[発行日:2013.04.01] vol.102 トンボ学生服池完成、県産材活用によるコミュニティサロンづくり、生き物の宝庫に集い ふるさとづくりワークショップ

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┃     QQ    【 トンボ エコ&ESD メールマガジン 】 
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┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃       vol.102         
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┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室   
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2013.3.30━★




こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
間もなく4月を迎え、入学シーズンが近づいています。
当社では、お客様全員が1人も欠けることなく晴れの入学式を真新し
い制服姿で迎えられるように、全社員一丸となって制服の製造や納品
を行っている最中です。

既に桜の満開を迎えた地域やまだこれからという地域もあると思います
が私達のお花見は入学式が済んで無事新入生の皆さんが通学を始めた頃
です。制服をお納めした達成感で心にも花が咲く2重の喜びとなります
が、今はもうひと踏ん張りです。

今月は、3つの話題提供です。



 もくじ【1】トンボ王国に「トンボ学生服池完成」 
     
    【2】県産材活用によるコミュニティサロンづくり
           岡山県立 矢掛高校

    【3】生き物の宝庫に集い ふるさとづくりワークショップ
           岡山市立 竹枝小学校
 
< おしらせ >
8回目を迎える「全国学校・園庭ビオトープコンクール2013」
の募集が4月より開始されます。締め切り6月30日 
自薦・他薦の制度があります。
詳しくは公益財団法人日本生態系協会ホームページをご覧下さい。
http://www.ecosys.or.jp/activity/biocon/index.html
        
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このメールマガジンのタイトル ESDとはエジュケーション フォ サス
テナブル ディベロップメントの頭文字です。日本語では持続可能な開
発のための教育と訳されます。日本が国連に提唱した考え方で、エコに
とどまらず持続可能な社会を構築するための教育活動全般を指します。
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       【1】トンボ王国に「トンボ学生服池完成」
             
            
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先月ご報告したトンボ王国のトンボ学生服池が完成し、今週お披露目式
が行われました。繁忙期のため、当社からの出席は出来ませんでしたが、
トンボと自然を考える会よりいただいた当日の活動報告を紹介します。

『去る24日、40名ほどのボランティアによって無事整備作業を終えるこ
とができました。作業に先立ち、酒井理事長にお寄せいただいたメッセ
ージを代読していただき、その後ハナショウブ約100株のほか、カキツ
バタ、ヤブカンゾウ、ミツガシワ、アサザなどを植栽、2箇所に丸木橋
を設置、最後に看板を立てさせて頂きました。』

当日の模様はこちらをご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_eOSd5G.pdf

また、新しいトンボ王国のリーフレットもでき上がりました。
こちらをご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_PKic5l.pdf

同会では、ゴールデンウイークにはイベントも予定されています。

『5月は、一年中で一番華やぐ季節です。カキツバタがトンボ池を彩る
中、北方種ヨツボシトンボが群れ飛び、クロイトトンボやオオイトトン
ボがユニークな潜水産卵を見せてくれます。中旬になると「春のトンボ」
が少しずつ姿を消していく一方、サラサヤンマなど「初夏のトンボ」が
活動期を迎えます。 

花では、ゴールデンウイーク後半に四季咲きカキツバタと、その池縁の
タニウツギが見ごろとなります。中旬にかけ、コガクウツギの花が山崖
を純白に彩ります。また、この頃からスイレンも連日1000単位の花を楽
しめるようになり、その中にトンボ王国最小のトンボ・コフキヒメイト
トンボがひしめいています。下旬になると、あきついお裏の池や湿地保
護区のアサザが鮮黄色の花を次々と咲かせるようになり、ハナショウブ
も見ごろを迎えます。』 是非トンボ王国に足を運んでみてください。





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     【2】県産材活用によるコミュニティサロンづくり
            岡山県立 矢掛高校
 
                   
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昨年7月、VOL94でご紹介した矢掛(やかげ)高校のESD(持続発展教育)
において新たにESDを強化するコミュニケーションスペースが生まれまし
た。4年に渡る先輩から後輩へ受け継がれてきた思いが実現したもので
す。その思いと新たなコミュニケーションスペースについてご紹介しま
す。

岡山県教育委員会では、毎年高校生が提案する「エコ広場」UD(ユニ
バーサルデザイン)整備事業、「県産材活用」UD整備事業を募集して
います。4年前に同校では「エコ広場」の採択を受け、中庭に水辺ビオ
トープが整備されました。
その後、県産材を活用した事業にもチャレンジを続けていましたが残念
ながら採択には至っていませんでした。

昨年8月、4年間提案を続けてきた県産材活用によるUD整備事業に「ユ
ネスコサロン」の提案が採択され、工事が竣工し2月14日にオープニ
ングセレモニーが開催されました。

この提案は、矢掛高校ユネスコサロンプロジェクト4のメンバーが過去
の提案内容を元に、オリジナル性を加えて提案したものです。
このスペースを様々な内外の学習、交流に活用したいと纏め上げました。
提案には7つのポイントがあります。

1.県産材を使った木のぬくもりのある提案 スリッパを脱ぎ入室 
  スギ:壁、ヒノキ:小上がり、マツ:フロア(矢掛町の木)の感触
  を楽しめます。
2.小上がりへの移動も配慮した車椅子の方にも優しい ユニバーサル
  デザイン 
3.活動内容により変化する空間 小上がりの床が机に変化、フロアの
  6つの三角形テーブルは移動・組み合わせ自由です。
4.情報発信の場 高校生が森林、木材の利用に関心が持てるような情
  報をフロアに掲示
5.地域との交流 これまでの「環境」授業や地元を知る「矢掛学」な
  どで地域の方々との交流を図るスペース
6.壁面のシンボルマーク(校章とユネスコスクール)と創立当時の襖
  絵 120年前の学校の写真当時の生活の様子が伺えます。
7.サロン名称 「ユネスコサロンFOREST」県内初のユネスコスクール
  認定校の自覚と共に森と生きることの大切さを伝える意味で命名

