[発行日:2005.04.15] vol.11 コラム 飯島 博氏 、 日本一のビオトープのある学校 〜大阪府立平野高等学校 他2件

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  もくじ 【1】 ビオトープ取材記事
        日本一のビオトープのある学校 〜大阪府立平野高等学校〜
                
      【2】 コラム 飯島 博氏
          人格をもった教育〜総合的学習について考えること〜
      
      【3】 第3回森の聞き書き甲子園フォーラムの報告

      【4】 トンボの王国 デジタル大図鑑
           〜四万十の自然と四季のトンボ〜            
     
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こんにちは。株式会社トンボ、環境事業企画室の高橋です。
四月に入り世の中は新入学の季節となりました。弊社も無事納品が終わり
一段落を迎えたところです。
今年は桜の開花が遅れたものの入学式を満開で祝福してくれました。
街では初々しい新入生やフレッシュマンをよく見かけるようになり、園児
から社会人までそれぞれ希望を胸に新たな一歩を踏み出しているのだなと
感じるこの頃です。私たちも初心を忘れずにしたいものです。
さて、今回は「日本一の学校ビオトープ」と言われている大阪府平野高校
のビオトープのご紹介。アサザ基金代表理事の飯島さんから総合学習につ
いてのコラム。第3回森の聞き書き甲子園フォーラムの報告。最後にトン
ボ王国のデジタル大図鑑のご紹介を致します。

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    ★     1.ビオトープ取材記事       ★
         
   日本一のビオトープのある学校 〜大阪府立平野高等学校〜        
 
                   
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平野高校は大阪市平野区にあります。近くに大和川があるものの学校周
辺は住宅やビルが建ち並び、自然と触れ合うことが出来る環境ではありま
せん。そんな街中の学校に“日本一”と言われているビオトープがあると
聞き是非この眼で見てみたいと思い伺うことになりました。
平野高校のビオトープは学校の敷地内にあった1203坪の遊水地を利
用し造られたかなり大規模なビオトープです。
もともとは田植えや水生昆虫の調査をするために遊歩道を作ることから
始まったそうですが、本格的なビオトープとしては2000年からスタートし
2004年までを5ヶ年計画で実行し、昨年に完成したそうです。
平野高校のビオトープには校長先生以下複数の先生が関わっておられ、
生徒だけでは行き届かない部分をしっかりとサポートしてされています。
ビオトープ作りは社団法人大阪自然環境保全協会の瀬口さんが直接の指
導をされました。京阪神を中心に数多くのビオトープづくりに関わってお
られる達人です。時々様子を見に来られるそうですが、造るだけでなく、
難しいと言われるビオトープの維持管理・授業への応用や地域との関わり
などの実践にも優れた学校と評価されていました。
ビオトープは大きく3つのゾーンからなっています。1つは純粋なビオ
トープゾーンで手を入れないコアゾーンと皆が体験できるバッファーゾー
ンからなります。池の水はポンプで循環させていますが、電力は太陽光発
電システムを利用。他に風力や水力発電など徹底した環境への意識がみら
れました。2つめは農作業ゾーン。水田の他、ジャガイモやサツマイモ大
根などの畑で、もちろん無農薬有機栽培です。3つめは花壇ゾーンでこち
らはビオトープとはいってもガーデンですが、四季折々に花を付ける草木
で季節を感じることができます。
 平野高校は2・3年生からの選択コースに「環境コース」があります。
定員は40名で毎年定員以上の応募がある高倍率のコースです。人気の理
由は外に出る授業が多いからだそうです。また収穫した野菜や果物を調理
して“食べる”こともポイントだとか。こういった生徒請けが良いのは授
業に「楽しさ」が詰まっているからです。
 授業とビオトープとの関わりは、主に農作物の栽培・収穫、水質調査、
ビオトープの管理ですが、毎年近隣にある恵我幼稚園の園児たちを迎え、
サツマイモを作っているそうです。高校生が園児と一緒に苗植や芋ほり、
収穫した芋を使ってスイートポテト作りをします。このような世代を越え
て、人と人が触れ合うコミュニケーションは人格形成にも良い影響を与え
るとてもすばらしい活動でした。また、これらは学校行事としてプログラ
ム化されているため、継続性のある仕組みになっていることも大きな特徴
といえます。
 環境コースの生徒たちの進路は環境関連の大学や専門学校だそうですが
学校自体が少ないのが現状。またその後の就職についてはさらに少なくな
り、今のところ専門知識を必要とする企業が少ないこともその理由だとい
えます。
 しかし日本では多くの企業が地球環境保全に力を注いでおり、近い将来
には環境に対する考えや知識が就職の一つの条件になります。
 今後、こういった生徒たちが企業を支えるための大きな柱になっていく
ことでしょう。
ビオトープ写真  http://www.tombow.gr.jp/takahashi/hirano-bio/
平野高校HP http://www.osaka-c.ed.jp/hirano/broad/jap/menu_j.htm

