[発行日:2008.12.26] vol.50 オニヤンマを学校に呼ぼう、エコプロダクツ展報告 

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
┃ 
┃     QQ     【スクールビオトープ メールマガジン】
┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃
┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃        vol.50
┃     ┃
┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室
┃     ┃

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2008.12.26 ━★

※文字フォントは、MSゴシックの等幅フォントで最適に表示されます。
※登録・解除は下記のページよりお願い致します。
https://www2.tombow.gr.jp/merumaga/eco.php

――――――――――――――――――――――――――――――――

  ★☆★トンボ・エコフォーラム掲示板を開設しました★☆★

 環境学習(自然環境教育・消費者環境教育)に関心のある先生や
 NPO法人会員、保護者の方の情報交換の場としてご投稿をお待ちし
 ております。お気軽にご利用ください。
 http://www2.tombow.gr.jp/eco_project/eco_forum/index2.html

――――――――――――――――――――――――――――――――


こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。今年最後のメールマガジン
です。今年1年を振り返ると新しい出会いがいくつもありました。
色々な話題をお届けすることもできたのではないかと思います。
しかし、生物多様性という視点で人間以外の生きものに何か貢献できたのか
と考えると反省させられることばかりです。
他の生物との共生を考えられる人を増やしていけるように来年も精進したい
と考えます。


   もくじ【1】オニヤンマを学校に呼ぼう 
         小学校と高校のコラボ始まる

      【2】エコプロダクツ展のご報告


◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


【1】オニヤンマを学校に呼ぼう 小学校と高校のコラボ始まる  


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇


< ビオトープに水草を>
「学校にオニヤンマを呼ぼう」行動を起こしたのは、千葉県船橋市立
飯山満(はさま)小学校。これまでにご紹介した船橋芝山高校に近く
に位置する小学校です。
7月に学校の近くの田んぼで在来種の水生植物を採取、学校の観察池
に入れました。近隣のNPOの方や植物に詳しい他校の先生方も参加
されましたが、児童には敢えて植物の名前など解説せず学校に入れた
らおもしろいものを採取しました。結果田んぼで元気が良くても枯れ
た植物もあり、児童たちはそれぞれに生物の棲む環境に適不適がある
ことを体験しました。

< 観察池の復興 >
学校の観察池はコンクリート製でこれまで十分に活用がされていませ
んでしたが、熱海校長の呼びかけで保護者・地域方が参加するおやじ
の会が協力。児童と共に土を掘り起こして水生植物を植えつける準備
をしていました。創立40周年の記念事業として、これまで壊れていた
ポンプ池の整備も行い、いのちが育つ環境が整いました。

< 小学校と高校のビオトープのコラボ >
オニヤンマは飯山満小学校にはいないので、船橋芝山高校科学研究部
の協力を得て、勉強会とヤゴの捕獲作戦を実行することになりました。
11月22日の晴れた日に、船橋芝山高校に児童と家族の17組、熱
校長それに、船橋芝山高校の田村校長、佐野科学研究部顧問、科学研
究部生物班の生徒が集まりました。その数50名ほどと大勢の人が集
まりました。

< トンボの専門家の授業 >
この日は、地元でトンボの研究をされている専門家 行徳トンボ研究
室の互井 賢二さんにトンボのお話を聞いて勉強しました。

オニヤンマは流水や湧水があって、樹影で薄暗いところが好き、山砂
や泥が混じった底が必要。斜面林がある船橋芝山高校ではオニヤンマ
が毎年育っていますが、まさにこの条件が整っている場所です。
ここのオニヤンマのヤゴを捕獲して、飯山満小学校に移して育てよう
というのがトンボ授業と並んでこの日のメインイベントでした。

< トンボの宝庫日本 >
日本は昔秋津洲(あきつしま)と呼ばれていてトンボの宝庫でした。
秋津とはトンボのことです。現在日本では220種類のトンボが生
息しているとのこと。珍しい種類のトンボもいて、世界で日本とヒ
マラヤしかいないトンボの先祖ムカシトンボがいる。世界で一番小
さいトンボハッチョウトンボもすんでいる。世界で一番大きいのは
テイオウムカシヤンマ。このムカシヤンマの種類も日本にいると、
子ども達のトンボへの興味が湧く話をたくさんしていただきました。

