[発行日:2011.01.28] vol.75 C.W.ニコル氏 「ユネスコ 国際森林年」バイオマス国内クレジット活用しカーボンオフセットほか

こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
2011年最初のスクールビオトープメールマガジンです。
今年1年お付き合いよろしくお願いします。 今年は国際森林年となって
おり、国内外で色々な会議やイベントが催されることになっています。

昨年の生物多様性の国際会議に引き続き、日本では持続可能な森林の経営
や保全の重要性に対する認識を高める年に成ると思われます。

今月は、C.W.ニコルさんに国際森林年についてのコラムをお願いしま
した。
また、株式会社トンボとしてもこれまで以上に森に関わる年のスタートと
なります。今回は3つの話題をお届けします。




   もくじ【1】コラム C.W.ニコル氏 「ユネスコ 国際森林年」
         

  
      【2】バイオマス国内クレジット活用しカーボンオフセット
         


      【3】映画「森聞き」&森の聞き書き甲子園フォーラム近づく




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    【1】コラム「ユネスコ 国際森林年」C.W.ニコル氏
      
            
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今年2011年は国際森林年だ。
しかし、私が話した日本人は殆どこれを意識していない。 とてもわずか
な日本人しか森林を心配していないようだ。


日本は、国土の67%が木で覆われているにも拘らず、まだ大量の材木を
輸入していて、他国における貴重な森林の伐採を推進しているかのように
みえる。
日本は本来、木材の自給自足をすることができるし、すべきだと思う。
菅総理は、数年前、林業を研究するためにドイツを訪問した。
私は、彼からドイツは、林業やそれに関連する仕事に携わる人間が100万人
いると聞いた。
ドイツは日本とほぼ同じくらいの森林面積があるが、日本は、たったの5
万人。ドイツの1/20にも満たないし、現在も減り続けている。
 これは、林業の可能性を真剣に考えれば、100万人が雇用出来ることを証
明している。

また、日本には、訓練されて、ひたむきなフォレスターが必要だ。フォレ
スターとは、多角的な森林管理と経営が出来る人材のことだ。
それと、日本は2年毎かそれくらいで林野庁の官僚の配置を変る。 環境
省の国立公園担当の職員なども同じだ。 これはおかしいと思う。2年間
でいったい何ができるのだろう。殆どの他国では、フォレスターかレンジ
ャーが1つの森林や公園に彼らの人生をささげ、地域に貢献している。

日本の森林と河川には、すばらしく多様な生物がおり、中でも山菜や薬用
植物やキノコの資源が豊富だ。
日本人は昔から深くて賢明な知恵と持続可能な森林の利用の仕方をしてき
た。
しかしながら、田中角栄に始まる性急で、狂気で、そして、無駄な公共工
事の氾濫する時代以来、このすばらしい森林の知恵は無視され、山村地域
は翻弄され続けている。
私たちは森林の中と、そして、農林複合経営の中に、より国家の努力を捧
げるべきだと思う。
また、私たちは森林の多様性を回復するべきだ。
(森林は野生生物、河川、海および人類の健康も良くする)
森林と森林地帯は、すばらしい国家のリソースであるだけでなく、それら
は癒しと回復の場所だ。

最初にこの国に来た1962年以来、私は、ひたむきで、正直で、誠実で、勤
勉だった民族が、現在、世界で最も高い自殺率になり、また無感動な敗北
主義に陥り、貪欲でひとりよがりになってしまった最も不快な時代に直面
しているのを悲しい思いで見ている。

目を覚ませ、そして立ち上がれ日本。私は日本人であることを誇りに思っ
ている。そして、過去26年間、小さい里山を生き返らせるのに人生を捧
げている。

日本にはいかなる他の国より里山と森の使い方の知恵と伝統がある。
それは、現在無視され、浪費されているが、私は日本の未来は森林にある
と断言する。
今年が「国際森林年」であるならば、それが日本の森林復活の記念すべ
きスタートの年にして欲しい。
日本はアジアのエデンの園であると誇れるようになれるとあなたに約束する。
あなたは孫のためにそうしたいと思いませんか?

(財)C.W.ニコル・アファンの森財団理事長
C.W.ニコル 
Nagano, Japan.




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    【2】バイオマス国内クレジット活用しカーボンオフセット
          
  
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さる1月27日に政府が推進するCO2排出削減推進策の一環である国内
クレジット認証委員会で、株式会社トンボが同県内の自治体、真庭市より
国内クレジットを購入し、美咲工場のカーボンオフセットをする事が承認
されました。

弊社はスポーツウエアの主力工場である 岡山県の美咲工場で製造時に排
出する温室効果ガスについて、平成23年度からカーボンオフセットを実施
し「CO2排出ゼロ」を推進します。
これにより、美咲工場は温室効果ガス排出ゼロのカーボンフリーとなります。

この取り組みは、単にクレジット購入でなく、岡山県真庭市と、「バイオ
マスタウン真庭 推進パートナー企業」として契約を結び、真庭市が実施
する国内クレジット制度CO2排出削減事業の共同実施者となるものです。
また、自治体が直接の購入者を「公募」するという全国初の取組で、クレ
ジットの地産地消ということでも珍しい事例です。

この国内クレジット・プロジェクトは、岡山県真庭市役所における冷暖房
に使用する木質バイオマスボイラー導入(燃料が木質バイオマスチップ、
ペレット)によりCO2を排出削減し、国内クレジットを創出するもので
す。

弊社は、「バイオマスタウン真庭 推進パートナー企業」として本プロジ
ェクトのほか、真庭市の森づくりにも関わり、森の整備等を促進、環境学
習や社員研修福利厚生の場として森林を活用したプログラムを連携実施す
る予定です。

2月7日には、真庭市において、両社でこのプロジェクトの調印式とプレ
ス発表を行い、「未来につなぐ真庭の森づくり協定」としてプロジェクト
は立ち上がります。

地理的に考えると、旭川でつながる県南、県北の立地となります。
今後、互いの地域・事業に貢献する、人と人の交流、技術の交流や人と自
然の交流など幅広い交流を行なう予定です。
詳しいことはスクールビオトープメールマガジン2月号でもお報せします。




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   【3】映画「森聞き」&森の聞き書き甲子園フォーラム近づく
          
  
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前月にもご紹介しました映画「森聞き」が3月5日東京を皮切りに公開が
始まります。前回とは違う紹介を準備しました こちらをご覧下さい。
<a href="http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_weDF35.pdf&quot; target="_blank">http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_weDF35.pdf&lt;/a&gt;

また、予告編も公式サイトでご覧いただけます。こちらも是非ご覧下さい。
<a href="http://www.asiadocumentary.com/morikiki/&quot; target="_blank">http://www.asiadocumentary.com/morikiki/&lt;/a&gt;

3月27日には 東京両国にある 江戸東京博物館ホールにて、代表高校
生と「名人」が、成果の発表を行う 森の聞き書き甲子園フォーラムが開
催されます。 次月には詳細をお伝えできますので、ご都合のつかれる方
は是非ご参加下さい。


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