[発行日:2013.02.28] vol.101 コラム 東北復興 C.W.ニコル氏、トンボ王国にトンボ学生服池誕生、未来につなぐオーガニックコットン授業の報告

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┃     QQ    【 トンボ エコ&ESD メールマガジン 】 
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┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃       vol.101         
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┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室   
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2013.2.27━★



こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
3月も近づき、岡山では寒い中にも春の気配が感じられるようになりま
した。

このメルマガに寄稿いただいているC.W .ニコル氏の来日50周年記
念パーティが先週開催されました。
元総理の菅 直人さんが祝辞の中で、政権担当の前に林野庁長官の就任
を打診したことがあると言われていました。
いのちの源である日本の森のあり方についてこれまでの取組みが各方面
から絶大なる信頼を得ていたことに改めて驚きました。

天皇陛下からも日本の森をこれからもよろしく御願いしますといわれた
ニコル氏は今、東北の森の復興に力を入れておられます。今回はコラム
含めて3つの話題提供です。



 もくじ【1】コラム 東北復興   C.W.ニコル氏
     
    【2】トンボ王国にトンボ学生服池誕生
       トンボと自然を考える会 常務 杉村 光俊氏

    【3】未来につなぐオーガニックコットン授業の報告
 
           
    
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このメールマガジンのタイトル ESDとはエジュケーション フォ サス
テナブル ディベロップメントの頭文字です。日本語では持続可能な開
発のための教育と訳されます。日本が国連に提唱した考え方で、エコに
とどまらず持続可能な社会を構築するための教育活動全般を指します。
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           【1】東北の復興
              C.W.ニコル氏
         
            
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このコラムはC.W.ニコル氏の原稿をトンボ環境事業企画室にて翻訳して
お届けしています。

「 東北の復興 」
2011年3月11日に起きた地震と津波の後 直ぐに、私たちは東北の被災
地の町に向けて、被災された方々に私たちの森の中で数日を過ごし、心
を癒してもらおうと招待状を送った。
その中で、 東松島市が提案を受け入れてくれた、予想外だったのは、
放置された丘陵の森を緑豊かで健全な生物多様性のある森に戻して、そ
こに破壊された小学校を再建する手助けをして欲しいと求められたこと
だった。
それ以来、少なくとも私たちの半分の時間を、東松島森林学校プロジェ
クトに費やしている。

専門家、町当局、教育委員会、現場の教師、子ども、地域や他の多くの
人々たちと 様々のそして継続的な議論や会合を重ねる中で、私達は新し
い学校の建物を木造で、ハイテク しかし、風景や自然の大規模な破壊
をしないものとすることを重ねて主張してきた。

私たちは、地元や国際的ボランティアと協力して、森を切り開き、木造
校舎を建て、同意や承認を得るために行動を始めている。
私たちの最大の頭痛の種は、何か新しいことをしようとする時に生じる
一握りの県及び中央省庁高官による頑固で根深い抵抗だ。 私の壮大な志
の一つは、今、彼らにとっては最大の頭痛の種となっている!

これらの交渉や調整を進める間に、特に東北地方で非常に多くの素晴ら
しい人々にめぐり会った。彼らは、将来のために夢と希望を持って、新
しい、弾力性(回復力)のあるそして、これまでの視点とは違う日本が
全て実現するように絶えず努力している。

私は、個人的に戦い続ける勇気と意思を持った子どもたちの目と声を見
つけており、彼らは近い将来 自然の中で教育を受けること、町と地域
社会が安全で美しくなることを信じている。
喪失とトラウマを体験してきた東松島市の子供たちは、生涯を通じて心
の傷を持ち続けるだろうが、彼らは他人の不安や希望を理解する素晴ら
しい能力を持っている。

子どもたちの心の中に触れ合うことで、私は本当の自然の働きを理解し、
助けを求められたことについて非常に光栄に思うと共に謙虚な気持ち一
杯だ。

C.W.ニコルアファンの森財団 震災復興プロジェクトはこちらを
ご覧下さい。
http://www.afan.or.jp/af-fukkou/fukkou.html




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     【2】トンボ王国にトンボ学生服池誕生
       トンボと自然を考える会 常務 杉村 光俊氏
 
                   
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昨年11月に皆様に御願いした「トンボ王国」の緊急支援ですが、自助
努力と共に各方面からの支援で、窮地を乗り越えられました。
弊社も会社ならびに社員有志の募金を行い、1月にお届けすると共に今
後の活動についてのお話を伺いました。

「トンボの棲む環境が私たち人間にとっても大切であることを広く伝え
る」活動を続けられ、弊社も継続して支援していくことを共有しました。

同会は経営安定も合わせて下記の項目を実施されます。
1.来場者の増加 毎年2万人を目標に広報を強化する。
  ・パンフレット刷新やホームページのリニューアル
  ・旅行代理店との「グリーンツーリズム」の企画アピール