< おもしろいトンボの話 >
大人も楽しめる、トンボの文化のお話もありました。
西日本でお盆のころ見られる赤トンボはウスバキトンボで盆トンボ
とも呼ばれる、先祖の霊と共に帰ってくるといわれ、西方浄土の思
想と一致する。一方東日本の盆トンボはオニヤンマでこれは山岳信
仰と一致する。オニヤンマは真っ直ぐ飛ぶ性質があります。後ろに
下がらないので勇猛ということで戦国時代の兜の印にもなったそう
です。

<芝山湿地でヤゴ採取 >
楽しいトンボの話の後は「芝山湿地」へそこでオニヤンマのヤゴ
10匹ほどを採取しました。オニヤンマのヤゴは成虫になるのに2
年ほどかかります。来年の夏に羽化する大きなヤゴやまだまだ小さ
いヤゴなど小学生達は一生懸命でした。ニホンアカガエルも顔をの
ぞかせ大勢の人に驚いた様子でした。

< 飯山満小でヤゴの放流 >
採取後は飯山満小学校へ移動。熱海校長から、飯山満小学校のビオ
トープについての説明を受けた後、放流をしました。放流した場所
は観察池ではなくてプールの横の小さな側溝。ここは、ビオトープ
からの水が流れてきますが、人工的な流れなので勢いが強すぎると
ヤゴが流されるので、その対策として留めをどうするか、また、傍
にはカンナが植えられていますが、その葉がオニヤンマのメスの産
卵を妨げないようにすることと、オニヤンマの好むに日陰の部分を
どのように創出していくかが課題だと互井さんから指摘がありまし
た。

これから羽化するオニヤンマの成長や産卵にやってくるオニヤンマ
が楽しみです。

勉強会、ヤゴ捕獲作戦の模様はこちらからどうぞ
   http://www.tombow.gr.jp/Biotope_melmaga/08.12.26/1.pdf


◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


       【2】エコプロダクツ展のご報告  


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇


今年で10回目を迎えたエコプロダクツ展、入場者数も過去最多で
173,917人(昨年総来場者数164,903人)と1万人近
くの増加となりました。

当社ブースにも、3日間で600名超の来場があり、昨年と同じく
児童・生徒が激増しました。環境授業で、訪れた小中高生は450
名強と昨年よりカウントできただけで60名ほど増加しました。
特に初日は10時開場から14時までは、お昼の30分ほどを除き、
次々と来客が押し寄せ60チームもやってきました。

ブースの模様はこちらからご覧下さい。

  http://www.tombow.gr.jp/Biotope_melmaga/08.12.17/2.pdf

今年も当メルマガに原稿を書いていただいている杉村さんが制作さ
れた「トンボ」のDVDを上映し、対面にあるWe love トンボ絵画コ
ンクールの優秀作品 22回、23回の環境大臣賞と文部科学大臣
賞を展示しました。通路を歩く学生や一般の方が足を止めて観てく
ださいました。
  今年の優秀作品はこちらからご覧下さい。

   http://www.tombow.gr.jp/eco_project/kaiga/index.html

今回新しい取り組みとして、「トンボの豆知識」としてトンボにち
なんだいくつかの文化的な話をパワーポイントで見ていただくよう
にしました。むさしの里山研究会の新井さんと行徳トンボ研究室の
互井さんに原稿のアドバイスをいただき制作しました。

 http://www.tombow.gr.jp/Biotope_melmaga/08.12.26/2.pdf


このほか、制服の残り布を利用したお土産のマイバッグキット(自
分で作るもの)は大変な人気でした。様々な色柄の中から自分で好
きなものを選ぶことができたのが受けました。捨てるものマイバッ
グとして利用されることは当社としても嬉しい思いです。


前のデータを表示

後のデータを表示

バックナンバートップへ