[発行日:2012.12.28] vol.99 2012年エコプロダクツ展報告 地域と共に未来を作る 共存の森関東の活動 他

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┃     QQ    【 トンボ エコ&ESD メールマガジン 】 
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┃  ⊂≡⊃‡⊂≡⊃       vol.99         
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┃     ┃       株式会社トンボ 環境事業企画室   
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★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行日:2012.12.28━★



こんにちは、トンボ環境事業企画室の小桐です。
2012年もまもなく終わり、すぐに新しい年が始まろうとしています。
今年1年は皆様にとってどのような年だったのでしょうか?

世相をあらわす今年の漢字として清水寺の発表は「金」。巷のアンケート
では「育」と「忙」が同率1位。第3位に「幸」の文字が発表されています。

私たちトンボにとっては、森づくりに本格的に取り組み始めた年となりま
した。行動をすることで見えなかったことが見えたり、新しいつながりが
できたり、色々な気づきのきっかけとなりました。

人間社会は相変わらず激しく動いています。自然も少なからずその影響
を受けています。地球と社会のあり方については昨年以上に「持続可能」
という言葉が重要になったのではないかと感じています。

今年1年このメールマガジンをお読みいただき有難うございました。
来年は100号からスタートです。新たな気持ちで「持続可能」を見つめ
ながらお届けします。

今回は3件の話題提供です



 もくじ【1】2012年エコプロダクツ展報告
     
    【2】地域と共に未来を作る 共存の森関東の活動

    【3】聞き書き甲子園 正月TV番組の紹介

           
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このメールマガジンのタイトル ESDとはエジュケーション フォ サス
テナブル ディベロップメントの頭文字です。日本語では持続可能な開
発のための教育と訳されます。日本が国連に提唱した考え方で、エコに
とどまらず持続可能な社会を構築するための教育活動全般を指します。
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        【1】2012年エコプロダクツ展報告
         
            
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去る12月13〜15日 東京ビッグサイトで第14回エコプロダクツ展が開催さ
れ、多数の方の来場があり盛況のうちに終了しました。
総来場者数は178,501人(前年比△2,986人)2年連続で前年より来場者が下
回る結果となりました。一方で児童生徒の環境学習の場としては相変わら
ずの状況で、3日間で2万人を超える数だと思われます。

<トンボブースの来場者数と様子>
今年で10回目の出展となった弊社ブースにもたくさんの来客がありました。
昨年よりも込み合ったという印象です。児童生徒900人、家族連れ一般650
人の1550人以上がブースに来ていただきました。 

学校数で92校、東京、神奈川、埼玉、千葉のほか茨城からも学習に来てい
ただきました。

弊社ブースでは、11月に表彰されたトンボの優秀作品の展示の他、4つ
のエコ商品を紹介し、同時にその商品についての意思表示をカラーボール
で投票していただきました。

来場いただいた方には当社がキャラクター契約をしている「コナン君」と
「トンボ絵画コンクール入賞作品」の下敷きとマイバッグ製作キット
(最終日はマイ箸袋製作キット)を差し上げたのですがこのお土産を楽し
みにしておられる大人のリピーターも複数いらっしゃいました。

< トンボブースの展示内容 >
1.ペットボトルリサイクル制服、体操服とリサイクル工程の展示。工程
のペレットやポリエステル綿を持ち帰れることは生徒達にとって魅力的だ
ったようです。トンボ全体では再生PETを使用した商品全体で51tのCO2
削減できました。この再生PET商品の支持率は81%でした。

2.オーガニックコットン体操シャツ 農薬を使わないことで地球環境だ
けでなく、生産者にも優しい、高く買ってもらうことで児童労働をなくす
ことに貢献できる、しかし認知度が低く、なかなか増えない状況をパネル
で説明しました。商品の支持率は85%でした。

オーガニックコットンを栽培してもらおうと自社の畑で栽培した種を25
0セット持ち帰り自由でプレゼントしたところ3日間共午前中になくなり
ました。予想以上に関心が高く驚きました。「育」に興味のある人が多い
のでしょうか? 

3.グリーン電力で作った「詰襟」学生服。今年注目されたグリーン電力
をアピールするとともに昨年と同じくどの電気で作った服が良いかの投票
を実施グリーン電力69%(昨年58)、水力14%(13)原子力11
%(25)、火力6%(4)の結果でした。

4.カーボンオフセット体操服 一般の方にはなじみのないカーボンオフ
セットを知っていただこうとクイズとともに2つの投票をしてもらいまし
た。自らのCO2排出に責任を持つカーボンオフセットには93.4%(昨年
92)の支持がありました。

カーボンオフセット商品を購入しても良いは89%共に高い支持率です。
社員がまにわの森づくり活動に参加し、森が変わる様子もパネルで紹介し
たことも支持につながったかもしれません。

< 他ブースの様子 >
750団体が参加した今年のエコプロダクツ展、それぞれに工夫が凝らさ
れていました。弊社と同じ繊維関係では オンワードの商品回収後のリサ
イクルによる毛布や軍手の無料配布による社会貢献の展示が目を惹きまし
た。
同じく、文化学園大学も反毛機や残布の回収ボックスによるリサイクル活
動の模様を展示されていました。

その他では、CO-OPがエコマーク、FSC森林認証紙製品やMSC漁業認証、フェ
アトレードなど持続可能な消費を意識した商品の展示を行っていました。

一部の情報しかお伝えできませんが詳しい様子はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_UbUIgs.pdf




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     【2】地域と共に未来を作る 共存の森関東の活動
          〜 持続可能な未来にむけて 〜
 
                   
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これまでに数回ご紹介した「聞き書き甲子園」OB達による「共存の森活動」
その中の関東の活動を久しぶりに取材しましたのでご紹介します。

