[発行日:2009.08.27] vol.58 トンボスケッチ大会開催ほか1件

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┃     ┃ 株式会社トンボ 環境事業企画室
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2009.8. 31 ━★


こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
各地で学校が始まると同時に新型インフルエンザが流行の兆しをみせてい
るとのこと。ワクチンが現在では、間に合わないとのことで、自己防衛が
望まれるところです。91年前に世界的に大流行し、人類の1/3が感染
し、世界人口の2.7%が亡くなったスペイン風邪の再来が懸念されます。
人間だけが特別な存在ではない、私達も地球上の1生物だと感じざるを得
ません。季節の変わり目でもあります。体調管理にはくれぐれも気をつけ
たいものです。



   もくじ【1】瀬戸内 白石島で漂着ゴミを考える
            岡山県立矢掛高校 
      
      【2】トンボスケッチ大会開催
         茨城県 牛久市立神谷小学校
   
              
            

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        【1】瀬戸内 白石島で漂着ゴミを考える
              岡山県立矢掛高校   

  
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3年前から始まった岡山県立矢掛高校のESD教育プログラム
ESDとは、社会の課題と身近な暮らしを結びつけ、新たな価値観や行動
を生み出すことを目指す学習や活動で、エデュケーション フォ サステ
ィナブル ディベロップメントの略です。

52号、53号でご紹介した同校の活動もこの一環として行なわれていま
す。

岡山大学と連携しているESD教育の白石島での体験学習。
今年も、島の生活の過去と今を知り、それぞれが課題をみつけ、自分が行
動するテーマを設定しようと希望する約40人の矢掛高生が参加しました。

白石島は、岡山県の最西端笠岡市に属し瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島の一島
です。笠岡港からは船で約40分の距離です。
かつては、御影石と除虫菊、綿織物、瀬戸内海航路の風町の場所として栄
えた島です。いまでは、漁業、観光が島の経済を支えています。

丁度瀬戸内海の真ん中付近に位置する島で、瀬戸内海のゴミが流れ着く島
でもあります。矢掛高校は位置的には笠岡市の北東部にあり、近くを流れ
る小田川が高梁川に注ぎ、高梁川の水が南下し瀬戸内海に注いでいます。
矢掛高校と白石島の位置関係はこちらをどうぞ

矢掛高校と白石島の位置
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_lnk/5-20090827173313-1_1.pdf




昨年、この学習に参加した生徒が、漂着ゴミと地元小田川のゴミの割合が
同じであることに着目し、地元の川のゴミを減らし、小田川に棲むスイゲ
ンゼニタナゴの生息域をまもろうと「オリジナルマイバッグ」を町内で広
めたいと考えていた時に、制服の残り布を提供している弊社と出会ったの
でした。 昨年の研究成果はこちらからどうぞ

環境演習の成果発表
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_lnk/5-20090827173313-2_1.pdf




<公民館館長 白石島を紹介>
島の人口は670名。65歳以上が人口の58%元気な年寄りが多い島と
いうくだりから始まり、生活のインフラ、産業、世代別人口構成、医療な
ど幅広く、紹介をされました。白石島の由来は、白い花崗岩の巨岩が連な
り山肌が白く見えたところからきているそうです。

<伝統的島の生活様式を学ぶ>
岡山大学院生 伊藤 乃理子は白石島のESDプログラムに関わって3年
目。文字通りこのプログラムを支えてきた人です。伊藤さんから生徒達は、
昔から続く重要無形文化財「白石踊り」と生活の関わりについて説明を受
けました。

かつて島の生活廃水は貯水池で有機物を沈殿させてから海に流していまし
た。1年に1回、お盆の大潮の日に貯水層に溜まった泥を浚渫し畑の肥料
として戻していました。
これは地域の村人総出で行なうほど肉体的につらい仕事でした。これを午
前に行い、その夜は村民の楽しみである白石踊りを踊って、苦労を忘れる
とともに若い男女の出会いの場にしたそうです。
それが、高齢化と過疎化によって浚渫ができなくなっていると。

< 漂着ゴミについて学び、体験する >
午後からは、漂着ゴミの現状を知るために、シーカヤックで島の裏側へ出
かけました。とはいっても、皆始めての体験。男女ペアで2人乗りのカヤ
ックに挑戦です。指導は地元のインストラクター原田さん。
漕ぎ方を少し習った後は実地体験。それはみな必死な形相でがんばりまし
た。 かくいう私も初体験。カメラを濡らさない様に気をつけへとへとに
なりながら約1km強をなんとか漕ぎきりました。

< ゴミを見つめ、集め、考える >
一服後、いよいよゴミの解説です。瀬戸内海の丁度真ん中付近にある白石
島は東西両方からゴミが流れてくるとのこと。
「どこから、誰が、どんな生活をしていたかを想像しながらゴミを集めて
みよう、そしてゴミになったつもりで、ストーリーを考えてみよう」と
いうことで15分間集めてみました。
ペットボトル、飲料の瓶、缶は普通。カセットボンベの缶もありました。
電球やゴザ、発泡スチロールの保冷箱も流れ着いていました。

