[発行日:2003.06.02] vol.1 スクールビオトープメルマガの目指すもの、スクールビオトープ実践校のご紹介 井口明神小学校 

 
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☆     QQ     【スクールビオトープ メールマガジン】
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☆     | テイコク環境事業企画室
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆[発行日:2003/06/02]☆☆


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  もくじ 【1】 はじめまして、テイコクってこんな会社です。
     
      【2】 スクールビオトープメルマガの目指すもの
         
      【3】 スクールビオトープ実践校のご紹介
        
      【4】 コラム 飯島 博アサザプロジェクト代表


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こんにちは。株式会社トンボ、環境事業企画室の小桐と申します。


この度は【スクールビオトープ メールマガジン】に登録いただき、御
礼を申し上げます。これから2ヶ月に1回程度、学校を中心にしたビオ
トープについてのお話をお届けしてまいります。


なにぶん初めての発行です。不備な点もあろうかと思いますが、回を重
ねる毎に、内容を濃くして行きたいと思います。末永くお読みいただけ
れば幸です。



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    ★  株式会社トンボって、こんな会社です  ★
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○ トンボ学生服がメインブランドのユニフォームアパレルです!


株式会社トンボは、今年で創業128年を迎える学校制服とスポーツウ
エアなどの総合アバレルメーカーです。皆さんに親しんで頂いていますト
ンボ学生服のブランドを中心にして小学校から中学・高校の学校制服を広
く製造販売してまいりました。会社は岡山市に本社事務所があります。生
産は岡山県玉野市と柵原(やなはら)町の工場を中心に四国や九州各地に
あります。



○ トンボとの出会いは73年前!


初めは足袋を製造するメーカーでしたが、73年前より学生服の製造を始
めました。その時に「アサヒトンボ」の商標をスタートさせました。
トンボは古来より「勝ち虫」として縁起がよく、また、昔は日本のことを
「あきつ洲」と呼び「あきつ」はトンボの古い呼び名で日本の象徴でした。
とんぼは「田んぼ」から来ているとの説もあります。



○ 四万十川のトンボ王国支援から環境活動をスタートさせました。


1985年、高知県中村市でトンボを守ろうとする運動が始まりました。
杉村光俊さんが中心となり、休耕田を買取り、トンボの棲める自然環境を
残そうとするもので当社はこの活動を支援、全国に広めたいと朝日新聞、
朝日学生新聞主催の「We Love トンボ絵画コンクール」の協賛もさせてい
ただくことに。今では7万点を超える応募をいただくようになりました。



○ 会社の敷地にビオトープを作りました。


今から4年前の1999年に玉野工場の敷地の一角に小さな池を作りま
した。近所の田んぼからメダカや数種類の草を植えました、きっかけは
「全国学校ビオトープコンクール」(日本生態系協会主催)の協賛企業
になったから。
何もノウハウがなかったので社員が勉強してビオトープ管理士2級(計
画施工)の免許を取りました。今ではギンヤンマが来てくれる池になり
ました。 名前は120(イチ、ニー、マル)トンボ池です。



○ 広がるエコ人脈ネットワーク。


120トンボ池の横にユニフォーム博物館があります。世界や日本のユニ
フォームを展示。創業120年の記念事業として作りました。すると作家
で環境活動家のC.W.ニコルさんが博物館を見せてと来られました。
そのご縁で当社の「エコパイロット」として環境のお話を展示会でしてい
ただくことになりました。ある展示会で「霞ヶ浦」の環境を復興させよう
とする志高き人が現れ熱心にニコルさんと話をされました。それが今時の
人であるアサザ基金代表理事の飯島 博さんです。この運動も支援するこ
とになりました。霞ヶ浦を中心に近隣の小中学校で108校ものビオトー
プづくりを指導されました。
 
    ▽ http://www.kasumigaura.net./asaza/



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    ★  スクールビオトープメルマガの目指すもの  ★
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○ 私たちがこれから考えていること


わたしたちは地球温暖化防止のために、さまざまな取り組みをしています。
エコ製品(再生ペットボトルから作った素材を使用したユニフォーム、体操
服)の製造や着れなくなった制服を回収してマットやスリッパの中敷に加
工して再利用などに取り組んでいます。工場見学をしていただいた小学校
の生徒さんに環境授業なども実施しています。