聞き書き甲子園が始まり11年そのOB,OG達が森づくりに関わり、学びを深
めたいと千葉県市原市で活動を始めて8年が経ちました。

12月1日市原市 鶴舞 山小川地区青年館で開かれた今年度の活動報告
会には、学生、地元の関係者だけでなく、市原市長も参加されました。
その概要をご紹介します。

< 8年間の歩みを振り返る >  前川副理事長
現在、全国9地区で展開される共存の森の基となったのがここ市原市山小川
地区にある「鶴舞創造の森」での活動です。

炭焼き名人として聞き書き甲子園に語り部として関わられた古関幹夫さんに
炭焼きを学ぶことからこの活動はスタートしたといっても過言ではありませ
ん。

平成18年(2006年)に古関さんと出会い、鶴舞地区とはどのような地
区であるかを知ることから学びは始まりました。翌年炭焼きを体験する活動
が始まり、学生達と地域の方々の交流は深まって行きます。当時学生のリー
ダーであった前川 洋平 共存の森ネットワーク副理事長は今回の報告会の
中で8年を下記のように振り返りました。
「自分達の世代は便利な暮らしの中に育った。しかし、忘れてはいけないも
の、本当に必要なものを考えるきっかけが山小川の人たちとの交流の中にあ
った。学生、社会人としてこれからも暮らしのあり方、生き方を地域の人と
もに考えて行きたい。」

炭焼きを体験した翌年から学生達は 山小川地区の暮らしを学びます。稲作
体験や萱葺き屋根の補修、牛飼いの話など町内の様々な方々より伝統的な暮
らしについて体験と共に見聞を広め、地区の文化を知るために地元熊野神社
の秋の祭礼にも参加をしました。

< 炭の価値について考え行動する >
そして、昨年、今年は「炭」の価値について考え、行動をしてきました。
昨年は。木を伐り、炭焼きを行い、その価値を考えたのが今年12年の活動
です。共存の森メンバーは「炭焼き」に4つの価値があると捉え、活動を行
いました。

1.金銭的価値:燃料としての価値があった。結果、裸足で歩けるくらいに
  里山は整備されていた。
  
2.里山の利用と活性化:炭焼きでは循環した木の伐採をするので木が育つ。
  それが、里山の動植物の多様性維持につながり、多くの恵みを与える。

3.山小川の中での交流 炭を使い世代を超えて交流
  今年は炭をテーマとしたイベントを開催し、地域の世代間交流のきっか
  けとしました。
  ・ 9月 炭を使った料理を学ぶ「いりとりと里芋の煮転がし」
  ・10月 森の整備と炭を使ったオブジェの作成(クラフト教室) 
 
4.地域外の交流 炭焼きをアピールすることで共存の森関東の活動を見直
  す契機ともなった。
  ・4月 アースデーイベントでの炭販売 炭のインテリア2個、靴消臭
   材7個など合計44個 6,800円の売上
  なぜ売れないのかについて新たな課題を発見することが出来ました。  

< 2013年移行の活動について >
この山小川地区では来年新しい変化が起きます。高速道路圏央道が整備され
ており、同地区に「市原鶴舞インターチェンジ」がオープンします。
今でも高速バスで東京駅まで1時間半ほどで行けますが、今後はさらに便利
になり、多くの人が同地区に訪れるであろうと予測されています。
しかし、地元の方々、市長は高速インター開通を経済価値偏重では捉えていま
せん。

市長の報告会の挨拶では下記の発言がありました。市原 山小川の持つ魅力が
これからの日本のあり方に関わる。小動物などたくさん棲む森には多くの魅力
がある。情報発信も必要。商業施設を誘致するのでなく、地域の魅力を発信す
べき。都会で心を痛めた都会人が鶴舞の土や森で過ごして元気になり、都会へ
戻る、活力の原点がこの地の暮らしにある。
共有地を農地として都会の人に貸し出すなどの方法もある。地域と都会のバラ
ンスの取れた発展が出来るのではないか?

ここは、葡萄が取れるのでワイナリーも設立の提案がある。そこから新しい雇
用が生まれる。2014年にはいちはらART&ミックス国際芸術祭が開催され
る。共存の森のメンバーは都会に鶴舞の「緑」の魅力を伝えて欲しい。

この発言の後、大学生のメンバーからは下記の提案がありました。仮称「鶴舞
なび」という鶴舞地区の魅力を紹介するホームページを立ち上げ応援したい。
鶴舞の魅力を自分達若者の視点も含めて外から来た人に発信して行きたい。

筆者も6年間前からこの活動をたびたび取材していますが、新たに地域の変化
が起きるこの時に、これまで培われた若者達による同地区の暮らしの学び、世
代間交流の成果が次の時代を作る「言霊」として動きはじめる予感を感じます。
教わるだけから協働へと新たな共存の森活動がステップアップしそうです。

1年間の活動と発表の模様はこちらからご覧下さい。
http://www2.tombow.gr.jp/merumaga/save_up/5-file_EZ8iXQ.pdf

共存の森関東の活動の紹介はこちらをご覧下さい。
http://www.kyouzon.org/active/active07.html


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       【3】「聞き書き甲子園 正月TV番組の紹介

                    
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前項でご紹介した共存の森活動の原点となっている「聞き書き甲子園」
のドキュメンタリー番組が来年 1月3日にTV放送されます。

「森の賢者 海の哲人〜高校生が出会った魔法の言葉」というタイトルです。
2013年1月3日(木) 21:00〜21:59 
NHK教育テレビ
2013年1月12日(土)15:00〜16:00   
NHK教育テレビ  再放送

番組紹介サイトはこちらです。
http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=12f13220130103

是非ご覧下さい。


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