一人一人が想像力を働かせて発表です。漁師が捨てた釣り針という設定も
有りましたし、浜辺で飲んだ飲料をそのまま放置したと推測した生徒もい 
ました。それぞれに、ゴミの危険性、処理の大変さなどを感じたようです。


元の浜辺にもどり、海水浴場の砂浜の清掃。乾燥したアマモや海藻類を穴
を掘って埋めていきました。指導された室先生はさすがにバレーボール部
顧問。強靭な体力で20以上の穴を掘り、生徒がそこに埋めて行きました。

その夜は、きれいになった浜辺で白石踊りを体験し、翌日は遊歩道の整備
を実施しました。短い時間ではありましたが、生徒達の胸にはさまざまな
想いがめぐり募ったと思います。2学期に入り、環境演習の中でどのよう
に今回の経験が生かされるか楽しみです。
当日の活動の様子はこちらからどうぞ

矢掛高校白石島研修
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_lnk/5-20090827173313-3_1.pdf




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        【2】トンボスケッチ大会開催
           茨城県 牛久市立神谷小学校
          
  
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弊社が協賛するWe Love トンボ絵画コンクールは今年で24回目
を迎えます。(主催は朝日新聞社、朝日学生新聞社)
今全国各地でトンボの絵が描かれている頃だと思います。

今回は、学校傍の荒れた谷津田を再生したビオトープで行なわれたトンボ
スケッチ大会の模様をお届けします。

今回の指導をしてくださったのは、同校のビオトープ作りを指導したNP
O法人アサザ基金の皆さん。地元企業の茨城トンボ株式会社からの差し入
れなどの支援もあり、充実したスケッチ大会が開催されました。

今回ご報告いただいたのは、同基金の向山さんと小林さんです。それで
は報告記をどうぞ


茨城県牛久市立神谷小学校の東側にある『カワセミの里』にて、そばに
ある神谷小学校と牛久第一中学校に通う子どもたちが一緒になってトンボ
を捕まえ、スケッチを行ないました。
今日スケッチしたトンボの絵は株式会社トンボ様の『WE LOVEトンボ絵画
コンクールに出品します。

スケッチ会で一番多く見られたのはシオカラトンボです。明るい草原で餌
をとり、水面に卵を産みます。
その他には水草が適度に茂る池や田んぼを好むショウジョウトンボ、森に
囲まれた湿地や池を好み、水面に卵を産むオオシオカラトンボ、明るくて
広い水辺を好むギンヤンマ、水田や林緑を好むナツアカネが見られました。
どのトンボも数年前、この場所では見られなかったトンボです。

実は『カワセミの里』は元々荒れた谷津田でした。
『谷津田』とは細く枝別れした谷間に作られた田んぼのことです。
谷津田のまわりの森からはきれいな水が湧いて、谷津田に集まってきます。 
その湧き水を使って、昔から谷津田ではお米作りが行なわれていました。
人と生きものが一緒に暮らしていた場所、それが谷津田です。谷津田に湧
き出た水は霞ケ浦へと流れていきます。
つまり、霞ケ浦の大切な水源でもあるのです。
しかし、人々の暮らしの変化によって流域に千あるといわれる谷津田のほ
とんどが荒れ果てています。神谷小学校東側の谷津田も同様でした。

その谷津田を元の田んぼに復活させたのは2005年、当時4年生の神谷小学
校の子どもたちです。
総合学習の時間に生きものの「体のつくり・くらし・すみか」をよく知り、
いきものの立場に立つことを学びました。
すると、神谷小学校の東側の荒地が霞ケ浦に続く「いきものの道」である
事に気づきました。

その後、調査や話し合いを繰り返し、生きものと人が共に暮らせるまちづ
くりとして、谷津田の再生を市長さんに提案しました。
2006年、5年生になった子供達は提案の実現に向けて、自分たちで測
量し、図面を作り、何度も検討しあいました。
提案がまとまると市役所や地域の人たちに説明と協力を呼びかけました。
そして自分たちの手でスコップを持ち、土を掘り、小川から水を引き、田
んぼを再生させました。

現在は後輩たちが地域の人々と協力しながら、カワセミの里をますます良
くしてくれています。
そして子供たちが実現させた、生きものと共生するまちづくりとして多方
面から注目を集めています。

今回、小学校2年生から中学校1年生までの子供たちが参加してくれまし
た。同じ神谷小学校の在校生と卒業生です。
谷津田を再生させた子供たちから、谷津田を受け継いでいく子どもたちへ、
谷津田に戻ってきたトンボを通じて楽しい夏のひと時を共有できたのでは
ないでしょうか?
当日の模様や谷津田の画像はこちらからどうぞ

牛久市でのトンボスケッチ大会
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_lnk/5-20090827173313-4_1.pdf




あちこちで、トンボのスケッチ大会が開催され、トンボが飛び交う意味を
多くの児童、生徒達にそして、保護者の世代に伝えられるようになりたい
と思う昨今です。



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