[発行日:2010.09.30] vol.71 埼玉でのトンボスケッチ会、ビオトープ管理と綿花栽培

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┃     ┃ 株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2010.9.30 ━★


こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
中秋の名月を過ぎ、暦の上では秋真っ只中となりました。。
皆様いかがお過ごしですか?

弊社で栽培している綿花は順調に実をつけています。下から順に結実し
て、様子を見ては収穫しています。上の方には花のしぼんだ後のふくら
みが残っており、もう1ヶ月ほどは収穫ができそうです。
今回は、9月に行なったイベントと授業の模様をお伝えします。


   もくじ      
           
      【1】トンボ写生会を全国トンボ市民サミット
             寄居大会(埼玉)で開催
            

      【2】ビオトープ管理 と 綿花栽培
         たつの市立 小宅小学校 環境クラブ




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     【1】トンボ写生会を全国トンボ市民サミット
            寄居大会(埼玉)で開催 
                 
            
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< トンボ絵画コンクールへの思い >
トンボの飛び交う豊かな自然環境を取り戻し、後世につなげたい。
この思いから始まったWE LOVE トンボ絵画コンクール(主催:朝日新聞
・朝日学生新聞社 協賛:トンボ)は今年25回目を迎えます。

今年も17万点を超える応募が期待されます。点数だけでなく、トンボの
絵を描く楽しさや、トンボを見る目を多くの児童・生徒に養ってもらいた
いと今年初めて 弊社としてトンボの写生会を開催しました。

< 埼玉県 寄居町で開催、地元の小中学生が参加 >
9月4日、場所は埼玉県西部の寄居町 風布地区 日本の里。毎年開催さ
れる市民グループの集い「第21回全国トンボ市民サミット寄居大会」の一
環として、地元の実行委員会と共催で実施しました。埼玉県や地元寄居町
の教育委員会に後援を依頼し、夏休み前に地元の小中学校12校に告知を
行いました。 

実施日には、6校(5小学校、1中学校)から、17名の児童生徒が参加(
中学生1名)、うち15名が描画しました。夏休み後ということで、宿題とリ
ンクする事が難しかったようです。

< 専門家からトンボの生態を学ぶ >
当日は、清流の流れる公園でトンボの解説を、専門家の方5名にお願いし、
どんなところにどんなトンボが棲んでいるか、どんな特徴があるかを明る
いところや暗いところ、水際や草地などを歩きながら解説していただきま
した。 

初めは、おとなしかった6年生女子3名も、実際トンボを捕まえてもらい、
ヤンマやイトトンボ、アカネ族との顔の違いを説明してもらうとそれがお
もしろかったのか、とても真剣に描き始めました。

< 昨年度の優秀作品を参考に展示 >
当日は、昨年のトンボ絵画コンクール優秀作品(環境大臣賞、文部科学大
臣賞)も掲示し参考としてもらいました。一生懸命見ていたのは大人の方
で、子ども達はまさに参考程度の扱いで、思い思いに描きました。
自分らしさが一番出て良いのだと思います。

< トンボも沢山やって来た >
当日は13種類ものトンボを見ることができました。飛んでいるトンボを描
くのと、動きの止まったトンボを描くのでは大違い、トンボだけでなく、
どんなところに居たかを書くと良い絵になる。と指導を受け、見た場所が
主役になるような絵もありました。終わりがけに捕まえたオニヤンマを見
た子ども達はとても満足そうでした。
 
図鑑やインターネットで調べて描くということに比べると、新しい発見や
知識との出会いがすごくあった写生会でした。 どんな力作が応募される
のか楽しみです。

なお、このサミットは2日間で延べ400名を超える参加人員でした。
来年は九州新幹線が全線開通した5月に鹿児島県 薩摩川内市で開催され
ます。

当日の模様はこちらからどうぞ
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_UstVYs.p



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       【2】ビオトープ管理 と 綿花栽培
           たつの市立 小宅小学校 環境クラブ 
                 
           
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1年前に紹介した赤とんぼの町たつの市の小学校のビオトープ授業の模様
をご紹介します。
9月22日 今回は、運動会直前で時間が取れない中、お昼休みを利用し
て、環境クラブの6年生に授業を実施しました。

