[発行日:2004.11.30] vol.9 コラム 杉村 光俊氏 トンボ王国の近況、里山再興と環境NPO −トンボ公園づくりの現場からー 他1件

 
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  もくじ 【1】 ビオトープ取材記事
           里山再興と環境NPO
         − トンボ公園づくりの現場から −
     
      【2】 コラム 杉村 光俊氏
           トンボ王国の近況 
      
      【3】 エコプロダクツ展 参加のご紹介
          
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○○○○小学校
  □□ □□ 様


こんにちは。株式会社トンボ、環境事業企画室の小桐です。
11月も晦日を迎え、明日からはいよいよ師走というのに、この暖かさです。
やはり温暖化の影響なのかと考えさせられます。
新潟、中越地震で被災されたされた方々には一日も早く、元の生活を取り戻
されることをお祈りいたします。
今年最後のビオトープメルマガになりますが、2月の学校ビオトープネット
ワークのシンポジウムに始まり、C.W.ニコル氏が管理されるアファンの
森、して今回ご紹介する埼玉県寄居町のNPO法人むさしの里山研究会のトン
ボ公園など色々とビオトープについて学ばせていただきました。
高松のシンポジウムでは学校ビオトープの継続について大変素晴らしい実践
例を見せていただく共に継続の難しさも考えさせられました。
多くの方々と出会い、色々なことを教えて頂きました。この場を借りてお礼
申し上げます。また、来年も色々と取材をさせていただきたいと思います。

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    ★     1.ビオトープ取材記事       ★
         
           里山再興と環境NPO
       − トンボ公園づくりの現場から −    
                   
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前号でご紹介した埼玉県 寄居町に「NPO法人むさしの里山研究会」その代
表である新井さんを訪ね、トンボ公園を見せていただき、自然保全活動への
取り組みについてお話を伺いました。これまでに拝見したビオトープとは違
った角度から取り組みをしておられます。
東京生まれの新井さんは自然豊かな寄居町に魅力を感じ、棲み始めたとの事。
寄居町に17年前にゴルフ場建設の話が持ち上げリ、それよりは、地元でトン
ボが飛び交うトンボ公園を作ろうと始めた運動が続いて今日まで来たとお話
されました。
平成11年に活動に専念されるためにNPO法人むさしの里山研究会を設立、現在
代表を務めておられます。
ビオトープ実践についての新井さんの考え
あくまで、ビオトープは「作るだけでなくて、維持することが大切」
ビオトープはあくまで自然の一部。ビオトープと林、そして田んぼがセットと
して考えてるいと。
ビオトープづくりの目標は自然の恵みを共有した地域づくり。あくまでも地域
の生活とビオトープが一体となった生活、老人や子供が集まって、楽しく交流
できて遊べるギャラリーや障害者が働ける場を作りたいといわれています。
これまでに作った施設は、トンボ資料館、ギャラリーのほか、休耕田を利用し
たトンボ公園(以前は5箇所あったが、管理も大変なので今は3箇所)、その上方
にキャンプ場とさまざまです。残念ながら、キャンプ場の草刈が間に合わず、
今ではキャンプ場としては機能していませんでした。
里山研究会のメンバーの減少による人手不足が一番の悩みの種、継続して会員
を確保することが難しいとの事です。
また、近くの田んぼを借りて、減農薬の米作りを実践。そのほかに、果樹も作
り、菜の花も植えてたりしていらっしゃいます。
里山や近くの休耕田を借りて池の継続や乾燥による失効などの植生変化やトン
ボの生態についても研究をされており、全国から700通の赤とんぼデータを
送ってもらい、調査を進めていらっしゃいます。環境、福祉、教育というテーマを「里山という共有の場」でそれぞれが実践で
きるしくみづくりを考え、実践している、そこには行政や企業との連携が必要。
行政と企業と地域を有機的に結びつけるのはNPOの仕事。しかし、NPOがもボラ
ンティアでは活動に限界がある。
専門化したNPOでないと色々な活動の主催や、学習、研究によるデータ収集や
発表はなかなか出来ない。NPOも甘えがあると自立できないし、活動が活発に
やっていけないとおっしゃっています。
現状の課題:会員数も増えない中、ボランティアでやるには限界があるので、
埼玉県の生物の多様性を保つための県条例に基づいてモデル事業として予算
を出すと良いのではないかと提案中との事。
NPOとして食べていけないと日本の環境再生は進んでいかないし、若い人たち
が関わらないと今後の日本の再生はない。
NPOもきちんとしたサービスをしようとするときちんとした、会費を頂かないと
いけない。専従を置かないときちんとしたサービスの提供ができないし、楽し
いイベントも出来ない。きれいとか、楽しくないと人は集まらず、だんだんと
去っていく。人がいないと実験もできない。 指導者も養成できない。
特に特徴のない、この地域だけに、ここで自然再生ができると他の普通の地域
に広げていけるだろう、特に有名な人がいなくてもできるということを知らせ
ていきたいとこれからの抱負を語られました。
子供たち自身が自然への関心がなくなっている。外で遊ばない、家でバーチャ
ルなゲームなどをしている。いかに子供たちが自然と触れ合えるようにするか
も問題。
田んぼの継続、休耕田の活用、里山の手入れが出来ないと本当の意味の地域に
根ざしたビオトープは出来ないと今日も頑張っておられました。