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   ★    2.コラム  人格をもった教育〜     ★
     
   総合的学習について考えること〜
 
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     特定非営利活動法人アサザ基金代表 飯島 博 氏

16日に京都議定書の発効され、マスコミではこれらの環境への取り組みに
最近になって総合的学習を見直す動きが出ています。きっかけは子ども達
の学力の低下ということですが、問題の本質は別の所にあるようです。
私はこれを「総合化する」という意味について議論する良い機会ではないか
と考えています。
そもそも、子ども達が学ぶ教科は様々な個別分野によってカテゴライズされ
ていますし、とくに理科は科学分野によって縦割りになりがちです。
このような学習形態ではなかなか知識を総合化する力は付きません。せっか
く蓄えた知識も自分で総合化できなければバラバラのままで、社会で役に立
ちません。これは今日の科学のあり方と大いに関係があります。
20世紀に入ってから科学の世界では専門分化が急速に進みました。
科学は物事を要素に還元する(バラバラにする)ことで何かを明らかにする
のは得意ですが、得られた個々の知識を総合化して全体を組み立てることは
苦手です。
科学者は様々な科学知を総合化する手法はまだ見つかっていないと言います。
しかし、今私たちが知っている科学という枠組みで本当にいつか科学知を総
合化することができるのでしょうか。
部分を知ることができても全体が分からないということは現代科学の最大の
弱点です。
自然の中では部分と全体は不可分の関係にあります。実は、人間の体や自然
の生態系についても全体の秩序や調和を生みだす仕組みはまだ分かっていま
せん。
 現代社会は科学知を軸に作られています。教育も例外ではありません。
だから、子ども達も学んだ知識を総合化する力を付けることが難しいのです。
私はここで問題提起をしたいと思います。そもそも、総合化するということ
は科学や技術の問題として扱うべきなのかということです。
つまり、私達はこれまでは総合化という課題を生身の人間ひとりひとりの存
在から切り離して議論してきたのではないかということです。
人間はもともと生きていく中で様々な人や物事と出会いながら成長し、自らの
人格を創り上げていくものです。私はこの人格こそが総合化の場であると考え
ています。総合化とは自分から切り離して客観的な科学的な手法に委ねて行う
ものでも、また、たくさんの人達が共同作業によって行うものでもないのかも
しれません。
総合化はひとりひとりの人間の中でとりわけ人格を形成するプロセスの中で起
きるのではないでしょうか。私はそのような人格がネットワークを作ることで
総合化への道が開けるのではないかと考えています。
 科学知だけで世界を捉えようとすることには限界があります。どれほど豊富
な科学知を持ち合わせていても、それらを総合化することができなければ未来
の社会に役立てていくことはできません。
これまでは個別の科学知(全体とのつながりを持たない知)から得られた技術
やシステムを社会に広げたことで、自然界や人間社会(コミュニティ)のつな
がりが断たれ、その結果公害や自然破壊などの問題が発生してきました。
 何らかの形で総合化することができなければ、人間は自然と共生する社会を
創り上げることができません。
いまこそ科学知と個々の人格によって培われた経験知(生活知)の協働が必要
です。総合的学習をめぐる問題は、教育や社会においてひとりひとりの人格を
どのように活かしていくことができるのかという問いでもあります。
21世紀はネットワーク型社会と言われています。私が霞ヶ浦で行っているア
サザプロジェクトも中心に組織の無いネットワークで広大な湖と流域を被って
います。
ネットワーク型社会の成熟には、社会のひとりひとりが総合化する力をどれく
らい持てるかが決め手です。教育は総合的学習に関わらず、ひとりひとりの人
格形成をどの様に学習に結び付けていくのかという大きな課題に取り組まなけ
ればなりません。今必要なのは人格を持った教育だと思います。
 実は日本での総合的学習の歴史は古く、天長5年(828年)に弘法大師空
海によって開設された綜芸種智院では教育の門戸を広く一般に開放し、密教の
みならず様々な分野の学問を学ぶことができたとい
います。アジア的発想は「総合化」に向いていると思います。総合化する力を
持つことはこれからますます必要になるでしょうし、日本がこの分野で世界に
貢献することも十分に可能です。
総合化することへの問いは環境教育のみならず教育そのものの原点でもありま
す。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
さて、飯島さん愛知万博での講演予定です
日時:7月19日(火) 13時・及び15時30分 各回40分
場所: 瀬戸会場 市民パビリオン
また、「地球を愛する100人」の一人として1分間のメッセージも
発信しております。こちらはエンドレスのテープで開館中はご自由にご覧にい
ただけます。
どうぞ、お時間がありましたら、あわせてご覧ください。

