[発行日:2010.11.30] vol.73 トンボ絵画コンクール表彰式、中学校での里山授業、アサザの状況

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┃     ┃ 株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2010.11.29━★


こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
短い秋が過ぎて、冬支度の今日この頃です。冬は落葉で光合成が減るので
CO2が増える時期ですね。

今回は、弊社トンボが支援する事業の現況についてお伝えします。


   もくじ      
           
      【1】第25回WE LOVE トンボ絵画コンクール表彰式
            
      【2】中学校での里山授業始まる(板橋区立 桜川中学)

      【3】今年のアサザとお花見状況 NPO法人アサザ基金 
       
      【4】12/9〜11 エコプロダクツ展に出展します。 
 



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     【1】第25回WE LOVE トンボ絵画コンクール表彰式
                 
            
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先月ご紹介した WE LOVE トンボ絵画コンクール(朝日新聞、朝日学生
新聞主催、潟gンボ協賛)の表彰式が朝日新聞社にて11月20日に開催
され、全国から受賞者の皆様が集われました。

表彰式の模様をご紹介します。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_AyyD4O.pdf

また、受賞作品はこちらからご覧下さい。
http://www.tombow.gr.jp/eco_project/kaiga/index.html



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   【2】中学校での里山授業始まる(板橋区立 桜川中学) 
                 
            
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これまでに何度もご紹介してきた 桜川中学里山授業。今年度から2つの
変化があります。

一つは、授業が学校としての総合学習プログラムに位置づけされたこと。
これまでは、学年ごとの取り組みでしたが、これまでの授業の成果を学校
として検討した結果、継続的な学習が生徒の人間形成や環境意識の向上に
役立つと判断されたためです。残念ながら授業時間は減りましたがその分
特色のある学校の教育が確立したことになります。

もう一つは、潟gンボとして少しではありますが、この授業に協賛をさせ
ていただくことです。これまで人的な支援をしてきましたが、学校の環境
学習プログラムとして内容をさらに充実させ、様々な学校でも取り組んで
いただけるようにするためです。企業の社会貢献活動の強化の視点です。

お金を入れてボタンを押せば何でも手に入る時代に生まれた生徒達。彼ら
が今後地下資源が枯渇する時代に大人として生きるのにどうすればよいか
を過去の日本の伝統的な生活を知り、気づきや行動につながるきっかけを
提供しようとするものです。

学校の通常のカリキュラムではできない部分をNPO法人樹木環境ネットワークが
中心となり、会員やサポーターと一緒に伝えます。

1年生の秋に2回、2年生の春に2回の計4回の授業を行ないます。
フィールドワークがそれぞれ1回、学校での学習が2回の構成です。

今回は11月9日に行なわれた第1回の授業の模様をご紹介します。

・里山についての講義(パワーポイント)
里山がどのような場所か。里山での人々の生活と野生生物の関係。里山の
現状と減少してしまった原因を簡潔に説明しました。

・4つの年代(S4, S32, S48, H11)の地図を用いたワークショップをク
ラスごとにそれぞれ異なる年代の地図を、要素(田んぼ、林、家など)毎
に色分けして塗り、各年代を比較することで時代の移り変わりを視覚的に
とらえました。

・幼い頃、それぞれ違う地域、環境の里山で生活をしていた4名の樹木環
境ネットワーク会員がパネラーとなりパネルディスカッションを行ないました。
各々感じてきた里山での生活や現代との違い、里山の減少について語って
もらいました。

土地利用の変化を、学生も自分自身も視覚から理解できてよかった。
学生と会話しながら進めることができたので、お互いに気づきがあってお
もしろかった。学生は、つなぎ合わせた地図を見て、達成感を得たようだ
った。という声が上がりました。

パネルディスカッションでは、熱心に聞いている子はメモも取っていまし
たが中にはおしゃべりをしている子もいました。全体として見ると真面目
に聞いてくれ、興味があることになると、しっかり聞いていました。

先生方も初めて聞かれることもあり、里山授業の価値を理解いただけたよ
うです。トンボとしても教育に貢献できることは嬉しいです。
12月のフィールドワークが楽しみです。
授業の模様はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_ffPVkv.pdf




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     【3】今年のアサザとお花見状況 NPO法人アサザ基金 
                 
           
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霞ヶ浦は日本で2番目に大きな湖で、その面積は茨城県の実に約35%を占め
ます。そんな霞ヶ浦の湖岸に生育するアサザは、水面に葉を浮かべる水生
植物で、8月下旬頃から次々と黄色い花を咲かせます。大きな群落では、水
面に黄色いじゅうたんを敷きつめたように揺らめく花の様子を見ることが
でき、私たちを楽しませてくれます。