○ もっともっと環境意識の啓蒙に取り組みたい


地球環境を守るためにはより多くの方が環境に関心を持っていただくこと
が大切です。地球との共生の大切さをアピールしたいと思っています。
スクールビオトープを作ることでその後の授業での活用はもとより、制作
課程で保護者の参加だけでなく、地域の方の協力があり、環境だけでなく
より良いコミュニケーションが出来たとの声を良く聞きます。

このビオトープメルマガではこれからビオトープを作ろうとされる学校へ
のさまざまなノウハウをお届けしたいと思います。また、既に実施されて
いる学校間の情報の交流の場になればと考えています。

  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ┃これからも貴校へ向けてのさまざまなサポートさせて頂きます┃ 
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  




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      ★  スクールビオトープ実践校のご紹介 ★
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5月のとある昼休み 「蛍の飛ぶ学校ビオトープ」を作った小学校がある
とNHKで放送していました、そこで早速取材申し込みをしたところ快諾。

学校は広島市の西に位置する。井口明神小学校 原田 備子校長先生

以下インタビューの内容をお送りします・・・


★ビオトープを作られるきっかけは何だったでしょうか


 2年前の平成13年10月に全国理科研究会があり、その時に子供達が
作った小さなドーナツ池を見た方がせっかくだからもう少し発展させたら
良いのではのアドバイスがありました。


その後アドバイスをした企業が北九州環境協会というところを紹介そこが
色々アドバイスをしてくださったとのこと
先生方も色々と手伝ってくれるのならばで「やってみようの気持ち」で始
められました。


★最初にどんなことをされましたか


 学内の機運作りのために生徒にどんなビオトープがいいかの「絵」を描
かせたとのこと。1回目は自由に そしたら「ライオン」「象」を入れた
いなんて発言もあったとか 子供が感じる自然と現実の自然のギャップに
先生方が驚いたそうです。そして2回目の絵でだんだん煮詰めました。


★苦労された点は


 ビオトープ構想会を児童、PTA、地域の代表者、教職員で構成。そのなか
で「流れが欲しい」との意見が圧倒的。じゃあ水道でなくて井戸水にしよ
うところが実際調査すると 学校の敷地は以前海だったところで海水しか
出ない 一度はビオトープづくりが挫折しかけたが、ポンプで循環させよ
うということになり、その案で決定

  
 どんな池にするかの希望は煮詰まったがどうして図面を書いて、どう施
工したらよいか 関係者には居なかった。 不思議なことに地域に造園業
者の方がいらっしゃってこの方がボランティアで設計図を書いて下さいま
した。


★このビオトープの特徴は

 
  なんと言っても地域のかたがたの力強い協力です。 


・簡易な防水シートを敷いていくつもりが 地域の方で「昔からの工法で
 水漏れしない技法を子供達に教えよう」とのことでバラスを敷いて、粘
 土を塗って、こどもたちに地固めで踏ませてそれを繰りかえしました。


・そして最後に「田んぼ」の土入れ これもまた児童の祖父の方の土がた
 またま道路拡張で余っていたので頂きました。


・地域の造園会社の方がボランティアで造成を指揮してくださいました。 


・生き物の観察に役立てて欲しいと 近くの方がメダカやカブトムシの幼
 虫などを下さいました。
 それから川ニナと蛍の幼虫を2月に広島蛍の会の方に頂きました。この
 近くの川の上流に棲むものでした。100匹のうち20匹が成虫になっ
 ています。


★現在困っていることは


・水槽で黒メダカと緋メダカをべつべつに飼っていたのですが、ある日の
 こと子供達がビオトープに一緒に入れてしまいました。遺伝子汚染が起
 きるのでとろうとしたのですが・・・今はあきらめています。
 ビオトープにいれるものは担当の先生に相談してからということにしま
 した。

・自然体験学習で郊外に出かけどんぐりを拾って帰りました。プランター
 に入れたらたくさん芽を出しています。 これを全部植えるわけにはい
 かないのでどうやって間引くかを考えています。