以上の提案内容は机上で組み立てたものでなく、地元の森林組合や工務
店を訪ね木使いや建築・設計のポイントを学ぶと共に車椅子を使ってユ
ニバーサルデザインに必要な体験、さらには、森への関心を高めるため
に炭焼きの体験などを重ねて来たものです。
通常の普通科高校の授業科目では学べない大切な学びが積み重ねられま
した。

オープニングセレモニー当日は、校長、教育委員会、部屋作りに関わっ
た地元の業者の方々が集いました。プロジェクトメンバーによる経緯の
説明に続き、お茶の接待や筝曲「さくら」が振舞われました。

弊社より寄贈した制服の残り布も木炭を入れる小袋として活用されてい
ます。これからの、ユネスコサロンの有効な活用が期待されます。

来年10月には岡山市で民間レベルのESD国際会議が開催され、岡山県
の代表として矢掛高校も活動の発表をされます。

当日のセレモニーとユネスコサロンはこちらからご覧下さい。 
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_otzXhQ.pdf




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   【3】生き物の宝庫に集い ふるさとづくりワークショップ
           岡山市立 竹枝小学校

                    
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岡山市の北部、旧建部町に立地する竹枝小学校は岡山3大河川のひとつ
旭川の中流域の川べりにあります。

同地区では、2006年から子供達にふるさとへの愛着と誇りを育てよ
うと小学校と地域住民が一緒になって「竹枝を思う会」を結成し、学校
支援ボランティアや外部の応援団の協力を得て「自然体験、環境教育で
竹枝が一番を目指そう」を合言葉に学校周辺の自然を保全活用し「水辺
の楽校」「田んぼの学校」「旭川かいぼり調査」等の協働事業に取り組
んできました。

竹枝小学校区は、調査や活動により「生き物の宝庫」であることが分か
り、2008(平成20)年、「岡山市身近な生きものの里」に認定されました。
また、同年国土交通省・環境省・文部科学省連携事業の「子どもの水辺」
の指定を受けました。
これをきっかけに校章の蛍にちなみ蛍が学校を取り囲む「たけえだ・生
き物の里」作りに力をいれています。震災を機に他地区からの移住者も
増え、少しずつ竹枝の魅力を理解する人々が増えています。

3月初旬、恒例の「ふるさとづくりワークショップ」には、小学生、保
護者、教師、地域住民、一緒に活動する地元岡山理科大学生など80名
が集いました。地元ケーブルテレビ、新聞社の取材もありました。

この日は、1年間の活動の振り返りと2012年にまとめた「生きもの
の里夢プラン」から「生きもの田んぼづくり」をテーマに地区ごとに田
んぼの今昔について情報を出し、子供達に何を伝え、学校内の田んぼを
どのように活用するかについて意見を交換しました。

第1部では、岡山理科大学生が学校前の旭川のかいぼり調査の結果を報
告、多くの水生昆虫(トビゲラ、カワゲラ、カゲロウ)と20種類以上
の淡水魚が棲み、絶滅危惧2類の魚も居る。外来魚の存在は確認できな
かったとこの地区が豊かな環境であることを発表しました。
貝類も豊富でトンガリササノハガイ、マシジミ、ヤマトシジミなども棲
んでいます。

続いて水辺の楽校スタッフが農村環境の豊かさの指標であるアカガエル
の産卵状況の変化について報告、4年前から冬季湛水を実施している学
校田に今年初めて1卵塊が生み付けられた、しかし数年間の傾向として
学校周辺での卵塊数は減っているということでした。

最後に児童達が2学年単位での取り組みを発表しました。
1,2年生は魚獲り、泥んこ遊び、田植え、とうもろこし栽培、稲刈り
サツマイモの収穫など1年間の体験を発表しました。

3,4年生は水辺の楽校、プール、学校田で1年間見られた生きものの
発表をしました。哺乳類、鳥類、魚類、水生生物(スジエビ、モクズガ
ニや昆虫等)、水草、両生類、爬虫類や昆虫、植物、土壌生物など100
種類を超える生物を見つけることができました。

5,6年生は田んぼの生き物調査を行い、アカガエルの卵塊、ヘイケボ
タルの他、ガムシ、コシマゲンゴロウなどの昆虫、サカマキガイ、モノ
アラガイなどの貝類の確認と共にその食物連鎖と生活史について発表し
ました。

第2部では、故郷の自然、文化をどのように伝えていけば良いかという
視点で3つの地区に別れ、田んぼの今昔について話し合いました。
昔見られた生き物が今は見られなくなった、鹿が大豆を食べたり、稲を
あらし獣害がある。人手不足により、農業用溜め池の泥の掘り起しが出
来ていないこと等様々な内容が挙げられました。

竹枝小学校区は、現在児童数が34人と小規模の学校です。学区住民の
高齢化や児童の親の世代の耕作離れなどにより、これまで維持してきた
里山の自然が維持できにくい状況があることも話し合いの状況から垣間
見ることが出来ました。
それだけに地域の方々が生活と共に豊かな自然環境を守りたいとの思い
が強いです。今後この活動の継続と共に、地域住民の人口が増えること
が重要だとの参加者の声があり、持続可能な地域のありかたについて
ビオトープとは別の視点で事の重大性を感じた取材でした。
この活動が今後も継続されることは他地域にとっても大変重要な意義が
あると感じます。

当日の模様はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_xQJJCb.pdf

環境gooでも竹枝小学校の活動は紹介されています
http://eco.goo.ne.jp/education/esd/biodiversity/06/01.html


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