昨年作ったビオトープをどのように管理するのがよいか? 児童と共に考
え、彼らの気づきの中から管理する内容を決めていくのが狙いです。

1回30分が限度ということで2回に分けて実施、その1回目。
給食が済んだ6年生たち約20名が集まってくれました。

< 6年生が聞いて 3年生に伝える >
生憎、4、5年生は運動会の練習の関係で不参加。今回の6年生の使命は
その日に聞いたことを、ビオトープ管理主役の3年生に、どのような管理
をしたら良いかを伝えることでした。とは言え、彼らもまた、3年生のア
ドバイザー役として一緒にトンボ池とその周辺の管理を考えていきます。

今回のテーマは「観察眼をやしなうために変化を感じよう」「記録をつけ
よう」ということを伝えることです。

< 6年生と心を通わす >
アイスブレークに「何を希望して環境クラブに参加したのか」動機をヒヤ
リング。

・綿花栽培でマイバッグを作るのがおもしろそうだった。
・山根川で遊びたかった。(学校横の小川、ハグロトンボやギンヤンマな
 ど飛び交う清流です。)
・山根川の生物をいろいろ見たかった。
・ホタルが飛ぶところを見たかった。 とテンポ良く答えてくれました。

昨年彼らが5年生の時に中心となって、山根川のゴミ拾いをした結果、
ここ数年見られなかったホタルが今年は学校横で見られたのでした。

4月からどんなことを体験してきた?については、
・山根川の水質調査  
・山根川の川くだり  
・シオカラトンボのヤゴを採って羽化の成長を見た。
 
実は、和綿を栽培して自分達の手で糸を紡ぎ、布を織ってマイバッグを作
る授業を現在、地元の方やひょうご環境体験館との共同で進行中です。

< 急遽 綿花の授業 >
綿花の話が出たので、小宅小学校で栽培している綿花は2種類ある。
外来と和棉。と説明。(当日花のつき具合を観て2種類あること確認。和
棉のみの栽培の予定だったのが増えたようです。)

見分け方として和綿は実が下を向く。葉が小さい。外来は実が大きい。上
を向いて裂ける。和棉は虫に食われないが、外来種は葉っぱが食べられて
いるなど。
みんなの綿は無農薬で栽培しているけどインドなどの外来の綿は沢山農薬
を使っている。そうすると土の中の生き物が死ぬのでまた、農薬を使わな
いといけないという悪循環の栽培方法ということもあわせて説明。

< 和綿栽培と赤とんぼの歌の関係 >
綿花の歴史も説明。 日本には平安時代に来たが育たなかった。戦国時代
に中国や朝鮮から綿織物を沢山輸入し、あまりに消費量が多く輸出禁止と
なり国内栽培が始まった。 江戸中期から広く綿花が栽培されていて、家
で栽培し、女性が7歳頃から糸紡ぎをはじめ12歳くらいで織物を習い、
15歳で裁縫・家事が一通りできるようになったら嫁に行った。
夕焼け小焼けの赤とんぼの歌詞はそんな意味と説明すると児童はびっくり。

< 変化を見つけるために >
変化を感じる観察ポイントのアドバイスとして、体のつくり、暮し、棲家
の話をしました。(弊社HPに掲載しているアサザ基金の飯島氏の授業参
考)また、トンボの種類によって好む空間が違うこと。 

イトトンボはからだが小さいので、草が生い茂った池を好む。シオカラト
ンボやギンヤンマはキラッと光る水面が産卵時必要。オニヤンマは暗くて
流れる水域を好むなど。 
アキアカネは他のトンボに比べて遅く産卵し、遅く羽化するのは餌の競合
を避けるための戦略でもある。

3年生がトンボ池をどのようにしたいか、どんなトンボに来て欲しいかに
よって草を生やしたり、刈ったり整備方法が違う。
生物は、子孫を残す事が一番の仕事なので縄張りをはったり、喧嘩したり
する。10分間ほど観察をすると動きわかると説明。
 
< メダカが死んだら原因は? >
変化を見つける手立てとして、記録を残すと良い。そのために、生きもの
だけでなく周りの環境変化にも気を配ってみて見よう。

例えばメダカが死んだ。その原因を周りの変化から見ると解り易い。 
水温の変化、異物混入、メダカの数の多さ、酸欠、外からの侵入者等様々
な原因が考えられる。くらしや棲家など環境に目を向けて広く見ると色々
な事がわかる。

今回は教室の授業で 山根川傍の現場に行けなくて残念でした。次は現場
主義でもっと解り易く児童たちの感性に働きかけたいと思います。

当日の模様はこちらからどうぞ
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_E00nGo.pdf


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