[発行日:2011.02.28] vol.76 いのちのつながりの大切さを伝える その、未来につなぐ真庭の森づくり協定

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┃     QQ     【スクールビオトープ メールマガジン】
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┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃        vol.76
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┃     ┃ 株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2011. 2. 28 ━★


こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
2011年2月度のスクールビオトープメールマガジンです。

間もなく3月を迎え、少し暖かくなってきました。高校の卒業式も今週の
ところが多いのではないでしょうか? トンボでは、卒業式、新学期の制
服着用に向け一番忙しいシーズンを迎えています。

今回は、2つの話題をお届けします。




   もくじ【1】いのちのつながりの大切さを伝える その1
         

  
      【2】未来につなぐ真庭の森づくり協定
         



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      【1】いのちのつながりの大切さを伝える その1
      
            
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学校の敷地には里山が広がる、生徒一人に1本 マイしいたけ原木栽培
この学校ってどんな学校をイメージされますか?

山の中の学校でしょうか、農業系の学校でしょうか、それとも意外と都会
の学校かも?

実は、法隆寺に程近い奈良盆地の矢田丘陵を背に立地する私立中高一貫教
育校 奈良学園中学校・高校なのです。同校にはまだ未整備の土地もあわ
せて8haの里山があります。この立地を生かした いのちのつながりを伝
える素晴らしい教育が行なわれています。

< ビオトープと里山のつながり >
前回の学校ビオトープコンクールで「金賞」を受賞した同校は学校関係者
以外に、学校の里山ビオトープで生徒さんたちを指導されるこれまた素晴
らしい応援団の方たちがいらっしゃいます。
この方々と学校の方たちが外部の人たちにも里山・ビオトープを使ったい
のちのつながりの大切さ、すばらしさを知って欲しいと去る2月19日に
同校を会場にして「寒い季節に熱くビオトープについて語る」をテーマに
平成22年度 日本ビオトープ管理士会 第3回研修会を開催されました。

地元近畿で活躍する団体、大学を中心に約50名の方が参加されました、
ホスト役の奈良学園の生徒さんも中高あわせて7名の参加がありました。

冒頭 同学園野村校長は、自然から遠ざかる子ども達に対して矢田山丘陵
自然を生かした教育ができないかと和歌山大学 養父教授の協力を得て里
山の活動を実践してきた。山や小川で過ごす事が感性は育つ。理科は五感
で感じないと意味がない。と話されました。

< インタープリターとは > 
研修会には遠方より2人の方のゲストが講師として参加され、それぞれに
ご自身が実践されているいのちのつながりを伝えるインタープリターの仕
事を紹介されました。

一人目の講師は 香川県 国立讃岐まんのう公園で12年以上インタープ
リターを勤められている井上 博夫氏が「里山の自然と人のかかわり イ
ンタープリテーション活動から見えてきたもの」と題して話されました。

毎年40万人来訪する同公演は弘法大師が築いたとされる満濃池の傍らに
ある都市公園です。人との語らい、宇宙とのふれあいを公園のコンセプト
に「見つけよういのちのつながりと暮らしのヒント」をテーマとして活動さ
れています。

土日、祝日ガイドウォーク、ネイチャークラフト、自然観察会、里山生活
の伝承体験教室の他、里山保全管理型作業(赤、黒、緑の古代米の栽培)
や外来種の駆除(ウシガエル駆除、ザリガニ釣り等)など幅広い活動指導
されています。

インタープリテーションは教えることでなく、自分が媒介となり、伝える
相手の興味を刺激し啓発すること。  
見えるものを通して見えないものを伝える。知識そのものを伝えるのでな
く、裏側にあるメッセージを伝える(背後の意味や価値)興味を刺激する。 
インタープリターは 感動体験とメッセージを伝えるアーチストと言われ
ました。 ともすれば、生きものの名前を教えたり、生活史を紹介するに
とどまりがちな観察指導をもっと奥深いものとして伝えようとされる姿が
浮かびます。

< 具体的活動から見えてきた事 >
かつては満濃池周辺含む日本全体がビオトープであり、人が利用してきた
自然=半自然は農業で作られた固有な文化だった。有機的なすきまで構成
された里山は、循環型ライフスタイルが確立していた。
2500年ほど自然のシステムの中で日本の生きものは過ごしてきた。
人工草原としての茅場、林は見通しが良く獣は隠れる場所がないので人里
には近づかないなど。

