[発行日:2011.07.31] vol.81 株式会社トンボの森づくり始まる、トンボの森づくりに参加して 国際森林年 真庭市開催イベントの紹介

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┃     ┃ 株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2011.7.31━★


こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。

7月最後の日ですが、旧暦では文月(秋)に入りました。
西日本ではせみの鳴く時期が遅かったように感じられます。

温度も昨年と比べると低い日が多いように感じられますが皆さんの
お住まいの地域ではいかがですか?

前月ご報告した和綿栽培、夜盗虫も皆羽化しその影響は終了しましたが、
今度は周りの草との共生に苦慮する日々です。
1週間で棉の周りの草はあっというほど大きく成長します。

農薬で他の草や害虫を駆除することで草刈の手間が省かれ、収穫量も
確保できるという意味が良くわかります。本当に手間です。
少しの畑ですが、1時間半ほど草刈に時間を費やします。

しかし、生物多様性を考えるとオーガニックな農業は持続可能であるとも
感じる日々です。花も咲き始めました。


今回は、弊社のバイオマスクレジット協定に基づく森づくりのキックオフ
イベントの紹介と一緒に参加いただいたC.W.ニコル氏の感想、続いて真庭
市で行われた国際森林年のイベントの紹介3編です。



   もくじ【1】株式会社トンボの森づくり始まる

           
      【2】トンボの森づくりに参加して 
           C.W.ニコル氏
     

      【3】国際森林年 真庭市開催イベントの紹介



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        【1】株式会社トンボの森づくり始まる
      
            
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去る7月16日、株式会社トンボの森づくりのキックオフイベントを行い
森づくりを開始しました。

今年2月に同じ岡山県内真庭市と締結したのバイオマスク推進パートナー
協定は バイオマスクレジットの購入と共に森づくりも一緒に行うという
内容です。 いよいよ森づくりの第一歩が始まリました。

快晴の空の下、56人の社員が県北真庭市役所に集合し、バイオマスタウン
真庭について学びました。その後実際のクレジットを創出する市の冷暖房
ボイラーと木材集積地とバイオマスチップ製造現場を見学しました。

午後からは、弊社の環境アドバイザーとして契約をしているC.W.ニコル氏に
「アファンの森づくりに学ぶ森づくり」講演をしていただきました。
25年に渡る森づくりとその活用を知ることにより、社員の理解は広まった
様です。

次に、これから実際に活動することになる真庭市の津黒地区の森の活用の
変化について、津黒いきものふれあいの里 ささゆり館館長古屋さんに
古代のたたら鉄製造から、現代までの流れを解説していただきました。

トンボが飛び交う池の周りでトンボの解説を同館の自然観察専門員の渡部さ
んにお願いし、その後、5グループに別れ社員スタッフの先導の下、「森を
五感で感じよう」とウォークラリーを実施しました。

ヤマセミの巣穴を見たり、木の高さを測ったり、森の中の温度を図ったりし
て森の役割を再認識しました。また、炭焼き窯の解説や手入れをしない森と
手入れをした森でのいきもの違いを 生活とつながった森という視点での話
も聞かせていただきました。 
1チームは実際に笹刈を体験。初めて鎌を持って草刈を体験したという新入
社員も後半はかなりコツをつかんだようです。

今回はまず、森を知るところから始めました。これからいよいよ地元の方々
やさまざまな方々と連携した森づくりが始まります。

当日の模様はこちらよりどうぞ
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_x1WZaQ.pdf




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         【2】トンボの森づくりに参加して
              C.W.ニコル氏
          
  
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私たちは、友人である株式会社トンボ(の社員たち)とこの7月に
津黒高原 いきものふれあいの里(公園)や森でいくつかの非常に楽しい
時間を過ごした。

トンボの社員たちと森を一緒に回ったが、同公園のネイチャーセンター(
いきものふれあいの里ささゆり館)の館長(レンジャー)とトンボの解説
をしてくれたインタープリターのスタッフは、とても知識豊かで、フレン
ドリーだった。

そして、古代から現代に至るまでのこの地の森の変遷について素晴らしい
紹介をしてくれた。
いにしえの人は、生活のために木を切り、薪や炭などの必要な林産物を消
費した。
また、古代たたら鉄の製造には森から取った膨大な量の炭が必要であった
と。

それから、牛乳を摂るためにジャージ牛を輸入し、放牧のために広大な土
地が草地として利用された。
これらの牧草地が放棄されてから30から40年が経過した。

ここは今、津黒いきものふれあいの里という公園となっていて、小川が流
れ、たくさんの水辺のビオトープはいきものの生息地として機能し、植林
された木々は若い森林に育っている。


