[発行日:2012.06.29] vol.93 5/10 コットンCSRサミット2012 続報 高いけどオーガニックコットン買おうかな ベッコウトンボの棲む環境を市民が守る

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
┃                               
┃     QQ    【スクールビオトープ メールマガジン】 
┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃                      
┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃       vol.93         
┃     ┃                         
┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室   
┃     ┃                         
┃                               
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2012.6.29━★




こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
6月もいよいよ終わりますが、まだまだ梅雨の最中です。
九州や紀伊半島では、大量の雨が降りましたが、皆さんのお住まいの
地区はいかがですか?

トンボで栽培している綿花は一部を畑に移し、なんとか順調に育ってい
ます。今年は教材として、和棉の種を5校に差し上げて栽培をしていた
だいています。植物の栽培が衣料と結びつくことを理解してもらうこと
になればうれしい限りです。
今回はオーガニックコットンに関わる話題2件とトンボに関する話題1
件です。


 もくじ【1】コットンCSRサミット2012 続報
     
    【2】高いけどオーガニックコットン買おうかな
         越谷市立大袋東小学校

    【3】ベッコウトンボの棲む環境を市民が守る  


      

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


       【1】コットンCSRサミット2012 続報 
         
            
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



先月ご報告した「コットンCSRサミット2012」ですが、主催団体
NPO法人ACEのホームページに、当日の模様の写真に加え、発表者の
原稿がアップされました。それぞれの取り組みが詳しくご覧いただけます
ので、こちらのサイトをご覧下さい。

http://acejapan.org/modules/bulletin/article.php?storyid=307

また、2部で報告された「東北コットンプロジェクト」による商品がつい
に発売されました。東北コットンコレクションとして商品発表が6月2
3日東京、24日仙台で行われました。

http://www.tohokucotton.com/products/

ジーンズ、ポロシャツ、ストゥール、タオルがラインナップされています。
一度ご覧下さい。収穫量が少なかったので、海外のオーガニックコットン
とミックスして製造されています。




◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


      【2】高いけどオーガニックコットン買おうかな
             越谷市立大袋東小学校  
         
            
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



5月23日に大袋東小学校で1年ぶりにオーガニックコットンについての
授業を行いました。
テーマは「オーガニックコットンってなに?」サブタイトル地球と人にや
さしい服の選び方です。30分ひとコマで4回実施しました。

大袋東小学校の環境についての勉強会「エコフェスティバル」との関わり
も、6年目を迎えました。今年は、弊社以外に9団体と学校の先生方が
10人それぞれの教室で授業を行いました。

弊社は昨年から、地球と人にやさしい服の選び方としてオーガニックコッ
トンの服についての授業をさせていただいています。
はじめに、オーガニックコットンと言う言葉を知っているか尋ねてみまし
た、知っているのは、30人程のグループの中でも1〜3名程度です。

もちろん綿花がどのようにして服になるのか知ろう筈もなく初めて見るコ
ットンボールに興味津々でした。ふわふわしている(コットンの毛を触り)
、かたい(種やがく)、もこもこしている(コットンボール全体の印象)
など表現力豊かに感想を教えてくれました。

服以外に綿花は生活の色々な場で使われていることを児童達と一緒に確認
しました。タオルや布のバッグカーテンのほかセルロイドとしてめがねの
フレームに使われたりしています。

コットン栽培には多くの化学肥料や殺虫剤などの農薬が使われており、栽
培者の健康被害や水、土壌汚染などの環境問題、種子や農薬購入にまつわ
る借金による自殺、児童労働の問題があることを伝えました。

一般の綿花に比べてオーガニックコットンは高く買ってもらえるけれど、
栽培には手間がかかる、収穫量も減少するので3年間の無農薬栽培に転
換するのは難しい事情があることも伝え、オーガニックコットンを増やす
キーマンは誰かなど考えてもらいました。

2割以上高いオーガニックコットンの衣料品ですが、今後オーガニックコ
ットンを買うかどうか最後に挙手をしてもらいました。殆どが買うと答え
たグループもあれば半数程が買うと意思表示したグループもありました。

