と分析しています。

私はしばしば、世界のほかの国々以上に日本で頻繁に行われている法面
(川の側面)のコンクリート舗装に反対しています。これは環境災害です。
もし、川を動脈と静脈に例えるなら、小川や水路は国にとって毛細血管で
す。
コンクリートでこれらを破壊するうちに、生物環境の多様性を破壊してい
く事になります。

水鶏やホタルだけでなく、何百種類もの生物種が姿を消しています。この
ことは蛙や蛇、泥鰌(どじょう)や何種類もの水鳥や、もっともっと色ん
な生き物の減少が示しています。

しかし、今年最初の記事は、こんな暗い調子では終わりません。昨年、私
達は保護区として、小さな木や低木、つる植物で遮られ、古い溝が入り乱
れ、沼地がほとんどを占める広い土地を購入する事ができました。とても
すごい事だと思いませんか?

これから、私達は細く、病に冒された木を注意深く、しかも猛烈に間引き、
低木をなぎ倒す事をあえて行い、ウォーターガーデンを目指して、この土
地を再生させるつもりです。現在1年かけて環境アセスメントをしている
最中です。このことによって、私は湧水地のつながりを知りました。
すでに、十数年前に、土地を掘って作った池の中には、元気なトンボや多
くのホタルが生まれています。新しい水のよりどころを創造したこの土地
は次の時代の扉が見えています。

私は、この場所やこれらの生き物達がどのように育っていくかを期待して
います。そして、わたしは約束します、U字型のコンクリートの溝には決
してならない事を!
池の上では、もう川蝉や鷺(さぎ)や多くの家鴨を見ることが出来ます。
私達がもう少し鳥達が飛び交うスペースを開放し、水のある場所を提供す
れば、空にいる水鳥達は、その場所を見渡し、安全に入ってくる事も容易
になるでしょう。

森林保護区に政府が力を入れ、自然の為にお金や時間を使えば、多くの人
々、特に稲作で補助金をもらっている農家の方が懸念している、「盲目的
な自然破壊」がなくなるのでは、と、時々私は個人的に思うのです。

ニッポン人よ!あなたはいつ目を覚まし、失った全てのものを悲しむのだ
ろうか!




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┃  発行者: 株式会社トンボ  環境事業企画室
┃ 【スクールビオトープ メールマガジン】
┃       〒700-0901
┃       岡山市厚生町2−2−9
┃       Tel 086-232-0304 Fax 086-223-5644        

┃   □ URL:http://www.tombow.gr.jp           

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