そんな秋の風物詩であるアサザは今、絶滅の危機に瀕しています。
本来、霞ヶ浦の水位は冬に低く、夏に高くなります。アサザは冬の間に陸
に流れ着いたタネが春に芽を出し、水位が高くなるにつれて茎を伸ばして
成長するという、水位の変化に合った生活史をもっています。

しかし1996年から2000年の間、霞ヶ浦では国交省によって冬の水位を人為
的に高くするという自然とは正反対の管理が行われました。その結果、ア
サザの群落面積は10分の1にまで激減してしまったのです。この事態を受け、
アサザ基金では水位上昇の中止を申し入れ、2000年から約4年間水位上昇は
中断されました。その間に官民一体となった自然再生事業が行われ、アサザ
などの再生が実現、群落面積は回復傾向をみせはじめました。

ところが2003年から国交省の姿勢が変わり、2006年には水位上昇がほぼ再開
されました。アサザは水位上昇管理の再開にあわせるように再び減少しはじ
め、現在、人の手による保全活動なしでは絶滅が避けられない危機的な状況
となっています。

アサザを絶滅から守るため、現在アサザ基金では霞ヶ浦流域の小中学校や企
業の方々がアサザを学校や職場で育て、湖に植えつける取り組みを行なって
います。これまでに湖に入って活動した子供たちはのべ1万人を越えました。
また「アサザの里親制度」を設けており、霞ヶ浦流域在住の方を中心に里親
を希望される方へアサザの苗を無料でお分けし、ご家庭で育てていただいて
います。里親さんは随時募集中です。ぜひみんなでアサザを育て、夏に湖に
植付けに行きましょう!

また、毎年アサザの開花時期になると貸切バスでのお花見会も開催していま
す。今年は霞ヶ浦周辺の住民の方やはるばる横浜方面から来てくださった方
など計23名の参加がありました。
実は昨年は花の咲きが悪くお花見会は中止となったのですが、今年は蕾のつ
きも良く、10月11日に暑さを感じるほどの秋晴れの中でお花見をすることが
できました。お花見の場所は、最も多くの花をつけた木原(美浦村)と、霞
ヶ浦で最大の群落である麻生(行方市)です。

木原の群落は、1999年に植付けたアサザが広がったものです。お花見会当日
は花の最盛期は過ぎていたものの、湖岸一面に広がるお花畑が楽しめました。
参加者の中には「テレビでアサザの花畑が紹介されていて、是非自分の目で
見たいと思った。美しい花を見られて感動した」との感想もありました。

一方、麻生は以前からあったアサザが比較的よく残っている群落で、これま
で植付け等は行っていません。アサザは湖岸と少し沖とにわかれて生育して
おり、沖では満開でしたが近づいて見られる湖岸の花はまばらでした。水位
上昇管理が行なわれる以前は麻生のほかにも大きな群落が数箇所ありました
が、現在ではすっかり見られなくなってしまったのは残念なことです。

アサザのお花見のほかにも、湖の生きもの観察や自然再生地区の見学も行い
ました。さらに里親を希望された参加者の方には、早速苗を持ち帰っていた
だきました。ぜひ元気な苗に育てていただき、来年の植付け会やお花見会に
も参加してもらえたらと思っています。

これまでアサザについて述べてきましたが、アサザは湖の生態系の一員です。
アサザが危機的な状況にあるということは、アサザ以外にもヨシなどの水生
植物、エビや魚などの水生動物、トンボのような昆虫類など、自然のリズム
の中で生活している多くの生きものも同様に大きな影響を受けていることが
考えられます。私たちはアサザを通して湖全体の生態系の変化を把握し、湖
の生態系保全や再生活動につなげていきたいと考えています。

アサザの開花状況です。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_o7giBb.pdf



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     【4】12/9〜11 エコプロダクツ展に出展します。
                 
           
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今年で、第12回目を迎える エコプロダクツ展。 開催場所は例年通り
東京ビッグサイトです。今年も750を超える団体が出展します。

弊社は東2ホールの036 に3コマブース出展を行ないます。
ユニフォームはエコという観点での商品展示のほか、トンボクイズで環境
トンボのことを楽しく学んでいただきます。

また、制服の残り布を使ったマイ箸袋づくりのワークショップを開催、短
時間で誰でも製作できます。

エコプロダクツ展に足をお運びの際は是非弊社ブースへもお立ち寄り下さ
い。
エコプロダクツ展は事前登録をお薦めします。
http://eco-pro.com/eco2010/


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