[発行日:2012.01.30] vol.87 C.W.ニコル氏コラム 「3月11日後の日本で今、何が今起きているのか?そして、何をするべきか?」他

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┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室   
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2012.1 .30━★




こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。

2012年最初のメールマガジンです。
昨年発生した、東日本大震災から10ヶ月が経ち、まもなく1年を迎えよ
うとしています。

夏に続き、この冬も寒さ対策と省エネ対策を多く方が取り組んでおられ
ることと思います。
ウォームビズがこれほど真剣に考えられ、個人レベルで実施された年も
初めてではないでしょうか?

つい50年ほど前までは、冬の暖房と言えば、火鉢、コタツなどで燃料
は炭、練炭、豆炭などでした。それから電気コタツや灯油を使ったスト
ーブに中心がシフトして行きました。体を温めるのに一番の風呂は薪を
燃やしていました。子どもの頃に風呂の焚き付けをよくやってた記憶が
あります。今で言うなら「バイオマス」を使った暖房ですね。

当時は、炭を使うだけに一酸化炭素中毒での死亡事故が結構報道されて
いた記憶があります。

みなさんは今、暖房器具は何をお使いでしょうか?
電気や灯油を使われている方が多いと思います。 
薪や炭を使うという方は少ないのではないでしょうか?

バイオマス利用から電気や石油への暖房のシフトは、日本国土の変化に
つながっています。

今回は、C.W.ニコル氏のコラムと弊社が実施しているバイオマス(木材)
資源を利用したカーボンオフセット(CO2の埋め合わせ)について情報
提供させていただきます。



   もくじ【1】コラム C.W.ニコル氏
         3月11日後の日本で今、何が今起きているのか?
  そして、何をするべきか?
           
      【2】バイオマスを利用したカーボンオフセットについて
         の皆さんの評価について


      

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     【1】コラム C.W.ニコル氏
        3月11日後の日本で今、何が今起きているのか?
        そして、何をするべきか?
         
            
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3月11日のすさまじい地震と津波の悲劇に続いて起きた福島第一原発の破
綻は私たちすべての目を覚まさせたように思われた。

私は常に地震と津波が多発すると知られている土地での原子力発電所の建
築、稼動についての危惧をずっと抱いていたが、1995年に日本国籍を取得
するまでは犬の遠吠えのようなものだった。

今、私がはっきり言えるのは、原子力発電は、あまりにも危険で、莫大な
コストがかかるエネルギーであり、千年に渡り、死に至らしめ、毒性の強
い環境を作る廃棄物が生成されるということだ。

振り返ると昨年 2011年は国際森林年の年であり、私は、日本の委員会の
メンバーの一人だった。とてもたくさん良い事が言われ、合意もされたが、
震災の影響もあり、変化は非常に小さいものだった。

国土は67%も木々で覆われているのに、日本の人々、特に若い世代は森の
ことを考えたり、感じたりすることから完全に離れているといっても良い。
私にとっては信じがたいが、多くの若い日本人はすべての木が同じである
と思っている、そして それが現実だ!


 長野県は私を県で最初の"森の大使"に任命している。私は光栄であった
が、それ以 上に自分が何をすべきかを迷った。長野県の総森林面積に国
内で、北海道及び岩手に続いて第3位、そして長野県の80%が木々に覆わ
れている。
これにもかかわらず、木材生産額は19位。つまり、林業はすたれ、放置
されている人工林が多いということだ。

2012年の今年、リオサミットから20年が経つが、あの会議では、日本
と他の多くの国が生物多様性を守り、地球環境の持続可能な利用を行う
ための条約に調印をした。

しかし、無用な公共工事は続けられ、ほぼすべてその時の約束は破られ
た。
また、地殻や気候の変動による想像を絶する規模の災害は今後も避けら
れないように見える。

干ばつ、ひどい洪水、海面上昇、木を殺す病気の蔓延、巨大なハリケー
ンや竜巻により 急激な漁獲高の減少や無数の他の苦境が広がるだろう。
しかし、殆どの人は単に自分 自身の生活についてだけしか考えていない。

日本は、あの震災を糧にして、国中が、目を覚まし、悪癖を振り払い、
漁業、農業と林業を、復活させ持続可能にして、保護するだけでなく、こ
の島国の生物多様性を改善する方法を真剣に実行する必要がある。

自然の不思議に興味を持たないような卒業生が多く生み出される教育シス
テムがあるのなら、我々は完全にそのシステムを再考する必要がある。
私はまだ日本人であることを非常に誇りに思うが、日本の政治家と官
僚の馬鹿げた論争は恥ずかしい。

それについて何をするか?私は手がかりを持っていないが、明日もまた、
森に入り手入れをしているだろう。

C. W.ニコル





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    【2】バイオマスを利用したカーボンオフセットについて
         の皆さんの評価について
      
            
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前号でもご紹介しましたが、12月に東京ビッグサイトで開催された第13回
エコプロダクツ展で弊社はブースに来場してくださった皆さんにカラーボ
ールによるアンケート投票を実施しました。

今回はそのうち「カーボンオフセット」の投票について情報提供させてい
ただきます。

弊社は昨年、岡山県真庭市と「バイオマス推進パートナーシップ協定」を
締結しました。その内容は、真庭市内の木材チップやペレットをエネルギ
ーとして、真庭市役所の冷暖房を実施(発電でなく、熱交換)、そのボイ
ラーから発生するCO2削減クレジットを購入し、トンボのスポーツウエアの
主力工場 美咲工場から発生する全てのCO2の埋め合わせに使用し、CO2排出
ゼロのカーボンオフセットを実施するというものです。

真庭市でこれまで切り捨てられていた木材をチップとして活用したり、市内
の製材会社が切りくずから作るペレットを使ってボイラーを動かします。

この取り組みは単に、お金でクレジットを買うだけでなく、社員自らが真庭
市の森に入り、森林整備などの体験を地元の方々と一緒に行うことで、真庭
市内の森を持続可能な森にすると共に結果的に生物多様性の面でも貢献しよ
うとするものです。


カーボンオフセット(埋め合わせ)は自主的な取り組みで、自ら排出する
CO2に責任を持つものです。

この耳慣れない「カーボンオフセット」についてどれくらいの方が支持され
た? 結果は既に画像で確認いただいているト思いますが
投票数は 支持:540票ほど、不支持45票ほどで92%が支持するでし
た。

今月に入り茨城県 水戸市において生涯学習センター主催のイベントが開催
され、「カーボンオフセット」について皆さんのご意見を聞く機会がありま
した。
そこでの投票結果は、支持:185票ほど、不支持30票ほどで86%の方
が支持してくださいました。
2つの結果を合わせると90%近くの方がカーボンオフセットを支持して下
さっています。

今回のコラムでC.W.ニコル氏がかかれていますが、森には素晴らしいポテン
シャルがあります。
日本人がずっと暮らしてきたライフスタイルの中心に森がありました。私た
ちが森から離れたのは戦後50年ほどです。それまで2千年以上、自然を循
環させることで暮らしを営んできました。

カーボンオフセットを実施するのに太陽光発電、風力などのエネルギーもあ
りますが、森からの恵みを今一度認識し、活用することで自然の循環、経済
などをまわすことも企業の一つの役割であるのではないかと考えます。

2回のカーボンオフセットの投票の結果はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_NyM7oU.pdf

皆さんもよろしかったら意思表示をお願いします。
こちらから、投票していただけます。
URL : http://enq-maker.com/6n2u8J9


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