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   ★  3.第3回森の聞き書き甲子園フォーラムの報告   ★      
        
 
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弊社が協賛する高校生「森の聞き書き甲子園」の第3回フォーラムが去る3月21
日に開催されました。その模様をご報告します。
森の名手とそれを取材した高校生の5組が登場、作家塩野米松さんと阿川佐和
子さんがインタビュアーとして登場。各組の取材と仕事について紹介してくだ
さいました。1.主催者挨拶 林野庁長官 前田直登氏 
森の大切さが取り上げられる今日、国民参加の森作りが広がっていって欲しい。
2.森の名手名人の認定授与式 H14年度より毎年100名選ばれている。
今回出席の森の名手名人
岡山県  紙漉き名人     丹下 哲夫さん
京都府  シイタケ栽培名人  辻  三郎さん
滋賀県  造林業名人     中野 房行さん
新潟県  狩猟、ぜんまい取り名人 小池 善茂さん
長野県  ヘギ板職人名人   小林 鶴三さん
3.高校生の表彰 100名
今回出席の5名
岡山県  後楽館高校     赤松可奈子さん  
兵庫県  須磨高校      城 大輔さん
滋賀県  湖南農業高校    吉本 拓真さん
東京都  東京文理学院高等部 森山 里菜さん
岐阜県  郡上高校      白石 隆博さん
4.m@PHOTO賞 
聞き書きの際に携帯電話で写した写真で優秀な写真に対して贈られる賞。
井上 アキヒロさん
5.森の名手名人と高校生へのインタビュー 塩野米松氏、阿川佐和子氏
活動の中心は塩野米松さん
 第一回から数え300人の高校生がレポートを書いてくれた。
森の名人を表彰するのが最初の目標、そのままではつまらないので高校生
に取材をして、外の人が読んで分る内容にしてもらう事で始めた。高校生
は最初に研修を受けて、最低は2回名人の所に伺ってレポートを作成する。
聞く時や、聞いてるときは楽しいが、テープから書き起こしが大変。
締め切りに間に合わない高校生も居る。3年経過してだんだんと高校生の
要領がよくなってきている。先輩たちの支援や、レベルが分るとそれを手
本にして、中にはもう少し努力が必要だと思うものも出てきた。
いかに職業に興味を持てたか、どれくらい真剣に聞こうとしたのかを塩野
さんは良く見て審査、100人全てのレポートに目を通した。道具をひとつ
とってもその形や仔細に至るまで学び取ろうとしたかその基準で5名が選
ばれた。
< インタビューの開始 >
阿:阿川佐和子、塩:塩野米松、名:名人 高:高校生
@岡山県 紙漉き名人 丹下哲夫さん 川上郡備中町 昭和21年より始める。
 岡山県 後楽館高校  赤松可奈子さん
阿:名人とはツーカーの感じ?
 