元々自然は5つの要素(空気、水、太陽光、土、様々な生き物)でできてい
るが、今の日本は、山、川が生活から切り離され、定期的な伐採、下草刈な
ど、かつての農民の生活の営みという自然への働きかけを止めたので生態系
が維持できない状況になっている。このままでは日本の里山に棲むいきもの
の50%が絶滅危惧種となる。

自然に接する楽しみを環境学習で体感し、自然共生社会を取り戻し、低炭素
社会、循環型社会(リヒゥーズ、リデュース、リユース、リサイクル)の3
つが有機的に存在できるようにする必要がある。と話されました。

研修会の模様 次回お伝えする内容の写真も入っています
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_EQF18I.pdf




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        【2】未来につなぐ真庭の森づくり協定
          
  
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前回ご紹介した、真庭市と弊社とのバイオマスクレジット購入並びに森づ
くり協定についての続報です。

バイオマスタウン 真庭 推進パートナーシップの協定を去る2月7日に
真庭市において調印式を行い締結しました。

< 真庭市 バイオマスエネルギー採用これまでの経緯   >
真庭市は、平成17年に9町村が合併してできた新しい市です。
岡山の最県北に位置し、その面積の80%が森林を占め、自然豊かな環境
とともに多くのバイオマス資源を持つ町でもあります。

同市では、合併後に新市庁舎を環境にも配慮したユニバーサルデザインに
より建設することを策定しました。その実現のために新エネルギー・省エ
ネルギーを推進するとともに、地域資源を活用した環境負荷の低い「バイ
オマスエネルギー」利用による、冷暖房設備を導入、昨年秋より稼動して
います。

< クレジット購入量 >
今回認可された国内クレジットを弊社が購入し、スポーツウエア製造の主
力工場である美咲工場の製造時に排出する全ての温室効果ガスについて、
平成23年度からカーボンオフセットを実施し「CO2排出ゼロ」を推進
します。
年間150トン分のCO2削減クレジットを購入し、美咲工場は温室効果
ガス排出ゼロのカーボンフリーとなります。今回の契約は3年ですが、以
後1年毎の継続オプション契約もしています。

※トンボがクレジットを購入する真庭市の新市庁舎とバイオマスオイラー
の写真はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_4UkXWt.pdf

< トンボがバイオマスタウン推進パートナーとなった背景 >
クレジット制度の共同実施者であると共に、「パートナーシップ協定
「未来につなぐ真庭の森づくり協定」を締結した背景にはいくつかの理由
が有ります。

弊社はこれまで、主力ブランド「トンボ」にちなみ、長年社会貢献を中心
とした環境活動に力を入れてきました。

一番歴史がある事業としてはWE LOVE トンボ絵画コンクールがあ
ります。文部科学省、環境省に後援をいただき、25年間実施、トンボの
絵を描くことで自然の大切さを子ども達に学んでもらうことを目的に続け
てきました。昨年は全国より6000校、17万点の応募の規模となりま
した。

また、日本を代表とする昆虫「トンボ」の棲める環境をひろげるため、
「学校ビオトープ」の支援や自然再生を市民運動で展開する霞ヶ浦アサザ
プロジェクトの支援など様々な自然を守る活動の応援をしてきました。

これからはメセナ活動だけでなく、事業と連動した形の環境貢献の活動が
必要であると考え、今回具体的な行動のひとつとしてクレジット購入に至
りました。

スポーツウエアの主力工場のカーボンオフセットを実施する理由は、現状
スポーツウエアに使用する素材がポリエステル中心であり、機能面から考
えて素材変更による環境負荷低減はすぐには実施できにくいがなんらかの
行動が必要であると考えていました。
また、詰襟学生服は既にカーボンオフセット商品を発売しており、カーボ
ンオフセットの社内取り組みの幅を広げるという理由もあります。

社員の参加型森づくりは、トンボの生息域を広げたり、真庭市の生物多様
性を高めることにも貢献できると考えます。
地元真庭市の方々とも打合せを行い、自己満足型でなく、社会問題解決型
の取り組みになる必要があると考えています。
キックオフイベントを皮切りに、社員や家族、地元も巻き込む森づくりを
今後実施していく予定です。


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