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   ★  2.コラム トンボ王国の近況      ★
     
     
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  トンボと自然を考える会 常務理事  杉村 光俊氏トンボ王国のトンボ達にとって、今年の夏は散々でした。6月は空梅雨で6月
中旬から7月下旬まで約1ヶ月半もまとまった降雨がなく、いくつかのトンボ
池が干し上がってしまい、春から初夏に誕生した多くのヤゴが被害を受けまし
た。
その後は一転、矢継ぎ早の台風襲来でトンボ王国はしばしば大洪水に見舞われ、
その都度コフキヒメイトトンボなど水際で生活している多くのイトトンボが押
し流されてしまいました。とりわけ、10月20日に中心が中村市南部を通過
した23号では過去に例がないほどの大増水で、橋にしていた直径50pほど
もある丸太が次々と流されてしまいました。そしてその日を境に、まだシーズ
ン中のクロイトトンボやコフキヒメイトトンボなどのイトトンボ類がほとんど
姿を消してしまいました。
このように激変する気象は「温暖化」が大きく関与しているものと思います。
実際、タイワンウチワヤンマを筆頭にベニトンボやアオビタイトンボなど、多
くの南方性トンボがより北方域に分布を広めています。
半面、エゾトンボやヨツボシトンボなど、一部の北方性種が南の地方に分布を
広めていることも事実です。トンボの分布拡大はただ単に気温だけで左右され
るものではない、ということの証でしょう。
 私はトンボ類の生息と、空中湿度との関係に注目しています。これは今後の
トンボビオトープづくりの成否にも大きく関係してくることなのですが、続き
は次回のメルマガで。
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   ★     3.エコプロダクツ展 参加のご紹介    ★        
      
 
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来る12月9日〜11日まで有明にある東京ビッグサイトにおいて
日本最大のエコイベント エコプロダクツ 2004が開催されます。
弊社も昨年に引き続き、3回目の参加をします。
今回はブースの大きさを昨年の倍にして、環境について皆さんとともに考えて
行きたいと思います。ブースの場所は中央入り口からはいってすぐの通路を右
側に行きます。NGO、NPOコーナーを左手に見ながら、通り過ぎて、3ブース目
ブース番号は549番です。トンボ学生服/株式会社トンボのサインが目印
です。
昨年は400名を超える方が来て下さいました。小学生の授業をしていたら一
般の方たちがブースが見れないということがありましたので、授業スペースと
展示スペ−スを分けました。
今回の目玉も昨年に引き続き小学校5年生を対象とした「環境授業」です。
ペットボトルをリサイクルして作ったユニフォームなどの展示を通して、子供
たちに「なぜ、地球環境を守らないといかないのか」「地球はどうやってでき
たのか」についてパワーポイントを使い10分程度の授業を行う予定です。
そのほか、当社が支援する「トンボ絵画コンクール」の作品も展示させていた
だきます。また、自分で作る買い物袋キットも準備しています。
時間の都合のつく方はお立ち寄りください。環境と子供たちの未来について
考えてみませんか。当日はトンボ学生服の法被姿でお迎えします。
 
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┃  発行者: 株式会社トンボ  環境事業企画室
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┃       岡山市厚生町2−2−9
┃       Tel 086-232-0304 Fax 086-223-5644        

┃ ■  URL:http://www.tombow.gr.jp           

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