高:ちゃんと敬語を使って話している。
  丹下さんは倉敷で紙漉きをしている。山の中でなく住宅街で仕事をし
  ている。仕事場は以前行った観光旅行客向けの紙漉き場と比べて、暗
  かった。使い込んである仕事場だった。職人が居るんだという感じが
  した。
名:最初の取材の日に水島臨港鉄道の駅を乗り過ごしたが、なんとか無事
  に着いてくれた。ちゃっかりした子で無くきちんとした高校生でした。
名:原料は全て日本産。
  1つはミツマタ。岡山産のもの5年で収穫。東南アジア産もあるが油
  脂分が多くてちょっと字が書けるものが出来ない。日本産のものでな
  いと字が書けない。
  2つめは雁皮(ガンピ)人間の栽培は不可能。自生種を取ってくる。
  知った人しか収穫できない。最近は謄写版の紙を使わないので原料は
  不自由しない。
  3つめは楮(コウゾ)これも日本産で無いといけない。農耕の邪魔に
  なるので絶やした 値段が高い。
  和紙は戦前までは一般庶民が使う紙だった。岡山県で6軒の紙漉き者
  がいる。
  明治10年にみつまたが入り、コウゾとの混成になった。
  倉敷民芸館 館長に日本産原料に精魂を込めて紙を作れとのアドバイ
  スを得て、頑張った。奈良のお寺の写経の紙や、国体の表彰状に使わ
  れている。洋紙は、酸のために早く痛む。和紙は長持ち、軽い、筆に
  良い、ペン書きにも印刷にも適する。ガンピは1300年昔に使われ
  ていたものが今でも残っている。
  紙漉きは腰が痛くなる。でもコツがつかめればなれるし、80歳でも
  出来る、腰は痛いが毎日漉く。普通の紙で200から250枚漉く。
  ひらがな書道の紙が主流。ガンピは細い字を書くのに良い。中くらい
  にはコウゾを混ぜる。用途に合わせて原料の配合を変える。1尺千円
  後継者は孫が修行中。
塩:赤松さんのお母さんの実家の近くに紙漉きの家が昔あった。縁があった
。A京都府 シイタケ栽培名人 辻三郎さん 35年の栽培暦
兵庫県 須磨高校 城大輔さん 放送部 体は大きいが相撲部ではない。
高:辻さんはシイタケ栽培。干ししいたけを栽培、出荷している。椎茸の
  話を聞いたら、外の椎茸は食べれない。大きさも大きく、味も違う。
  そうめんがすきで干ししいたけをよくいれていた。
名:取材に来たのは残念ながら端境期。城君は最近太りすぎ、椎茸を食べ
  てやせるように
名:寒いときに出来た椎茸は「寒子」という。これから「春子」椎茸がで
  きる季節になる。椎茸の種類 傘の厚みがあるのをどんこという。
  椎茸の区分は大、中、小 外の基準。徳用も(傘が開いたもの3段階)
  そのほかどんこなどがあるが規格に合わせて分けるのが大変。最近は
  選別機がある。中肉の厚肉が一番高い。中くらいの大きさ、肉が厚い
  ものが人気。
名:初心に帰る。やる気を持って根気良くやる。温度と水、太陽光は自然
  の恵みこれをうまく利用する。温暖化の影響でシイタケ栽培は難しく
  なっている。水道を7000m引っ張ってよい水をかけている。山林
  と椎茸作り、農業と畜産を複合的にしている。そのせいか遠くからも
  注文がある。原木により椎茸の大きさや肉の厚みが違う。
高:自然の恵みを感じて、環境の大切さを知って欲しい。広い土地でたく
  さん作っている。椎茸のうまみが違う。それだけで美味しい。焼いて
  そのままで食べれる。
名:城君は素直な子だった。農業そのものを卑下する必要は無い、人間の
  基本である食を預かる職業だ。小さいときから新聞配達を子供にさせ
  て来た。風雨にさらされ、雪にも耐えて、森が出来る、今の子供はたく
  ましさが無い。気構えがない今の子供たち。
塩:おじいちゃんと孫の関係が多い、世代を超えた話が出来る。
B滋賀県 造林業名人  中町房行さん
滋賀県 湖南農業高校 吉本拓真さん
高:3回聞き書きにいった。山の中だった、どこに行くんだろうという不
  安。山にはクマが居るので鈴をつけている位のところ。
  道具をつけて、木を登る、この技はこれが同じ人間とは思えない。
名:木に登る時には余計なことを考えてはいけない、木をよくすることだ
  けを考える。そうしないと怪我をする。妻を病院に迎えに行くときに
  気を抜いて7m落ちた。妻は退院自分は入院となった。
  朝は8時から夕方5時まで苗木作り、下草を刈ったり、間伐、枝の伐採、
  冬に備えて雪で折れないようにする。
  間伐は10年20年のモノを切る。100年くらいものを切って売却する。
  杉は、花粉が少なく、雪に強い品種を育てる。檜も育てている。
  木の感覚は2m四方で植えて、だんだんと間伐 1反が250本ほど
  植えて最終は10−20本くらいまで間引く。現在5ヘクタールを管理し
  ている。中町さんの森は向こうまで見渡せる森となっている。
  放置林が多くなった。森の所有が分らなくなってきている。目印の木
  を切ったりして協会が動くこともある。松くい虫で倒れた松が倒れる
  と外の人の木まで悪影響をもたらすこともある。ひとつの木に対する
  思いが学校で習ったものとは違う。道具は樹齢によって使い分ける。
  満77歳だがまだまだやりたい。
阿:人間はどんどん便利になって行くことでだめになることが多いのでは
  ないかC新潟県 狩猟、ぜんまい取り名人 小池善茂さん 71歳 マタギ
 東京都 東京文理学院高等部 森山里菜さん
 名人はまたぎの格好で登場。 名人の着ている衣装の説明
 