         ・・・・・・・・・・・・・


井口明神小学校にはパソコンに強い先生がいらっしゃって HPを公開中で
す。定点観測として 詳しくビオトープの変化が写真で掲載されています。
 
 ▽ http://www.inokuchimyoujin-e.edu.city.hiroshima.jp/

         ・・・・・・・・・・・・・

これから 7月31日に締め切られる第3回学校ビオトープコンクールの
応募のために資料をまとめていかれるとのことです。

主催者の日本生態系協会のHPです。コンクールは2年に1回の開催です。

 ▽ http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/


★最後にこれからビオトープ作りを考えられる学校にアドバイスを

失敗を恐れずに取り組んでください。自然と色んな方が応援して下さいま
す。埋立地だっただけに子供達に自然を体験させたかった。それが叶いま
した。



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  ★  コラム 学校ビオトープで社会システムを構築する  ★
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NPO法人アサザ基金  代表理事   飯島 博


 先日、衆議院環境委員会の視察がありました。視察の目的は今年1月に
成立した自然再生推進法のモデルとなったアサザプロジェクトの活動状況
をみるためでした。
当日参加した各党の国会議員は、アサザ基金と国土交通省が協働で実施し
ている霞ヶ浦での大規模な自然再生事業の現場や学校ビオトープ、アサザ
群落などをわたしの案内で視察してまわりました。

 今回の視察でも、毎回多くの見学者が述べるのと同じ様な感想が多く聞
かれました。この日多くの国会議員が興味をもったのは、アサザプロジェ
クトで行われている各事業が、例えば学校ビオトープであっても「造って
終わり」ではなく、必ずプロジェクトで行われている他の事業と関連づけ
られ、湖と流域全体を被うシステムづくりに結びついていることでした。
 
 以前から指摘されてきたように、従来の公共事業は縦割り行政による自
己完結型で、費用に対する効果や事業の合理性に多くの疑問が示されてき
ました。
とりわけ近年は財政難の中で、公共事業のあり方に対する批判が高まって
います。そのような状況の中で、アサザプロジェクトは単なる自然再生事
業としてではなく、NPOが提案した全く新しい公共事業として注目を集
めています。

環境や建設、福祉、教育、産業といった従来の縦割りを越えて、NPOが
中心となって事業と事業を自由に結び付け自己完結型ではない循環型の公
共事業を実現しているからです。わたしが「市民型公共事業」といって提
唱している新しい公共事業に、今回の視察を通して党派を超えた共感が得
られました。

 アサザプロジェクトの学校ビオトープは、霞ヶ浦流域の108校にすで
に設置されています。これらのビオトープは巨大な霞ヶ浦の再生事業と直
結しています。また、流域全体の学校ビオトープ学習がネットワークをつ
くることで、広大な流域全体の自然環境の変化を把握するITを活用した
流域管理システムの構築も視野に入れた取り組みです。

 これからの社会に必要なのは、社会に独自のネットワークを組み上げ事
業を実現していく思考です。
そして、まずそのような思考のできる人材の育成が必要です。
それは、企業も行政も研究機関なども同じだと思います。造って終わり、
観察して学習して終わりといったビオトープ学習は、自己完結型といえま
す。

子ども達の学習を縦割りから総合化に向けていくことが必要であるという
認識から、総合的学習がはじまりました。縦割り学習の打破は、今の時代
に求められている共通の認識から生まれたものだと思います。

 学校ビオトープを通した学習の真価は、ビオトープ学習を社会システム
とのつながりを理解させる形で展開できるかにかかっています。
 わたしが小学校に授業に行って必ず言うことがあります。

「学校ビオトープでメダカを守るのが目的ではありません。
 学校ビオトープの学習を通してメダカと共存できる社会を
 つくることが目的です。」


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      最後までお読みいただきありがとうございました。

      ご意見・ご感想があればどしどしお寄せ下さい。
      制服に関するご相談も随時受け付けております。

    https://www2.tombow.gr.jp/otoiawase/eco_project.php


    今後は皆様方のご意見を伺いながら内容を充実させてまいります。


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┃  発行者: 株式会社トンボ  環境事業企画室
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