授業で、児童にとって一番ショックだったのは、自分達と同じ子どもが学
校へ行けずに働いていることのようでした。児童労働や自殺を減らし、皆
が笑顔になる価値を持ったオーガニックコットン商品を買うにはどうすれ
ば良いかのアドバイスをして、授業を終了しました。

最後に、オーガニックコットンは意外に身近な存在であり、自分で栽培で
きることを教えると種がほしいという声がたくさん聞こえてきました。

担当の先生に、種と栽培方法をお渡ししました。これから本格的な栽培に
取り組まれるようです。訪問の前日にたまたま他から入手した綿花の種を
蒔いたとのお話に、偶然の一致とびっくりしました。

綿花を栽培・収穫し、繊維を揃え、糸を紡ぎ、布にする手間がどれだけか
かるかを児童が体験することでオーガニックコットンだけでなく労働への
理解が高まることが期待されます。

授業の模様はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_7VP8mL.pdf



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


      【3】ベッコウトンボの棲む環境を市民が守る  
         
            
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



今年で27回目を迎える「WE LOVE トンボ」絵画コンクールです
が、7月2日より応募の受付が始まります。締め切りは9月20日。

学校への案内と共に、弊社のホームページでも要綱をアップしています。
小学生から高校生までの皆様の応募をお待ちしています。

http://www.tombow.gr.jp/eco_project/kaiga/index.html

トンボにまつわる話です。2ヶ月程前の4月28,29日に静岡県磐田市
で、第23回全国トンボ市民サミットが開催され、参加させていただきま
した。市民の篤い思いでトンボの生息域が保護される活動を拝見し、頭の
下がる思いでした。

同市内を通過する国道1号線バイパスの北に広がる桶ケ谷沼に住むベッコウ
トンボを保護する活動が市民の手で長い間行われています。

桶ケ谷沼は、今までに70種ものトンボが確認されるなど水生動植物の宝庫と
して、昔ながらの里山の生き物たちが生息する豊かな自然環境が残されてき
ました。国内でも6県ほどでしか棲息していないベッコウトンボは絶滅危惧
種として磐田市の昆虫に選定されています。

トンボの棲む水辺は放置したままでは守ることはできず、この沼のベッコウ
トンボも渇水、水草の減少や外来種の繁殖等の脅威に晒されてきました。
特に外来種アメリカザリガニの大発生の影響は大きく、1999年のベッコウト
ンボの個体数調査では、確認数47頭とそれまでの最低数となりました。

その年から地元の磐田南高校の生物部によって、絶滅回避のための「種の保
全・保護への挑戦」が、プラスチック製の容器へ産卵誘致することで始めら
れました。さらに、地元の岩井里山の会では、沼本体にザリガニが侵入でき
ない場所を確保するため、「木製のトンボ箱舟」を作ってトンボの増殖に挑
戦しています。(トンボ市民サミットブログより抜粋し紹介させていただき
ました。)

当日は、20個を超える「木製のトンボ箱舟」を拝見しました。多数のベッ
コウトンボが飛び交う中、個体数の調査も行われました。

昨年と比べ、わずかに見られる数が減ったようですが、桶ケ谷沼の傍には
もう一つベッコウトンボの生息地鶴が池があります。同じ程の大きさの池
ですが、こちらはまだ、アメリカザリガニの発生が少ないようで、トンボ
の箱舟を作るほどでは無いようです。

この両池があることでベッコウトンボは現時点では比較的安定した状態に
なっているようです。
人間が原因で壊した環境を改善し、保守・維持し続けることの大変さを間近
に見ることでトンボの棲む環境があることの大切さ、素晴らしさを実感しま
した。

トンボの絵を描くのに図鑑やインターネットを使えば簡単に見ることが出来
ますが、是非、本物のトンボを見て、そのときの印象や思いを描いてほしい
と感じたトンボサミット2012 桶ケ谷沼大会でした。

トンボサミット当日の模様はこちらをご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_RV8g4N.pdf


前のデータを表示

後のデータを表示

バックナンバートップへ