名:背中:カモシカの皮 前:たぬきの皮 袖;猿の皮 昭和29年までは
  使っていたが、30年以後は使っていない。
  足袋、手袋はカモシカの足皮2頭分。カモシカの皮はあったかい、袴
  (ニッカーボッカー)は麻。頭巾は猟師のきまりなだれ等聞こえるよ
  うに耳を出す。ふんどしも細く、体に負担をかけないもの。自給自足
  で無いと生活が出来なかった。14歳で山に入ってよいことになって
  いて、春の熊取に参加する。30戸の集落で20人くらいで行く。
  昔は槍で付いた。待ち伏せてして付いた。またぎは自分の集落では猟
  師でなく男の意味。またぎ(股木)は山でしか使わない言葉。男のこ
  とをまたぎという。女はへらという。
高:「シ」と「ス」の発音が聞き取りにくかった。狩猟は生活の一部。農業
  林業など全て自分でして居るのが分った。村上駅からバス40km 
  その奥20kmが昔住んでいる場所。山形県と新潟県の県境。
  最初の取材の日に中越地震が起きた。新幹線が止まり、新潟まで戻っ
  て新潟の名人のお孫さんの家に泊めてもらった。命の恩人。親戚が一軒
  増えました。
名:クマが里に下りてくる。くまが増えている、食べ物が少ないというこ
  ともある。森を残しておかないとクマが出る。クマも間引く必要がある
  のではないか。D長野県 ヘギ板、アジロ編み職人名人 小林鶴三さん
 岐阜県 郡上高校 白石隆博さん
名:21歳で父親の跡を継ぐ。木を手で割っていって、板を作り、それを
  編んで屏風や天井などを作る。
  木を割るときは木の肌に沿って割るので木はだが生きているからいつ
  までも光沢がある。割るときは木それぞれによって違う。木の種類は
  ねずこ(黒部) 数寄屋造りに使われていた木。木材を4〜5m仕入
  れて1mごとにする。の根板から割る。長さ3尺幅5寸 硬い広葉樹
  を打ち込んで 木元、竹裏 木は根っこから割る。木を割る仕事は自
  分の仕事以外に屋根屋がやるがそれとは基本的な違いがある。屋根板
  を割るときは包丁や鉈で割っても良い、手で割らないとヘギ板はきれ
  いになる。京都の茶室の天井でも使われている。アジロ天井は最近は
  機会で薄くしているものが良く見られる。亀甲アジロ 檜とねずこで
  色が違うので文字が組めたりする。
  木のへギ名人の後継者が難しい、木の原料どこまで持つか、200年
  は木が出来るのにかかる。へぎ板は全国でも2名となり村の人が1名
  居るのみ。まだ自分は現役。
高:へぎ板の艶がとてもきれいでびっくりした。色を塗っているかと思っ
  ていた。
塩:文化財の復元には欠かせない技術。昔はへぎは杉を割っていたらしい
  4年で修行、5年で1年お礼奉公。このあと OBによる聞き書きのビデオ版の
  上映と高校生「共存の森」ネットワークの活動報告が紹介される。
  フォーラム写真  http://www.tombow.gr.jp/takahashi/morikiki/
  森の聞き書き甲子園HP http://foxfire-japan.com/

