[発行日:2012.02.29] vol.88 第7回 全国学校・園庭ビオトープコンクール2011発表会 ご報告

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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2012.2.29━★




こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。

暦の上では春を迎えており、時には春めく気配も感じられますが、まだ
まだ寒い日が続いています。

明日は高校の卒業式が各地で行われ、いよいよ別れ、旅立の季節が巡っ
て来ました。

忘れられない日となった3月11日もまもなくやって来ます。
この1年は鎮魂と復興に向けた1年であったようにも思います。

電気についても安心・安全、持続可能というキーワードはこの1年で重要
さが増したように思います。
縫製業である弊社にとって、一番多く消費するエネルギー電気です。
間もなく、日本の原発の稼動が全てストップします。電気需要は賄えるの
でしょうか? それぞれの立場で考え行動すべき時が来たようです。

ビオトープと電気一見関係がないように感じますが、そこには大きな
関わりがあるような気がします。

今回は、全国学校・園庭ビオトープコンクール発表会の模様をご報告します。



   もくじ【1】第7回 全国学校・園庭ビオトープコンクール
                    2011発表会 ご報告

      


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    【1】全国学校・園庭ビオトープコンクール
                   2011発表会 ご報告
         
            
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第7回目を数えた「全国学校・園庭ビオトープコンクール」は開始以来
14年目を迎えました。去る2月12日に秋篠宮殿下ご夫妻も御出でに
なり、東京で 2011発表会が開催されました。


当日は、上位5賞受賞校の取組発表と日本生態系協会賞受賞学校による
ポスター発表が行われ400人近くの方々が集まりました。


来賓からは、異口同音に持続可能な社会の形成と生物多様性の大切さが
語られ、幼少年代から知識と共に普段からの自然とのふれあいが大事で
あり、ビオトープとの付き合いは日常的な自然に触れる機会、豊かな感性
を磨く空間となるとの挨拶がありました。

上位5賞の発表内容を簡単にお伝えします。
なお、3月1日より 財団法人日本生態系協会のホームページで発表の
動画をご覧いただくことが出来ます。

●文部科学大臣賞    尼崎市立 七松小学校(兵庫県)

平成8年から始まったビオトープ。トンボ池を作り、11年には新しい
「森のオアシス」と呼ぶビオトープを追加造成。

その後、高学年を中心とした「オアシスレンジャー」を組織し、下級生
を指導しながらビオトープの維持管理、運用を行っています。

オアシスレンジャーのバッジ贈呈式は児童にとって誇りのある特別なもの
となっています。各学年はそれぞれビオトープと関わる授業を展開して
おり、低学年はリース作りやビンゴ遊びなどを実施。5年生で稲作も経験
しながら、体験的にビオトープの管理や生き物と生息環境について学びを
深めています。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_d22a8F.pdf


●環境大臣賞      豊田市立 寿恵野小学校(愛知県)

平成6年にビオトープを造成、その後、水路や水車を追加し、イキイキラ
ンドという名称で活用。ビオトープ管理士資格を取得した林先生や地域の
ビオトープ管理士の指導の元4〜6年生を対象にしたビオトープ部を設立
し、管理に当っています。

3年前からは、池の泥上げや水路の補修などを行い、生き物の住みやすい
ビオトープへの改修を自分達の手で行っています。その他、ビオトープに
訪れる生き物調査、そして研究発表も行ない、地域の自然の学習にも取り
組み、干潟を訪れたり、外来種のセイタカアワダチソウの駆除を行ったり
しています。
絶滅危惧種のホトケドジョウの保護にも取り組み、どんぐりを染料に使っ
た染色にも挑戦、目指すは縄文人が暮らした頃の森の復元と活動を続けて
います。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_WPqYWb.pdf


●国土交通大臣賞 学校法人奈良学園 奈良学園中学校高等学校(奈良県)

「学校全部がビオトープ」という発表をした奈良学園は昔の里山と新興住
宅地にまたがる13haの広い敷地を持った学校です。
中高一貫教育の6年間ビオトープを活用した教育が行われ、進学面だけで
ない里地里山での現場実習を含めた教育が行われています。和歌山大学の
教授や、地域のビオトープ管理士などの指導の下学習を進めており、中学
生は一人1本のシイタケのホダ木を持っています。

高校生では、棚田での稲作や萌芽更新の剪定作業やコンクリート水路の自
然改修なども行っています。成果はオニヤンマやゲンジボタルの個体数の
増加や県の絶滅危惧種9種の回帰出現という形で確実に現れています。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_1ZoPLH.pdf


●ドイツ大使館賞    富田林市立 青葉丘幼稚園(大阪府)

市立の幼稚園としてビオトープを活用している同幼稚園。
平成14年に初代の池を造成、近くの寺院の池と共に園児達が心豊かに逞
しく育つようにビオトープを活用しています。
園児達は、日常的に、昆虫と触れ合い、観察を通して生き物の命の大切さ
やいのちの変化や世代交代などを楽しく学んでいます。

観察し、遊戯や絵画で表現することで、相手の気持ちになったり、思いや
ったりする心が育っています。
ビオトープ改修の際には、観察や思いが、行動へと発展し、何をすべきか
の提案と具体的行動へと結びついています。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_YzGJAd.pdf


●日本生態系協会会長賞 福岡工業大学(福岡県)

「ビオトープネットワーク交流とパートナーシップ」というテーマで発表
した同大学ビオトープ研究会は、平成17年に社会環境学部の研究会とし
てスタートしました。現在は12名が坂井教授指導の下、キャンパス内の
ビオトープ作りや周辺地域の里山で自然と密着した生活や生き物の調査や
活動を通して理解を深めています。

自分達の調査活動はもとより、専門家を招いての勉強会、大学内外での自
然観察会を実施しています。これは、「緑の回廊」という視点がベースと
なっており、大学、駅地域を結びつける貴重な体験会にもなっています。
一例を挙げれば、クズで籠を作ったり、野草を食べていのちをいただく事
を実感するなどです。
延べ500人を超える方が参加しています。ビオトープシンポジウムも開
催、地域の他に行政や、ビオトープ管理士、NGOとも連携を図っています。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_bg0GpJ.pdf


発表会・交流会の全体模様はこちら財団法人日本生態系協会のページより
ご覧下さい。
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/activity/biocon/2011happyoukai.html

日本生態系協会賞受賞学校のポスター展示は、こちらから
 企業バナーをクリックしてご覧いただけます。
http://www.ecosys.or.jp/eco-japan/activity/biocon/index.html

ビオトープコンクールが始まり、14年経過しました。参加校の学習や実践
のレベルはだんだんと高いものになっています。結果、人材も育ってきたと
いえるのではないでしょうか。

弊社がビオトープコンクールを支援して14年になりますが、
学校と地域、保護者、専門家(ビオトープ管理士含む)さらには、NPO・
NGOと企業との結びつきが、継続的かつ体系的なビオトープ活動になると
確信した発表会でした。

今後、優秀校の取材をしてその取組内容発信を発信していく予定です。


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