地元の渓流にはオオサンショウウオが棲みついていた。非常にユニークな
この生き物を、私が49年前に始めて渓流で見たときは少し驚き、怖くもあ
った。

そのときのオオサンショウウオは長さ1.4メートルくらい、おそらく年齢
は50歳に到達していたであろう。
オオサンショウウオは、夜行性なので、昼は水中の洞穴に隠れている。
外見は、穏やかそうにみえるが、それらの穴に腕をいれて捕まえようなんて
考えないほうが良い。小さな鋭い歯に噛みつかれ、大けがをするだろう。

翌日 、 子どもたちが、カエルを見たり、スケッチするのにトンボを捕まえ
たりと、楽しい時間を過ごした。
小川や池の回りで遊び、はしゃぐ子供たちを見ることは喜びだ。今では、
田舎でもめっったに見られなくなった光景だから。
特にあのような暑い、晴れた日には。




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       【3】国際森林年 真庭市開催イベントの紹介
          
  
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トンボの森づくりキックオフイベントの翌日に真庭市内3箇所で国際森林
年のイベントが開催されました。

国際森林年の日本のテーマは「森を歩く、次世代への継承」です。
「市民と森林をつなぐ国際森林年の集い in 岡山県真庭市」として特に
次世代につなぐ森づくりをテーマにしたイベントが開かれを実施、弊社も
後援をさせていただきました。

午前中は 津黒いきものふれあいの里でトンボのスケッチ会が開催され
弊社が協賛するトンボ絵画コンクールの環境大臣賞、文部科学大臣賞の
優秀作品を展示。参加者の方への情報提供を行いました。
前日に引き続き自然観察専門員野渡部さんがトンボの潜んでいそうな場所
の見つけ方などを解説、40名の子供たちは思い思いにトンボを取り、じ
っくり観察しながら絵を描いていました。
トンボスケッチ会の模様はこちらからどうぞ
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_8GKF6l.pdf


並行して一般の方々を対象に真庭観光連盟によるバイオマスツアーが開催
され、前日と同じように真庭市役所やバイオマス集積基地の見学が行われ
ました。

真庭市南西部の北房文化センターホールでは、午前中 聞き書き甲子園の
映画「森聞き」が上映されました。
同会場で14時からはメインイベントであるシンポジウムが「次世代へ
の継承―森林循環のバイオマス利活用と多様な主体による森づくり」

をテーマにキーノートスピーチ、司会進行を樹木環境ネットワーク協会
理事長の澁澤寿一氏、コメンテーターにC.W.ニコル氏を迎え行われまし
た。

キーノートスピーチで渋澤氏は3.11の震災を振り返り、東京では交
通機関がストップ。コンビからモノが一斉になくなり、お金があってモノ
が買えない状況は多くの人が初めて経験。
世界で一番通じるのは「金」と思ってきた。しかし、そうではなかった。
一極集中から分散型社会へこれからの社会構造が変容していくきっかけと
なるのではないかと語られました。

一方過疎や高齢化の問題などを抱える中山間地域には「森と共にあった
日本の暮らし」が今でもある。化石燃料を使うので日本人は森から離れ
たが、源流から集落は始まった。かつては衣食住すべてを森が与えて
くれた。
木を毎年植林することが「作法だから」と先祖は木を植え続けた。
山と森は次の世代に引き継ぐ財産である。

15年前から真庭の将来を考える活動が始まった。「大人になっても真
庭に住みたい。子供たちの笑顔を自然と付き合いながら大きくなる」が原
点の思いだった。
1997年 真庭人の一日をまとめ、2010年のことを当時考えた。
そして今、90%が実現できた。完成系ではないが、人が育っている。
バイオマスを徹底的に使おうと行動し始めた。

奈良県吉野のスギ樽材を作る山では250年 8,9世代が森は大切と引
き継いできた。森をいかに継承してい行くか。

   ◇       ◇        ◇       ◇

その後、4組の登壇段者があり、地元真庭市 勝山高校の生徒さん達に
よるバイオマスタウン真庭の紹介と学校でのバイオマス木片コンクリー
トの導入、地元の小学校での出前授業の模様の紹介がありました。
 
続いて、15年前から 地元勝山の町並みをデザイン、各家それぞれの
軒先ににのれんを下げる活動でまち興しに成功された染色家 加納容子
さんの活動が紹介されました。

地元の木を使った染色は「木から力をいただく。エネルギーをいただく」
ことという言葉が印象的でした。のれんを店に掲げたことでお客さんと
のコミュニケーションが取りやすくなり、町自体の雰囲気が変わり、多く
の人が訪れる変化に繋がりました。

後半の登壇者は、お隣 鳥取県智頭町で林地残材と地域通貨と地元商店街
の活性を組み合わせた新しい経済を生み出している丹羽健治さんと広島県
西条で酒作りを営む前垣 壽男さんの2組。除伐、山の手入れで保水力ア
ップ。地下水が増えるとおいしいお酒ができるとのお話がありました。

C.W.ニコルさんからは高校生に対して、あなたたちの街は世界の先端を
行っている。自信を持って欲しいとのエールが送られました。

シンポジウムの模様はこちらからどうぞ
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_kgkmIY.pdf


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