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   ★  4.トンボの王国 デジタル大図鑑     ★
       〜四万十の自然と四季のトンボ〜                
 
 
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本メルマガにコラムをお願いしている杉村さんが撮影されたトンボの写真が
DVDになりました。 トンボの生態DVDに 四万十川流域 138種収録
中村市の「トンボと自然を考える会」(酒井泰一会長)は、四万十川流域で確認
されているトンボの映像を収めたDVDソフト「トンボの王国デジタル大図鑑」を
作製した。同会常務理事の杉村光俊さん(49)が2年がかりで撮影した力作で、
138種類のトンボの産卵や羽化、捕食などほとんどの生態行動が紹介されている。
同会は中村市具同のトンボ自然公園を管理し、同公園内の「あきついお」を管理
運営。四万十川の情報発信に努め、環境学習にも力を入れている。
DVDは誰もがトンボに興味を持ち自然を大切にしてもらいたいと企画した。
撮影は15、16年の2年間。杉村さんがビデオカメラを片手に、四万十川流域を
中心に高岡郡梼原町から土佐清水市まで県西部を駆け回った。四国で観察記録
がありながら、なかなか見られないトンボは鹿児島県や島根県などへも追いか
けた。
撮影は「トンボの気持ちになって」飛んできそうな場所で待ち伏せ、30〜40センチ
まで近づいて一瞬をとらえた。ムカシトンボの撮影では通風で痛む足を引きず
りながら現場へ向かい、オニヤンマの産卵シーンはすぐそばのマムシにおびえ
ながらレンズを向けた―などエピソードは尽きない。
完成したDVDは「春」「初夏」「夏」「秋冬」の全4巻で約50分。大型のヤンマが産卵し
たり縄張りをパトロールする「夏」、赤トンボが水辺を舞う「秋冬」など四季それ
ぞれのトンボの世界を堪能できる。
同公園や幡多郡十和村のこいのぼりの川渡しなどの風景も含まれ観光ガイドと
しても楽しめる。杉村さんは「トンボと遊んだ日々を懐かしんだり、ビオトープ
作りに役立ててもらえれば」。酒井会長も「めったに出合えないシーンが満載で
絶品」と話している。
4月から「あきついお」で販売(各巻5,250円)するほか、最寄りの書店でも注文
できる。
販売元  :東京都千代田区飯田橋2-4-10、いかだ社(03-3234-5265)
問い合わせ:トンボと自然を考える会 (0880-37-4110)
 ご案内チラシ http://www.tombow.gr.jp/takahashi/zukan/


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┃  発行者: 株式会社トンボ  環境事業企画室
┃ 【スクールビオトープ メールマガジン】
┃       〒700-0901
┃       岡山市厚生町2−2−9
┃       Tel 086-232-0304 Fax 086-223-5644        

┃ ■  URL:http://www.tombow.gr.jp       
┃        
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