2.今まで無償で実施している環境保全活動を見直し、四万十市より雇
  用創出事業としての受託収入を得ることが確定しました。

さらに、今回の弊社の支援を形残したいとの申し出があり、弊社の支援
金をベースに新たな池の造成を取り組まれる事となりました。
以下、杉村様の寄稿です。

去る平成25年1月25日開催の役員会での決議をえて得て2月9日、トンボ
王国(四万十市トンボ自然公園)を整備している田黒池田谷内の地権者 
松田光雄様所有の休耕田502m2を新たにトンボ誘致池として借り受ける
ことになりました。

現在のトンボ王国エリアは本会による購入地および借地のほか、世界自
然保護基金ジャパン購入地と四万十市の購入地及び借地を合わせ
80,508.31m2となっており、今回の取得により81,010.31m2に広がること
になります。

ハナショウブ池西隣に当たる今回の取得地は、県内でもその生息地が現
在3ヶ所しか残されていないオオイトトンボの増殖を図るトンボ誘致池
として整備していく予定で、実際にトンボそのものの育成を図ることを
目的とする保護区としては、1997年の一口オーナーによるモートンイト
トンボ保護区拡張以来16年振りとなります。

また今回の賃借料の財源には、「WE LOVEトンボ」絵画コンクール
協賛等、ほぼ設立当初より本会の活動を物心両面でご支援くださってい
る株式会社トンボの社員の皆様が、昨年11月の運営資金に関する事務局
からの緊急支援依頼に応じでお寄せ下さったご寄付を充てさせて頂くこ
ととし、同社及び本会の共通目標でもある「トンボと共生できる社会づ
くり」に向け、より強固な関係を築くことを期し、学生服を模した同社
ゆかりのトンボ池として整備および管理をさせていただくことにしてい
ます。

さらに、今回の借地保護区は平成26年度中の購入も視野に入れており、
賃貸借期間は本年2月より2ヵ年の予定としています。
この購入財源についても、同じく昨年11月の緊急支援依頼に応じでお寄
せ下さった株式会社トンボ様からのご寄付と、すでに平成18年度より保
護区用地購入資金として一口オーナー基金に積み立てている同社および
社員の皆様からお寄せ頂いているご寄付を充てさせていただくことにし
ています。

ただ、買い取りには資金面のほか農地転用など諸手続きが必要となるた
め、とりあえず今年のトンボシーズンに間に合わせるよう賃貸借での整
備を進めていくことになったわけです。

なお、池掘り作業は本会スタッフの手によって2月24日を持って完了、
来る平成25年3月24日(日)午前10時より、市民ボランティアを募り(50
名まで)上記トンボ池周辺へのハナショウブ等の記念植栽および立て看
板設置等の作業を計画しています。

トンボ池の造成作業はこちらよりご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_E1ZxLk.pdf




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     【3】未来につなぐオーガニックコットン授業の報告

                    
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東日本大震災で被災した農地で塩分があっても育つ綿花を栽培して、オ
ーガニックコットン製品を販売し復興支援をするプロジェクトが2つ実
施されています。

紡績からアパレルまでの異業種が連携した「東北コットンプロジェクト」
とアパレルとNPOが合同した「福島オーガニックコットンプロジェクト」

国内的には少し脚光を浴びたオーガニックコットンですが、その存在を知
る人はまだまだ、少ないです。

2011年からはじめたオーガニックコットンの授業。地球環境と栽培す
る人、着る人の共にやさしい綿花の授業を開始して2年目のご報告をしま
す。2012年度は、3小学校、1中学校で授業をさせていただきました。

どの学校にも日本在来種 和棉の種を栽培して収穫し、糸にする体験をし
て貰うとともに、座学でオーガニックコットンの環境価値と社会的価値そ
して、労働の価値を伝えました。

栽培後の種取り、紡ぐまでの下準備、スピンドルを使った糸紡ぎはどれも
結構な手間で、紡績機の発明より、素早く糸が紡がれ、大量の綿製品が安
価に入る今の生活の便利さを児童、生徒達は初めて体験して驚いたようで
した。

また、三重県伊勢市小俣中学校で実施した授業では、児童労働をなくす活
動を展開するNPO法人ACEとのコラボ授業となりました。初回に糸紡ぎ体験、
2度目の授業ではオーガニックコットンの環境、社会的価値について説明
をしました。

千葉市の稲毛第二小学校では、2回の授業の後、児童達がグループを作り
、綿の歴史や栽培、オーガニックコットンの環境価値、糸紡ぎの方法、児
童労働などについて研究発表を保護者に行いました。

消費のあり方を見直し、グリーンコンシューマーを育て、持続可能な暮ら
しのあり方を考えていく授業、今年はさらにバージョンアップして行いた
いと考えています。

これまでの授業の模様をホームページに掲載しましたのでご覧下さい。
http://www.tombow.gr.jp/eco_project/ecogakusyu/organic-cotton/index.html


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